エイジングケアは未来への投資とはいうけど、正直、お金も時間もかけたくないと思っているあなたへ。トータルビューティアドバイザーの水井真理子さんが、初期老化にストップをかけるスキンケアの基本とコツを教えます!
トータルビューティアドバイザー 水井真理子さん
エステティシャンとしての経験をもとにコスメの効果を最大限に引き出す知識と心がまえを説く、きかせるスキンケアの伝道師。
Q1. 雑誌やSNSで評判のエイジングケアコスメ、気になってはいるんです。年齢的にも今までのコスメじゃ物足りなくなってきたし。でも普段は、化粧水をちゃんと塗っておけば潤っている感じもするし、あれこれつけてベタつくのもいやだし……と思ってしまっています。
化粧水をたっぷりつけておくだけじゃダメですか?(33歳・秘書)
A1. 化粧水だけで肌がおなかいっぱい状態に。水で空腹を満たしても栄養はとれていません
「化粧水はたっぷりつけておけばおくほどいい」と思っているバイラ世代の方、多いんです。でもね、肌には水と油の両方が必要で、化粧水だけで肌をパンパンにしてしまったら乳液やクリームが浸透する余地がなくなってしまいます。化粧水の重ねづけは2回程度で充分です。それに、乳液やクリームはただのふたじゃありません。コスメの栄養がしっかり届いたときの、ふっくら充実した手ざわりを味わうためにも、水以外が入る余地を残しておくこと、意識してみてください。(水井真理子)
Q2. 化粧品が効くというのがどういうことかイマイチ実感できていません
最近、気になるシワができて、慌ててクリームをつけてみたけど、もちろんすぐにシワが消えてなくなるわけでもなく。本当に使う意味があるのかなぁ……と、実はちょっと疑わしく思っていたりもします。(34歳・IT)
A2. 下り坂をゆるやかにするだけで、実はかなりすごいこと!理想を高くしすぎてくじけてしまってはもったいないですよ~
エイジングケアコスメに、“一皮むけたら生まれたての赤ちゃんのような肌になる”ぐらいの、ミラクルな期待をしていない? 化粧品が効いているというのは、老化の坂道を転がりそうなところを、いい状態の肌をキープできているということ。普通って実はとっても難しいのよ。また、皆さん、トラブルのときになんとかしたいと思って新しい化粧品を投入しがちだけど、肌機能の落ちているときは、たとえよいものでも効果が出づらい。むしろ今、調子がいいな、というときに使ってみてほしいのです。(水井真理子)
Q3. 正しい使い方って? 正直、毎日のことだから難しいことはできないし、面倒くさいのはイヤ~!
手を使うとせっかくの化粧品が手の皮膚のほうに浸透しちゃいそうだし、コットンは刺激になると聞きました。よくわからないまま我流のスキンケアになっています。(31歳・営業)
A3. 無意識にしているクセを見直すだけで大丈夫
“正しい方法”ってややこしいことではなくて、こんなに簡単なこと。実践すると違いが実感できて、きっとやる気が出ますよ。でも体得するまではダメなクセに逆戻りしやすいので、できれば3カ月後にもう一度このページを開いて見直してみて。(水井真理子)
洗顔のときは…
ここまで顔!すすぎ残しに注意
「みんなやさしく洗うはできているのですが、すすぎのときに油断する傾向が……。髪に泡をつけたくない、水でぬらしたくないという無意識の心理が生えぎわのすすぎ残しをまねくので、注意してください」
化粧水のとき【コットン】なら
コットンに乾いた部分なし
「コットンは水を含んだら、ふわっとふくらみます。それがしぼんだらコットンから肌へ化粧水が移ったということ。しぼんでけば立ったら必ず化粧水を足してください」
量が少なすぎ!
「コットンに乾いた部分があると、肌に触れたときにこすってしまうので、充分な量を使うこと」
化粧水のとき【手】を使う場合
丁寧にやさしくプレスづけ
「手のひら全体を使って500円硬貨大の量を肌にやさしく押し込むようにつけて。肌がもちもちっとやわらかくなるから。この肌の感触をぜひマスターして」
パンパンとたたきづけ
「化粧水をつけた手でパンパンッとたたいてつける人、多いです。化粧水が飛んで早く乾くのでなじんだと錯覚しがち」
乳液・美容液・クリームは
手の使い方を見直して
「無意識に化粧品をつけているとき、手のどこが顔に当たっているかチェックを。指のつけ根のところや手首の上部分だけを使っていませんか。顔には凹凸があるので手のひら全体を使って、すき間をなくしましょう」
手のひら全体が触れている
「顔は丸みのあるものなので指を含めた手のひら全体を使って包み込むようにハンドプレスしてください。それだけで浸透が変わってきますよ」
指のつけ根しか当ててない
「手を使うとき、指のつけ根の骨のところだけを肌に当てていませんか?」
水井さんからアドバイス
私の30代は多忙を極め、心も体も限界でした。でも、美容関係の仕事をしていたこともあって、そんなときでも肌だけは調子がよかったんです。化粧品に救われたという実感があるの。皆さんも毎日が忙しく、お手入れをする気力もないときがありますよね。だから頑張らなくていい、ほんの少し、肌を気遣ってみて。その積み重ねがいつか、自分を支えてくれますよ。
初の美容本『寄り添い美容』が発売になりました!
ビューティアドバイザーとして多くの肌に触れてきた水井さんがその経験をもとに編み出した、きれいを身近にたぐり寄せる知恵やテクニックを詰め込んだ一冊。『水井真理子の寄り添い美容─どんな時も誰でも、一生きれいが手に入る決定版─』集英社 1500円
撮影/押尾健太郎 ヘア&メイク/野口由佳〈ROI〉 取材・原文/平 輝乃 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2019年11月号掲載