先を見据える瞳に、孤独の影はない。「自分が創るものを誰よりも信じ、世界へ伝えていきたい」揺るぎない思いを胸に前へと進む中島健人Ver.2.0の“今の輝き”を、見逃さないで。

中島健人
1994年3月13日生まれ、東京都出身。2011年にSexy Zoneのメンバーとしてメジャーデビュー。2024年にグループを卒業し、ソロとして新たなスタートを切る。現在はアイドル、アーティスト、俳優として、多方面で活躍。
台北公演は、自分にとって「とてつもなく大きな第一歩」
昨年3月、ドラマのファンミーティングのため、台北を訪れた中島さん。長年在籍したグループからの卒業という渦中にあり、その際に現地のU:nity(ファンの総称)から受けた温かい歓迎に心から救われたという。
「ゆらいでいたあのときの自分に、自信と力を与えてくれた場所。恩返しの意味を込め、初めての海外公演は絶対に台北で、と決めていました」
現地入りした当日に立ったのは、3万人の大観衆が集まった台北ドーム。プロ野球チーム主催のイベントにゲストとして出演する、まさにアウェイな状況の中、力強く3曲を歌い上げ、会場をケンティー色に染めた。
「僕を知らないお客さんを前に、これは勝負だなと思いました。とはいえ、ここ数年はアカデミー賞の取材でいろんなセレブリティと対面したり数々のフェスに参加したりと、めちゃくちゃアウェイの現場に行って自分を鍛えてきたので。臆することなくステージに立てたし、結果、大きな手ごたえを持ち帰ることができました」
舞台裏では、中島さん同様ボーイズグループの一員としてデビューし、今やソロでも絶大な人気を誇る韓国人アーティストZICOさんとの出会いも。
「いつも曲を聴いていますと英語で話しかけたら、日本語で返してくださいました。流ちょうで驚きましたね」
“相手の言葉”で話すというのは、中島さんも大切にしていることのひとつ。Zeppでのソロライブは通訳を立てず、現地の言葉と英語、日本語を駆使してコミュニケーションを楽しんだ。
「どんなに下手でも、現地の言葉もしくは公用語を使って自分の思いを“伝達”する。それが僕のマナーでありアイデンティティ。伝えることに重きを置くという自分の姿勢を示せた今公演は、世界ツアーという目標に向けての大きな一歩になったと思います」
光と影は表裏一体。闇に囚われた苦しい時間を超えて
「言葉の力」を信じる中島さんは、その歌詞に、そしてMCに、自分の思いや体験をストレートに込める。それは、楽しいこと、嬉しいことに限らない。台北公演でのMCでも、「自分の決断を“悪”といわれることもあった」と、過去の苦しい胸の内を吐露する場面も。
「昨年、新たなスタートを切るという答えを出したときに、それがなぜなのか、どうしてそのタイミングだったのか、すべてをお伝えすることはできなかったんです。それでも、言葉を選び、バランスを見ながら、説明できることはしてきたつもりでした」
ひとり離れる形となった中島さんは、案の定大きな批判にさらされる。
「想像していた10倍くらい、結構な数の言葉の刃を向けられて……生きてきた中で、最ももどかしい時間でしたね。これまでずっとまじめにやってきた人生も、たったひとつ傷がついただけで、すべてがなかったことにされちゃうこともあるんだなって」
負の言葉を目にし、耳にしながらも、光に向かって走り続けられたのは、「創作」という吐き出す場所があったから。
「悔しいこと、哀しいことを歌詞にして、ぶん殴るように曲をつくり、作品として昇華しました。これこそ、自分らしい生き方だよな、と」
そんな中で生まれた『ピカレスク』には、「錆びついた言葉の列挙 噛みつかれた牙のヘイト」と、噓偽りのない感じたままの過激な歌詞が並ぶ。
「ライブでは、この曲に合わせてU:nityが『列挙! ヘイト!』と可愛い声でコールしてくれるんです。そのギャップもまたよくて(笑)。マイナスの体験が、作品にすることでプラマイゼロになり、さらにファンのおかげで最終的にプラスにすることができた。自分の信じた道に突き進んだのは間違いなかったと、今はそう思えます」

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「アイドル」は、自分の肩書きの中で間違いなくいちばん誇らしいもの
17歳でデビューし、そこから一度も休むことなく、トップアイドルとして輝きを放ってきた。年齢を重ねると、アイドルという看板を下ろし、アーティストや俳優と名乗る人も多い中、ソロになってもアイドルであることにこだわる中島さんに聞きたかったのは、「アイドルとは?」という根源的な問い。
「かつてはどうしても色ものっぽく見られがちだったけれど、今は『アイドル』というのが、肩書きとしてきちんと確立されたように感じます。以前なら、アーティストやアクターとは並べられないといわれたけれど、僕自身含め、今は『アイドル』を、堂々といちばん上に置けるようになった。すごくポジティブな変化だと思います」
アイドルになる道すじも、以前とは比にならないほど増え、練習生として訓練を受けずに、オーディションを経て即、デビューというグループも多い。
「確かに、アイドルへの間口が広がりましたよね。イコール、夢への距離が近くなり、かなう夢の数も多くなったということなのかも。ただし、アイドルの数が増えた分、どれだけ自分を個性化して突出できるか、まさに群雄割拠の時代に入ったなと感じます」
空前のアイドルブーム。新たなライバルの出現、次世代からの突き上げと、不安は尽きないように思えるが、そこに焦りは微塵もない。唯一無二であることには、誰よりも自信があるのだ。
「人との区別化は特に意識していません。強いていうなら、ありのままの自分で生きることに遠慮しない。それが中島健人というアイドルの色を濃くしてくれているのかも」
「偶像」とは真逆の、「リアル」がアイドルの個の魅力を際立たせる。
「昔はアイドルである限り“制限”の中で生きなければならなかったけれど、今は制限を理解してうまくつきあえている気がします。たとえば、ライブという制限の中では、僕はアイドルとしての自分の役割を120%まっとうするし、U:nityにはそこで提示された輪の中で、全力で調和してほしい。けれど、ひと度その“制限”から出たら、僕は自分の人生を生きたいし、みんなにも各々の人生を生きてほしい。信頼の上に成り立つそんな関係性が、心地いいなと思うんです」
自由でありたいと願い、実際に以前より自由度が増したと感じているのは、私生活だけでなく創作活動も同様。
「僕にとっての“自由”とは、決められたレールの上を走るのではなく、接地面をきちんと理解しながら、自分の足でしっかり歩くこと。これまでは本業である歌も、促されるままになんとなくやっていたところがあるけれど、今は地に足が埋まるくらい基本から取り組めているし、創作にも一から関われていると感じます。解き放たれた領域の中で『創造』を手にした今は、“Ver.2.0アイドルモード”に入ったといえるんじゃないかな」
そんな「アイドルを超えた存在」を題材に、自ら作詞を手がけたのが、2ndシングルの『IDOLIC』だという。
「この曲は、いうなれば僕の『人生の主題歌』。全国ツアーの『N/bias 巡』ツアーが終わってすぐ、肉体的には相当疲労している時期に書いたので、本 当は別のテーマも検討したんですが、それは周囲にやんわりと却下されて(笑)。ジャケット写真の自分が偶像であり、ICONICだとしたら、それを超越した存在がアイドル中島健人であり、そんな僕の虜にさせたい(IDOL+HOLIC)という意味を込めました」
現在、31歳。その進化はとどまるところを知らないように見えるが、『中島健人』というアイドルの物語があるとしたら、それはまだ序盤なのか、それとも後半にさしかかっているのだろうか。
「正直、アイドルとしての“ゴール”が何なのかは僕にもわかりません。でも、一度そのゴールの景色を見てみたいとは思いますね! 25歳のときにエクセルでつくった『10年計画』が完了するまであと4年。そこまでは、とりあえず走り続けようと思っています」
来年からは、『IDOLIC』を名刺に、ライブも開催する。
「2026年は、自分のアイディアを拡張するタイミング。『N/bias』の向こうにある新たな物語の始まりと位置付けた、かなり面白いライブになりそうです。並行していろんなことを進めているので、影分身しないときついかも(笑)。来年、再来年の僕はとにかくヤバい! 期待していてください」
一度しかない人生。ぶつかって、失敗して、めげても、また輝けばいい
ライブ中に、中島さんは客席に向けてよくこんな風に語りかける。「みんなのほうが光輝いているよ」と。
「ステージからお客さんを見ると、僕以上に楽しみ、輝いているように見えるんです。そんなみんなに、自分のほうが輝かせてもらっている気がして」
逆に、ステージ上で力を尽くす中島さんに刺激され、語学の勉強などの新しい挑戦を始めるファンも多いという。
「何もやらないで時が過ぎていくことほど、虚しいことはない。それって残念すぎるじゃないですか。一度しかない人生なら、僕はぶつかって、失敗して、めげてっていう経験を大切にしたい。そんな姿を見て、やりたいことをやってみようという気持ちが誰かに生まれたのなら、僕がこの活動をしている意味が少しはあるかなと思います」
最後に、BAILA読者に向けてメッセージをお願いすると、親しみを込めてこんな風に呼びかけてくれた。
「読者の皆さんは、僕と同世代の方が多いと思う。僕らは今、自分の好きなことをやっていい時期にいると思う。その好きなことが通じ合ったら、ぜひライブで会いましょう! もし行き詰まったり、大変なことがあったら、俺の音楽に逃げて来いよ!」

2nd Single『IDOLIC』
初回限定盤A(CD+BD/CD+DVD)
¥5500/ソニーミュージック 10月29日発売
待望の2ndシングルは、初回限定盤A、B、通常盤の3形態で発売。Aには自身が初めて作詞・作曲まで手がけた楽曲「Celeste」が含まれるほか、7月の渋谷でのライブ映像つきの豪華盤に。
撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉 ヘア&メイク/石津千恵 スタイリスト/小松嘉章 取材・原文/栗田瑞穂 ※( )内はジュエリーの素材を表し、WG=ホワイトゴールド、YG=イエローゴールド、DIA=ダイヤモンドです ※BAILA2025年12月号掲載
BAILA12月号ではジュエリーをまとった中島健人さんの美麗カットを掲載!

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。
























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