知的なベーッシックカラー×肌見せで大人の色気を最大限に引き出す【BAILA世代のスキありコンサバ】

大人の好感度＝知性×社会性+少しの可愛げ。スタイリストの佐藤佳菜子さんが考える「スキありコンサバ」は、バイラ世代にとっていいことずくめのファッション。誰かと会う日がもっと楽しいものになる、洒落感＆好感コーデの作り方をご紹介！

スタイリスト佐藤佳菜子のアイディア

「“普通”の着こなしってマイナスの感情を向けられることがないですよね。つまり人に好かれる分母が多いということ。そして洋服に余計な情報がない分、相手が自分のキャラクターをちゃんと見てくれる気がします。ショールカラーのコートにＶネックカーデ、テーパードパンツ。ごく“普通”のアイテムにこそ好感度につながる絶対的な魅力が備わっています」。

スタイリスト佐藤佳菜子のアイディア
「リボンやフリルなどのフェミニンなディテールは、何より色とのバランスが重要。大人がパステルのような甘い色を選ぶと、過剰であざとい雰囲気になってしまいます。控えめでありながらも凜としたムードを併せ持つネイビーは、こんな甘い要素をほどよく中和してくれる頼もしい色。背中にボリューミーなラッフルをあしらったワンピースも、ネイビーの品行方正な魅力のおかげで、どこか知性を感じる女性らしさに。肩ひじ張らずに着こなしたいから、無造作なおだんごヘアと遊びのあるピンクのリップで顔まわりは少しだけ力を抜いて」。

スタイリスト佐藤佳菜子のアイディア
「たとえば華奢なデコルテがちらりとのぞくセンシュアルなワンピースと、マスキュリンなオーバーサイズのテーラードコート。慣れ親しんだコンサバなアイテムも、ちょっぴり趣向が異なるものをアンバランスにコーディネート。それだけでなんだか目新しく、視線を引き寄せるたたずまいに変わります。肌を露出して女っぽく攻めるよりも、色気が宿るのはこんなささやかなギャップ。なにげないシンプルな黒の着こなしがとびきり素敵に映るんです」。

スタイリスト佐藤佳菜子のアイディア
「ふんわり甘いパステルじゃなくて、思わずはっとするような吸引力のある強い色。ベーシックカラーが中心のコンサバなスタイリングにこそ、ときにはそんな色がとびきり新鮮に映えるんです。今季、トレンドカラーとしても注目されている赤は、華やかだけれど媚びていなくてほどよくこなれたムードも。社会性のある大人がまとっても間違いなく素敵に見える色です。ばさっと着るだけでさまになるようなざっくりとしたタートルニットなら、気張った印象にならず親しみやすさがアップ。着慣れたパンツとの着こなしも格段にクラスアップして見えます」。

昔ながらのイメージのせいか「コンサバ」って型にはまっているとか、無難でつまらないとかネガティブにとらえられることが多いけれど、大人に必要な知性や社会性を基盤にしていてどんな人にも受け入れてもらえる安心感があります。そこにちょっとした可愛げや遊びで“スキ”をつくって「印象的な無難」「無難の最上級」を目指すのが私が考える「スキありコンサバ」。普通の服がベースだからやりすぎにならないし逆に新鮮な洒落感が生まれて好感度が上がるバイラ世代にとっていいことずくめのファッション。誰かと会う日が、もっと楽しいものになるはずです。

撮影／大塚三鈴　 ヘア＆メイク／中山友恵　スタイリスト／佐藤佳菜子　 モデル／土屋巴瑞季　取材・原文／野崎久実子　※BAILA2024年1月号掲載