みなさまこんにちは。
今月のマンガ部ですが、お題は「#めくる手が止まらないマンガ部」。
話の続きが気になる!というより息が苦しくなり震えでめくる手が止まらないタイプのマンガです。
長編映画を超える圧倒的な映像美と人間模様を描く、「神々の山嶺(いただき)」について語らせてください。
原作は、夢枕獏による小説。この小説を原作とした漫画作品が谷口ジロー作画の本作です。
素晴らしい映画を観たいとき、ぜひこの漫画を読んでほしい。
まず、映像美が圧倒的なのです。
漫画なのに「映像美」という言葉はおかしいと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
ある種の心象風景はむしろ漫画という静止画的手法でしか表現できず、またそれが適切であることが分かるでしょう。
谷口ジローの劇画的作風はまさにこの頂点を極めるためにあったと言えます。
そして、映像美を通じて描かれるのは、登山家の山への圧倒的な渇望です。「そこに山があるから」、まさにこの言葉を残したジョージマロニーを巡る物語が紡がれますが、読後には、「なぜ山を登るのか」がきっと分かるようになるでしょう。
私は読んだ後しばらく放心状態になりました。休みの前に、おすすめします。
描くひと
谷口ジロー展より