美容家・神崎恵さんにとって、ベッドルームは眠るためだけではなく、美しさを育む場所でもあるという。そんな彼女に、“ベッドサイド美容のすゝめ”をうかがいました。
「ベッドルームは私にとって、無条件に幸せをくれる空間。お布団のぬくもりやリネンの触れ心地、包み込んでくれるやわらかさ……。メイクやファッションなどの"鎧"を脱ぎ捨て、素の状態になった私を優しく迎え入れてくれる存在は、幼い頃感じた父や母の愛情のようなものを思い起こさせてくれます。そんな忙しさから解き放たれ、リラックスした状態こそ、お手入れの効きどころ。もちろん、バスルームやリビングで入念にお手入れする日があってもいい。でも疲れている日は無理せず、ゴロンと横になりながら。そうやって美容と心地よい距離を取ったほうが、肌や心の安定にもつながるんですよね」
ニットキャミ¥28600/サザビーリーグ(デミリー) スカート¥139700(参考価格)/ガリャルダガランテ 表参道店(ガブリエラ コール ガーメンツ)
ビスチェ¥19800/スタイリング/ ルミネ新宿1店(スタイリング/) ボディスーツ¥12100/エトレトウキョウ ピアス¥25300/クレスターレ
ベッドサイドが美容に効く理由
感覚が研ぎ澄まされる
「ベッドに寝そべりながら目を閉じてお手入れをすると、あらゆる情報がシャットダウン。自然と感覚が研ぎ澄まされ、スキンケアのテクスチャーや香り、肌への入り具合を感じながら、触れた肌に集中することができます。肌と対話するようなイメージかな。重力で物理的に肌が張るので、効かせたい部分だけに手が届くのも、意外なメリットなんですよね(笑)」
心から満たされ、癒される
「ベッドルームは自分、そしてパートナーや家族にしか足を踏み入らせることがない“テリトリー”。だからこそ、スキンケアもボディケアも誰かのためでもなく、自分の好きなものを、好きなように使えばいい。香りだって、“誰かにこう見られたい”なんて考えず、自分だけしかわからない程度の香りで、自分の心を満たすためだけにまとえばいいんです」
(右から)「自分の肌からにおい立つような、香りとの一体感を感じられます。ボディローションならではの軽やかでフレッシュな香りも好み」。ロー ルージュ N°1 ドゥ シャネル 100㎖ ¥13200・「自分のためだけにまとう、ナイトフレグランスというコンセプトが最高。ロマンチックな気分に」。ココ マドモアゼル ロー プリヴェ 50㎖ ¥12100/シャネル
頑張れない日も肯定できる
「しんどくて頑張れない日は、あれこれ重ねずクリーム一品だけでスキンケアが終了してもいいいんです。ハイスペックな上質クリームさえあれば、お手入れを省いたところで罪悪感もないし、次の日の肌も良好。そのまま寝られちゃうというのも、ベッドサイド美容の魅力。私はお気に入りの精鋭クリームをいつもベッドルームに置いています」
(上から)「栄養チャージできるMYベストなクリームは、ひとつ持っておくと頼りになる。ラ・クレームは何度もリピしているお気に入りの品。サロン施術後のような肌へ」。ラ・クレーム(医薬部外品)30g¥66000/クレ・ド・ポー ボーテ 「たっぷり熟睡した後のようなパーンとしたハリが。その瞬発力はさすが」。AQ クリーム アブソリュート X 45g ¥55000/コスメデコルテ 「とろけるようになじむテクスチャー。ふかふかの肌になれます」。ル リフト クレーム 50㎖ ¥17600/シャネル
肌も心も素直になる
「ベッドルーム=休む場所であり、肌も心もいちばんリラックスした状態。気張っていないからこそ、スキンケアの効果が素直に肌へと届くし、満たされる気がするんです。美容はときに、頑張りすぎちゃうと疲れてしまう場合もある。いい具合の距離感を保ちながら、自分のペースや余力によってバランスを変えられるのも、ベッドサイド美容のよさなんですよね」
美容家
神崎 恵(かんざき めぐみ)
1975年12月13日生まれ、神奈川県出身。美容家でもあり、22歳・17歳・7歳の三兄弟の母でもある。生きざまをひもとく新刊『神崎メソッド』(講談社)が話題!
撮影/三宮幹史〈TRIVAL〉 モデル・メイク/神崎 恵 ヘア/shuco〈3rd〉 スタイリスト/石関靖子 取材・原文/谷口絵美 ※BAILA2022年9月号掲載