現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、英語教師を務める錦織友一(吉沢亮)の友人・庄田多吉を演じている濱正悟さん。SNSで大きな反響を呼んだサワ(円井わん)とのほほえましい食事シーンの裏側や、端正なビジュアルからは想像もつかない(!)撮影現場での天然エピソードを伺いました。

あえて余白を残して撮影にのぞむことで、庄田の初々しさを表現したかった
――庄田多吉というキャラクターについて、濱さんが抱いている印象を教えてください。
濱さん(以下、同) とても純朴な男ですよね。僕はこれまでクセ強な役や悪役を演じることが多かったので、最初に台本を読んだときは「こんなまっすぐな役を演じるのか……!」と衝撃を受けました。純朴であるがゆえに、松江に戻ってきて教師になることを決めたり、おサワさんにプロポーズしたりする思い切りのよさはあるけれど、決して器用なタイプではなくて。ときおり天然な一面が垣間見えるところも、人間味があふれていて面白いキャラクターだなと感じました。
――庄田を演じる上では、どのようなことを意識されていますか?
役によっては話し方やクセを細かく作り上げていく場合もあるのですが、庄田の場合はあえて余白を残して撮影にのぞむことによって、不完全な感じが彼の初々しさみたいなものにつながればいいなと思っていました。それに、おサワさんは『ばけばけ』の登場人物の中で誰よりもまっすぐに生きているキャラクターだと感じていて。そんな人物の心を動かすことは容易ではないだろうなと考えていたので、おサワさんとのシーンはすべて、いつも以上に嘘をつかずに真正面から向き合ったつもりです。その結果、庄田のほうが心を動かされてしまいました(笑)。
――英語のセリフもたびたび出てきますが、もともと英語は堪能でいらっしゃったのでしょうか?
全然そんなことはなくて、現場で先生方に教えていただきながら、自分でも勉強して、なんとかという感じです。錦織役の吉沢(亮)さんとも「セリフなら大丈夫だけど、普段の会話は全然無理だな」って話していましたからね。ただ、庄田は優秀ではあるけれどネイティブスピーカーではないので、相手に伝わって意思疎通がはかれる英語を話すことをいちばん大事にしていました。
おサワさんとの食事シーンは緊張感がものすごかったです

――庄田は「大盤石」と呼ばれる錦織に対して自身のことを「半分弱」と言うほど、友人の錦織に複雑な感情を抱いています。濱さんは、身近な人に対してそういった感情を抱くことはありますか?
僕は、学校ではそこそこいい成績をおさめるけれど、決して一番にはなれないタイプだったんです。そこは、庄田と共通する部分かもしれないですね。一番になれるのは一人だけだし、天才は手の届かない場所にいる存在だと思っているので、そういう人に対して僕は尊敬の念のほうが強くなります。だから、庄田の錦織に対する複雑な感情も、必ずしも負のものではなく、「自分も頑張らなきゃいけない」と鼓舞されるようなものだったんじゃないかなと解釈しています。
――庄田が初めてサワと二人でおそばを食べるシーンは、異性との食事が初めてというおたがいのぎこちないやりとりに、SNS上で「キュンキュンした」という声が数多く上がっていました。
あのシーンはセリフが多くて、庄田がおサワさんと初めてちゃんと言葉を交わす場面でもあったので、緊張感がものすごかったんです。本番前に行われた段取り(俳優やカメラの動きを確認する時間)のときは、セリフをかみまくっていた気がしますね。「これはヤバいかも……」と思っていたんですけど、本番だけうまくいきました(笑)。ただ、本番でおそばをひと口すすったら思いのほか長くて、全然すすりきれなくて! 焦って、そのあとのセリフが一瞬全部飛んだんですけど、途中から庄田とおサワさんの雰囲気がよくなるにつれて僕自身も落ち着いていきました。とにかく緊張からの緩和がすごくて、ひと言では言い表せないあのときの感情は、撮影から少し時間が経った今でもハッキリと覚えています。
――庄田は自分と似たところがあるサワに惹かれてプロポーズをしますが、濱さんが魅力を感じるのは、自分と似たところがある人、もしくは自分にないものを持った人、どちらですか?
似たところがある人には共鳴しやすいけど、自分にないものを持っている人に対しては好奇心がわいてきます。うーん、短い言葉で説明するのは難しいな……(しばらく考えて)どちらもちがって、どちらも素敵だなと思います(笑)。
2度目の朝ドラ現場では初日からイジられていました(笑)

――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
僕は『舞いあがれ!』以来3年ぶりの朝ドラで、しかも同じ大阪での撮影なので、今まで出演してきた作品の中でいちばんリラックスしてクランクインを迎えられたといっても過言ではなかったです。『舞いあがれ!』のときは少し時間が経ってからスタッフさんにイジられ始めたんですけど、今回は初日からイジられていました(笑)。僕は声が低くて、黙っているとクールな人間だと勘違いされがちなんです。でも、現場で皆さんが僕という人間をひも解いてくださったおかげで、最近はちょっと天然なのかもしれないと自覚し始めました。というのも、大阪のスタジオで間違えて別の出演者の方の楽屋に入っていってしまったことがあったんですよね。しかも、ちゃんとスタッフさんやキャストの皆さんが見ている中で(笑)。
――それは意外な一面です(笑)。濱さんといえば大のカレー好きで知られていますが、大阪でもカレーを召し上がっていますか?
大阪で時間があったときに色々リサーチしてお店を巡ったんですけど、結局『ばけばけ』の制作統括の方が教えてくれたところがいちばん美味しかったです。僕は食べると体力が回復するので、食事はすごく大事にしていて。髙石(あかり)さんも食べることが好きらしくて、「おすすめのカレー屋さんがあったら教えてください」っておっしゃっていたので、すすめられたところをすすめるのもなんかちがうなと思ってしばらく寝かせておいたんですけど、結局そのお店をお伝えしました(笑)。
――最後に、バイラ読者に向けて後半の見どころやメッセージをお願いします。
急に登場して急にプロポーズした庄田を皆さんに楽しんでいただけたのかなというドキドキはありますが、18週からは松江中学の教師としてヘブンさん(トミー・バストウ)と錦織さんと働き始めます。おサワさんにフラれて傷心中ということで、優しく見守っていただけたら嬉しいです(笑)。庄田の持つ天然な部分や彼が抱える葛藤が見られるシーンも待っていますので、ぜひ最後までお楽しみください!


濱 正悟
はま しょうご●1994年8月22日生まれ、東京都出身。近年では 「恋せぬふたり」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、連続テレビ小説「舞いあがれ!」、「毒恋~毒もすぎれば恋となる~」などに出演。日本テレビにてHuluオリジナル『おとなになっても』地上波版が放送中のほか、ドラマ『ちるらん 新撰組鎮魂歌』~江戸青春篇~が3月26日・27日にTBS系にて2夜連続放送後U-NEXTにて~京都決戦篇~が配信。主演映画『お別れの歌』の公開が待機している。
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撮影/岡本俊 ヘアメイク:佐々木麻里子 スタイリスト:徳永貴士(SOT) ライター/吉川由希子


























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