貧血や立ちくらみ、耳鳴り、気圧の変化や気圧の変化と体調って本当に関係あるの? 大きな病気の兆候では? 小さいけれど気になる体調の不安や疑問に医師が回答します。
回答してくださったのは
イーク表参道 婦人科医 高尾美穂先生
東京慈恵会医科大学大学院修了。女性それぞれのライフステージに合った治療法を提案、よりよく年を重ねていけるようさまざまな角度からサポートしている。
はるねクリニック銀座 婦人科医 上田弥生先生
大阪市立大学医学部医学科卒業。デリケートゾーンのアンチエイジング治療、漢方治療、アロマセラピーやハーブにも精通している。
Q 立ちくらみやめまいは貧血のせいでしょうか?
A 鉄欠乏性貧血のほか自律神経失調症などの可能性もあります
「医学的な貧血は、ヘモグロビンの不足を指します。自律神経失調症や起立性低血圧もクラッとするのですが、これを“貧血”と呼んでいる方も多いですね。しかし、これは立ち上がったときなどに、血圧を上げられないと起きる現象です。特に朝起きる“クラッ”は、体がきちんと起きていないせいであることが多いので、朝食をきちんととり、朝少し体を動かしてみてください」(高尾先生)
Q 耳鳴りに悩まされています
A 鉄欠乏性貧血でも耳鳴りが起きることが
「耳の専門家ではないので詳細はわかりませんが、内耳の障害の可能性もあるので、耳鼻科を受診してみて。また、鉄欠乏性貧血で耳鳴りがすることもあります。鉄欠乏はさまざまな体調不良を起こすので、隠れ貧血の原因にもなるフェリチン(貯蔵鉄量)を測る検査をしてみてください。ちなみに検査会社のフェリチンの基準値はかなり低く設定されていますが、理想は80以上です」(上田先生)
鉄分とともに、ビタミンCやタンパク質をとるのが正しい対処法。吸収のよいヘム鉄と鉄配合の乳酸菌を組み合わせた医療機関専売のサプリメント。一日3粒が目安。Fe9ヘム&ビオ60カプセル¥5000/MSS 高吸収率が魅力のリキッドタイプのサプリメント。リポ-カプセルビタミンC30包入り¥7200/スピック
Q 気圧の変化と体調って本当に関係あるんですか?
A はっきりとは解明されていませんが、研究が進められている段階です
気圧のせいで体調が……と感じるけど、本当に関係が?「メカニズムははっきりしませんが、東洋医学的には、関係があるとされています。西洋医学的にはまだ証明はされていない段階だと思いますが、“天気痛”の研究も進められているよう。マウスの実験ですが、中耳が敏感に気圧の変化を感じ取り、変化する部分があるという発見も」(上田先生)
取材・原文/東 美希 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2020年2月号掲載