おしゃれな大人のセンスはディテールにこそあらわれるもの。気持ちが上向くことで、周りにも“なんかいいね”って思われる。だからこそひと手間かけたヘアアレンジでで、日常に心高鳴る魔法をかけよう! ヘア&メイクアップ アーティスト林由香里さんが大人のための「アクセサリーになるヘアスタイル」を提案。
1.エアリーなウェット質感のヘアスタイル
使ったのはこれ
髪に熱をマイルドに伝えるカーボンレイヤープレートを採用し、ダメージを軽減。リファカールアイロン プロ26 ブラック ¥25000/MTG
アルガンやオリーブオイルなどを豊富に配合したマルチユースタイプ。クゥオ フェズ 100㎖ ¥4400/アマトラ
ヘアアレンジのプロセス
《1》波のようなウェーブをつくる。まずアイロンを真横に持ち、毛先全体を外巻きや内巻きにランダムに巻いてクセづけていく。
《2》1で毛先を外巻きにした場合はすぐ上を内巻きに、内巻きにした場合は外巻きに。交互に毛束を挟んで波のようなラインに。
《3》オイルを適量手になじませたら、毛先を中心にバサバサと振りながら毛束をくずし、エアリーなウェット質感に仕上げる。
ジャケット¥93500/ショールームリンクス(イン) カットソー¥4950/ユナイテッドアローズ カスタマーサービスデスク(CITEN) ピアス¥44000・リング¥26400/トゥモローランド(リエ スタジオ) インに着たキャミソール・パンツ/スタイリスト私物
2.Tシャツを着た日はタイトなオールバック
今やオフィスでも活躍するTシャツ。「とはいえカジュアルな印象になりやすい服なので、お仕事仕様のきちんと感を演出できたらいいですよね。手っ取り早いのは、タイトなシルエットでモードニュアンスを添えること。本気のオールバックだと気合が入りすぎてしまうので(笑)、ざっくりセンターで分けることがデイリーな隠し味に」(林由香里さん)
使ったのはこれ
サジーオイルなどを配合したベタつかないオイル。ウタウ スムージングオイル 45㎖ ¥3520/デミ コスメティクス
微調整も可能なマスカラ状スタイリングジェル。ケイト バングスキープフィクサー ¥1078(編集部調べ)/カネボウ化粧品(WEB限定商品)
ヘアアレンジのプロセス
《1》全体をタイトなシルエットにするために、まずはヘアオイルを手のひらに適量広げ、かき上げるように全体になじませる。
《2》きっちりしすぎないように手ぐしでセンターパートに分け、耳にかけるように髪をタイトに整える。このラフさがカギ。
《3》顔まわりの髪だけマスカラタイプのセットジェルでよりタイトに。ブラシでなでつけるように整え、きちんと感をプラス。
Tシャツ¥13200/ショールーム ロイト(ハイクル) ベスト¥6930/ユナイテッドアローズ カスタマーサービスデスク(CITEN) メガネ¥46200/フォレストパイン・デザインラボ(パイン) ピアス¥33400/CPR トウキョウ(キンレイデン)
3.ワンピースを着た日はさらっとストレート
「甘い服に甘いヘアももちろん素敵ですが、少しスパイシーさを加えるとより洒落た魅力的なバランスになります。肩の力が抜けていながらも信頼感を感じさせるべく、さらりとしたストレートヘアがおすすめ。だからといって毛先までまっすぐにしてはニュアンスがなさすぎるので、そこはやはりひと手間かけて意図的な無造作ヘアをつくりましょう。絶妙なハネ感はもちろん、束感やテクスチャーを加えることが重要です」(林由香里さん)
使ったのはこれ
ぬれた髪に使用しても水蒸気爆発を起こしにくい優しい設計。リファストレートアイロン プロ ブラック ¥23000/MTG
瞬時にツヤを与え、摩擦からもプロテクト。リサージ ヴォーニュ グローフィニッシュスプレー 110g ¥1980/カネボウ化粧品
ヘアアレンジのプロセス
《1》髪がまっすぐすぎると抜け感がなくなるので、髪全体にストレートアイロンを通しながら毛先にかけて軽く外ハネにする。
《2》顔まわりのほか、ところどころ毛束をランダムに取り、軽く内側に丸みをつける。こうすることで手を加えた無造作感が宿る。
《3》ツヤ出しスプレーを毛先を中心に吹きかけて、毛束感をつくる。トップにはあえてかけないことでサラッとした仕上がりに。
ワンピース¥52800/ショールームリンクス(ババコ) スカート¥22000/エストネーション グランフロント大阪店(タンク) ピアス¥23100・ネックレス¥27500/プラウ バッグ¥24200/エスアンドティ(ヴィクス) 靴/スタイリスト私物
4.シャツを着た日は後れ毛多めのひとつ結び
今季のトレンドでもあり、オンもオフも頼りになるシャツ。汎用性の高いこの服を無難にならないように着こなすには、やはり髪にかけるひと手間が有効。「かっちりしたシャツに髪まできちんとしていると少し気疲れしてしまうときも。ラフさを仕込んだ上でざっくりとまとめたひとつ結びにすれば、ほどよい抜け感と今っぽさが漂います」(林由香里さん)
使ったのはこれ
ガチガチに固めずに、ニュアンスを残しながらスタイリングが可能なバームミルク。ベタつかないテクスチャーで林さんも愛用。ダンスデザインチューナー ポッピンフィグ 80g ¥1980/アリミノ
ヘアアレンジのプロセス
《1》事前のニュアンス出しが重要。アイロンでラフにクセづけるか、ミルクタイプのスタイリング剤を毛先中心にもみ込んで。
《2》前髪や顔まわりの毛束を残して後ろで髪をまとめ、低めの位置でひとつに結ぶ。襟足の毛が出ても気にしないくらいでOK。
《3》残しておいた前髪や顔まわりの毛束にもミルクタイプのスタイリング剤をなじませ、ラフさと束感を加えてこなれた印象に。
シャツ¥35200/アストラット 新宿店(アストラット) ビスチェ¥5940/ユナイテッドアローズ カスタマーサービスデスク(CITEN) ピアス¥39600/ブランイリス トーキョー(ブランイリス)
大人が髪とメイクに“ひと手間かける”必要性
ヘア&メイクアップ アーティスト
林由香里
ファッションまで熟慮した上で生み出される、トレンドをほどよく取り入れたヘア&メイクを得意とするマルチプレイヤー。パッと見のクールな印象と実はお茶目なキャラのギャップも魅力。
「働くバイラ世代にとって、髪やメイクに頑張った感は必要ないけれど、きちんと感の中にポジティブさは欲しいもの。それには“ひと手間をかけること”が重要なんです。髪であればアレンジひとつで印象を変えられることが魅力ですが、ただ結ぶのではなくほんの少しのニュアンスを加えたり、どこかをくずして抜け感や軽やかさを出すことがこなれた印象を生む近道になります。たとえば最初のジャケットスタイルの場合、あえてウェットなニュアンスヘアにすることでエフォートレスなムードと洒落感が漂いますが、ただのボサボサじゃだめ。ちゃんと“手をかけた無造作”にすることが、きちんとかつ素敵に見えるポイントなんです。ぜひそんな“ひと手間”で毎日をもっとハッピーに楽しんでみてください」
撮影/大塚三鈴 ヘア&メイク/林由香里 スタイリスト/大谷玲奈 モデル/佐藤晴美 取材・原文/森山和子 ※BAILA2024年7月号掲載