【30代から始めるフェムゾーンケア】最近話題の「膣トレ」、どうやったらいい？

膣まわりの臓器を支えるのが、骨盤底筋群。体の内側にある筋肉のため、見たり触れたりできず、実際きちんとトレーニングがいるかもわかりづらい部分。自分では“締めてる”つもりでも実はお尻やお腹に力が入っている状態……、なんてことも。今回は膣がゆるんでしまう根本原因から、最新膣トレ事情、スキマ時間に取り入れられるエクササイズなどを、医師の満行みどり先生と植物療法士の森田敦子さんに伺います。

「相談できる相手がいないからどんな方法がいいのか知りたい」（営業・29歳）
「膣トレを始めたのですが、うまくできているのか正直わからない」（IT・34歳）

「膣のゆるみは、骨盤底筋群の筋力低下が主な原因。骨盤底筋群には骨がなく、ハンモックのように筋肉だけで臓器を支えています。しかし、出産によりこの筋肉がダメージを受けてしまったり、加齢によるコラーゲン不足や肥満などによって日々筋力は低下していきます。また介護職など日常的に負荷がかかりやすい、便秘ぎみでいきむのが日課な方も要留意。毎日出産しているようなものなので、膣のゆるみにつながります」（満行先生）

「しなやかな体をつくるためには、ストレッチは欠かせません。それは膣にもいえること。膣でいうところのストレッチは、性交渉やセルフプレジャーを指します。もし、長期的に性交渉がないと、膣内が硬くなり、膣委縮や性交痛を引き起こす可能性も。プレジャートーイを使うのはもちろん、ぬれた状態の膣に、清潔にした人さし指と中指を入れ、ほぐすように指を軽く広げて。膣トレとセットで行うと、より効果的です」（満行先生）

「膣トレは膣の締まりを高め、パートナーとの性生活を充実させるだけではなく、体幹を鍛えてスッキリとしたお腹まわりをつくることにも有効。もちろん、将来の尿漏れや子宮脱予防にもつながります。最近では手軽に使えるものから、アプリと連動して膣レベルの変化を把握できるものまで、様々なアイテムが登場しています。いかに負荷をかけるかよりも、継続することが大切なので、無理のない範囲でコツコツ続けてみてください」（森田さん）

「ひざをついて座ったり、かかとを合わせて立つだけでも、立派なトレーニングに。通勤中や信号待ちなど、気づいたときに取り入れてみてください。自宅では、空のペットボトルを股に挟み、かかとを合わせて立ちましょう。えくぼをつくるイメージでお尻を引き締め、お腹も同時にへこまして。歯磨き中や家事の合間など、一日5分間程度続けてみてください。患者さんもこのトレーニングで、見違えるほどゆるみが改善できました」（満行先生）

「厚みが減り、ゆるんだ膣改善に有効なのがインティマレーザー。直径2.5cm程度のアプリケータを挿入し、膣内へレーザー照射。肌同様に2〜3カ月をかけてコラーゲン生成を促し、徐々にふっくらとした膣壁へ。膣の締まりを高めたい場合、尿漏れが気になる場合、潤いを増したい場合など、ニーズによってパワーや当て方をカスタムできるので、しっかり医師がカウンセリングしてくれるクリニックを選びましょう（」満行先生）

撮影／久々江満　取材・原文／谷口絵美　 ※BAILA2022年4・5月合併号掲載