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観ればきっとあの頃を思い出す、映画『秒速5センチメートル』

こんにちは。バイラーズの岡田りさです!

先日、映画館で「秒速5センチメートル」を見てきました。30歳手前の主人公の幼い頃の恋愛と今を描いたこの映画。私も今年30歳になったので、なんとなく自分と重ねながら見てしまいました。BAILAを愛読されているみなさんにも、きっと同じような世代の方がいらっしゃいますよね。

派手なことは起こらない、運命的でもドラマチックでもないけど、どこか懐かしくて切ない映画だったので、備忘録的に感想を残しておきます。もちろんネタバレはなし。

最後まで読んでくださると嬉しいです。

映画秒速5センチメートルの公式ポスター

「あの頃」の時間に戻る

乗換案内アプリもなく、待ち合わせのためにメモを握って電車に乗った。携帯電話もなく、なぜどうやって通じ合っていたのかわからない小学生の頃――かなり懐かしい描写が随所に見られます。

LINEもSNSもなかった時、メール1通送るのにも勇気が必要でした。

当時、コミュニティは狭かったけれど、遠くの誰かに思いをはせる時間があって、世界が今より広く感じられたことを思い出しました。なんだか懐かしくて戻りたいな~ってふと思ってしまいました。

出会わなそうで出会いそう、微妙な距離感

主人公貴樹と明里の距離感は、出会わなそうで出会いそうな微妙なライン。運命や偶然の不思議さを考えさせられます。ほんの数秒、数駅違えば…と感じさせる静かな描写が、もどかしさと妙な納得感を与えます。人生はタイミングだなと改めて感じますね…

不思議と連絡が来たり偶然会ったり…会えると思っていたのに会えなかったり…みなさんにもそんな人がいませんか?

情景と表情で魅せる

海辺の夕焼け

この作品は、セリフや説明が最小限で、情景描写や俳優の表情で物語が進みます。

特に森七菜さんの繊細な演技は圧巻。目の動きや息づかい、影でさえ、心の揺れや微妙な感情の機微を感じられます。言葉以上に明確に伝わる切なさが私は好きだなと思いました。

「国宝」からガラッと変わる、本当に田舎の学生にしか見えない純朴で甘酸っぱい演技をぜひ見てほしいです。特に中盤、ロケットが打ちあがるシーンは、一秒も見逃せません。

余韻に浸る時間

観終わった後も、愛や過去との向き合い方、人生での出会いの意味について考え続けています。丁寧な心理描写だからこそ、納得感のあるリアリティさがじんわり心に残って、思わず自分の人生と重ねてしまうんですよね。

スマホもない、仕事も家事のことも考えない時間って、いつしか自分では作れないものになっている気がします。

映画に没入する2時間半は、ある意味強制的に自分の人生と向き合う時間になりましたし、多くは語らない「秒速5センチメートル」の余白が、そうさせてくれたんだなと感じました。

新海誠監督作品3週連続放送!

なんと10月24日から地上波で、新海誠監督作品が3週連続放送されます。

10月24日:『秒速5センチメートル』
10月31日:『言の葉の庭』
11月7日 :『雲のむこう、約束の場所』

劇場での鑑賞とあわせて、テレビでもあの世界観をぜひ楽しんでみてください。特に『言の葉の庭』がおすすめです。

映画「秒速5センチメートル」公式サイト

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