働く30代に肌悩みを聞くと、必ず上位に挙がるのがニキビ。疲れやホルモンバランスなどで出現する大人ニキビ、克服する方法を銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子院長に伺いました。
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1.ニキビに関する悩みをバイラ読者にアンケート
バイラ読者483人に緊急アンケート

Q 現在、ニキビに悩んでいますか?
「ニキビ悩みなし」と断言したのはたったの7%で、何らかのニキビ悩みを抱えている人が8割近く。バイラ世代にとってニキビは「今そこにある危機」!

Q ニキビがよくできる場所はどこですか?
Q ニキビがひどくなるのはどんなときですか?
生理前…………………………47%
心理的ストレスが多いとき…24%
食べすぎたとき………………10%
寝不足が続くとき……………8%
偏った食生活・便秘のとき…3%
その他…………………………8%
思春期ニキビと違い、生理サイクルやストレスなどの影響が大きい大人ニキビ。食べすぎや寝不足・便秘など原因を自覚している人がほとんど
Q 思春期ニキビと違うと感じることは何かありますか?
「生理前に定期的にできるようになった」
「同じ場所に繰り返しできる、なかなか治らない」
「思春期ニキビは鼻やおでこによくできたが今のニキビは口まわりが多い」
「治りにくく長引く。市販の薬も効きにくい」
「治りが遅くて、すべてあとになる」
2.読者からの疑問にドクターがお答え

銀座ケイスキンクリニック 慶田朋子院長
最新の美容医療に精通し、「キレイのQOLを高める」がポリシー。自身もニキビやアトピーを克服したという先生の患者目線の診療は業界関係者からも大人気。
しつこいニキビ=病気。 深いあとにならないよう 早め治療がポイントに

実は、慶田先生によれば30代のニキビ悩みは珍しくないそう。「1〜2日睡眠不足になるだけでも、てきめんにニキビは出るもの。食事やホルモンバランス、それにメンタルもかかわってくるので大人のニキビ悩みは珍しくありません」ときっぱり。また、治療によっては保険も適用されるので、「ニキビ=肌の病気」ととらえて、早めにドクターの力を借りるのがよさそう。
「日ごろのスキンケアも大切ですが、炎症を起こしてしまったら抗生剤で鎮めるのがいちばん。毛穴は表からは一部しか見えませんが、真皮の深いところにあるので、炎症を放置するとクレーターやしこりに。そうなると治療しても成果が出にくいので、ニキビは早めの治療がカギになります」
最新の研究によれば、ニキビのもととなる菌バランスや皮脂分泌量には個人差がありニキビのできやすさには遺伝がかかわる部分も大きいそう。
「忙しいバイラ世代であれば、すぐ受診が難しいこともありますよね。あらかじめ遺伝子検査を受けて肌タイプを知っておく、皮脂が詰まりにくくなるケミカルピーリングやニキビ菌を殺菌する作用のある光治療を定期的に受けるといった“転ばぬ先の杖”を取り入れて、ニキビと無縁の肌を育てて」
読者からの疑問にドクターがアンサー
Q1 ニキビ体質は遺伝しますか?
A 皮脂や菌の量は遺伝で決まります
誰の肌にもアクネ菌はいますが本来は善玉菌。菌叢のバランスがよく角層が整い、皮脂量が適切ならば悪さはしません。それらの要因は遺伝の影響が大きいと判明。
Q2 自力のスキンケアだけで完治できるもの?
A ニキビは皮膚病のひとつ。クリニックの力を借りて!
スキンケアは予防的なもの。特に炎症のある赤ニキビはクリニックで抗生剤の内服処方を受けるのが近道! 最近、毛穴詰まりを改善する外用薬も保険適応に。
Q3 食生活も関係ありますか?
A 大いにあり。悪化させる食材は避けて
カップ麺などのジャンクフードや甘いお菓子、菓子パンなどはNG! 野菜とタンパク質、それに良質な油や発酵食品をバランスよくとると効果てきめん。
Q4 アクネ菌をなくせばニキビはできない?
A アクネ菌が全部悪なわけではありません
アクネ菌は、皮脂を保湿バリアに作り変える大事な存在。あるのは当たり前で、問題は菌バランスと角層の状態のよし悪し、毛穴詰まりの有無なのです。
3.「大人ニキビ」の リアル悩み10問10答

同じところに何度も繰り返しニキビができてしまいます(32歳・教師)
A 無意識の“さわりグセ”に原因が
同じ場所にニキビが何度もできる方は、髪や整髪料が刺激になったり、ニキビが気になって“さわりグセ”がついている可能性が。つい触れてしまったり、メイクのときこすってしまっていないかチェックしてみましょう。
スキンケアでの正しい予防法が知りたい(36歳・アパレル)
A ニキビ予防のためのスキンケアはシンプルでOK
バイラ世代なら保湿も大切なので、クリームなどモイスチャライザーは必要ですね。ミニマムならクリーム1品でもOKで、肌をいじりすぎないことが大切。疲れがたまっているときは、念入りにケアするよりも早く眠ってほしいです!

(右から)ミノンアミノモイスト薬用アクネケアミルク(医薬部外品)100g¥2000/第一三共ヘルスケア 雪肌精エッセンシャルスフレ140㎖¥3800(編集部調べ)/コーセーdプログラムアクネケアローションW(医薬部外品)125㎖¥3000/資生堂VC100エッセンスローションEXスペシャル150㎖¥7300/ドクターシーラボ
メイクの習慣で何か防げることはありますか?(32歳・マスコミ)
A ひどいときは重ねない。そしてメイク“道具”にもお金をかけて
パフやブラシ類は清潔に保つこと。古くなってゴワついたものも肌の刺激になるので、質のいいものを選んで。ニキビがひどいなら、毛穴詰まりを防ぐためベースはごく軽く!

背中のニキビがしつこく治りません(30歳・メーカー事務)
A もともとニキビができやすい場所なので、清潔を保つよう意識して
背中やデコルテは皮脂腺が多く、ニキビができやすいパーツ。ボディソープやトリートメントのすすぎ残しなども多いので、まずは丁寧に洗うことが大切。日焼けを避けるのも有効です。

背中ニキビの原因菌を手軽に予防。薬用アクネレスピールローション200㎖¥2300/ドクターシーラボ

ニキビあとの色素沈着が治っていない気がします(31歳・通信業事務)
A 放置していたら治るのに半年程度かかるもの。早くきれいにしたいなら、ピーリングケアを
ニキビあとの赤みが消えるまでには、3カ月〜半年かかります。フォトフェイシャルなどの光治療やケミカルピーリングを。色素沈着ケアにも、ニキビ菌の殺菌にもなり一石二鳥。自宅で行うなら低刺激のものがおすすめ。
代謝を整え、毛穴やニキビの出にくい肌に。タカミスキンピール30㎖¥4800/タカミ

クレーターのようなニキビあとをきれいに治したい(33歳・商社事務)
A へこみを自力で治すのは不可能。クリニックでの注入療法を
ニキビあとのへこみは真皮まで達しているので、シワやたるみと同じレベルの治療に。ダーマペンで肌に細かい針穴をあけて成長因子を導入し肌再生を促したり、ヒアルロン酸でへこみを持ち上げる治療がメイン。
画像/銀座ケイスキンクリニック

ニキビを防ぐ洗顔のコツはありますか?(35歳・建築系)
A 朝も夜も洗顔料で!夜のクレンジングは1分以内
皮脂やコスメは24時間たつと酸化して角層トラブルから毛穴詰まりのもとに。ニキビができやすい人は弱い洗浄剤で朝晩洗顔を。クレンジングは短時間でさっと乳化し、1分ですすぎまで終わるものがベスト。
(右から)フォーミングウォッシュ120g¥2800/アユーラ アクネケア洗顔クリーム(医薬部外品)90g¥1400/ファンケルケイクリアソープ80g¥3500/ドクターケイ シーバムウォッシュ100g¥2000/アクセーヌ
30代からでもニキビのできない肌になれますか?(34歳・IT営業)
A なれます!いちばんは生活習慣の5本柱を正すこと
1 食事 2 睡眠 3 排泄 4 運動習慣 5 ストレスコントロール
ニキビに限らず、肌トラブルはこの5本柱を正すことで驚くほどよくなります。「これさえやれば治る」という特効薬はないと心して、肌と向き合って生活を立て直すべし。

生理前に必ずできるのを防ぎたい(29歳・金融系)
A 黄体ホルモンの影響なので、低用量ピルを飲むのも手
生理前にプロゲステロンが優位になると、どうしても皮脂分泌が活発に。ホルモンバランスが原因の場合には、皮膚科でもピルを処方することがあるので気軽に相談を。
どんな薬もケアも効果を感じません。原因は何でしょうか?(31歳・広告営業)
A 肌は“心の鏡”。メンタル面が悪さをしているかも
どんなケアや治療をしてもこじれるニキビは、ストレスが原因の可能性大。できないことはで
きないと言う、多すぎるストレスからは逃げるといった自衛も忙しいバイラ世代には必要!
撮影/細谷悠美 イラスト/黒猫まな子 取材・原文/高見沢里子 構成/田畑紫陽子〈BAILA〉 ※BAILA2020年3月号掲載