夏の終わりの肌不調は、角質の蓄積が原因かも。これまで「肌を傷めそうで怖い」と角質を甘やかし、過保護なケアをしてきた人は今こそ見直しを。美容のプロ二人が30代のための正しい角質ケアをレクチャー!
皮膚科・内科医
友利 新先生
医師の視点から役立つ美容情報や肌知識、コスメの魅力をわかりやすく発信。常に最新のコスメ研究にも余念がない。
美容家
小林ひろ美先生
日々のケアを楽しみながらできる美容へと変える、美の達人。コスメを響かせるテクを生み出す発明家でも。
ひとつでも当てはまる人は過保護かも!
□とにかく肌は触らないほうがいいと思っている
□ピーリングは肌を傷めると思っている
□お湯だけで洗顔することがある
□たまに顔からポロポロ垢が出ることがある
□最近ザラついている
□夏が終わると肌がくすむ
そもそもずっと、こんな過保護なケアをしてきてませんか?
(BAILA編集部カホゴのバタコを例に…)
《中学時代》とにかく触るなと教え込まれた
オイリー肌で、中学の頃にはニキビが出没。ただ「洗いすぎ&こすり禁止」という母の教えで、朝は湯洗い派
《高校〜大学時代》ぬるま湯洗顔を頑張った
中高は部活で日焼け三昧。日焼け止めはちゃんと塗るけど、洗顔は優しくオフしすぎない生活。徐々に毛穴が深刻化
《社会人なりたて》入れるケアばかりに注力
コスメを買えるようになり、意気込んでお試し。与える系のコスメは充実したものの、取ることには消極的なまま
《最近は…》ぽろっと垢が落ちてきたり…
下地中に肌からもろもろ垢が!! 「もしかして角質たまってる? 毛穴もぷつぷつしてるし……」と気づいた今日この頃
過保護すぎは要注意! 角質ケアは悪じゃない! そのままだとシミ&毛穴目立ち・くすみ・ゴワつきに襲われます
ケアに取り入れて!
「角質をため込んでしまうと見た目も肌調子も落ちますし、スキンケアの効きもダウンぎみに。その昔は強い薬剤のものやハードなピーリング剤もあったので、角質ケアでトラブルに陥った方も多かったのは確かです。でも最新のスキンケアは肌負担を軽減するよう、進化しているのでご安心を。週に1~2回、肌タイプに合った角質ケアを行って、薄くも厚くもないベスト角質層をキープすることが美肌につながります」
(友利先生)
過保護NG!
「角質ケアを躊躇してるなんて、もったいない~! 肌上の余分なものを取り去るだけでなめらかさも透明感もぐんと上がってツヤを帯び、メイクノリのいいスムーズなむき卵肌に早変わりできるのに。ただ、あくまでも優しいタッチがお約束。見違えてキレイになるからといってやりすぎは厳禁。また、角質のお掃除後はバリア膜が手薄なので、UVケアとたっぷりの保湿も忘れずに。それさえ守れば、怖いものではないです」(小林先生)
そもそも角質ってお肌の何? →角質は肌の守り神。代謝が落ちる30代はきちんとケアを!
肌の最も外側にあり、水分の蒸散を防いだり、様々な外的刺激から肌を守る重要な役割を果たすのが角質層。「角質層は、いわば死んだ細胞=角質が重なったミルフィーユ状の層で、わずか0・02㎜の食品用ラップフィルム程度の厚みしかありません。その薄さに慎重になりすぎてため込んでしまう人も多いようですが、過保護になって角質を厚くしすぎるのも実は問題。肌のゴワつきはもちろん、メラニンが居座る細胞が重なることで、シミやくすみが濃く見えたり、毛穴の溝が深くなって悪目立ちする原因になります。30代からは加齢による代謝の乱れも進行し、角質がスムーズにはがれにくくなっているので、いっそうケアでのテコ入れが必要。さらに夏の終わりのこの時季は、強い紫外線やエアコンによる乾燥から肌を守ろうと、角質をため込みやすいときでもあります。優しく取り去るものが増えている上に『ふき取り』『洗顔』『美容液』と種類も豊富なので、これまで過保護にしてきた人もこれを機に合うものを見つけて、ケアしてくださいね!」(友利先生)
正常な肌
角質がたまると…
見た目の不調も色々と出現!
※イメージ 資料提供/コーセー
撮影/山下みどり イラスト/山中玲奈 取材・原文/中島 彩 ※BAILA2022年10月号掲載