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大竹しのぶ主演『フェードル』。ギリシャ悲劇に触れる2時間

年末の紅白歌合戦で、大竹しのぶさんの歌や存在感にハッとした方も多いのではないでしょうか。先日、その大竹さんが主演する舞台『フェードル』を、渋谷のシアターコクーンで観てきました。
大竹しのぶ主演『フェードル』。ギリシャ悲劇に触れる2時間_1
パンフレットを読むと人間関係図がよくわかる
ギリシャ悲劇、と聞くとこれまで敷居が高い気がしてなかなか観るまでに至らなかったのですが、今回は大竹さんおよび、ここ最近気になる存在の門脇麦さん、そして平岳大さんも出演ということが観るきっかけになりました。同世代や若い役者さんが何百年も前のギリシャが舞台となる作品を、どう噛み砕いて今演じてくれるのか。きっとそれを通して観れば遥か彼方すぎる、過去すぎる、難しいと敬遠しすぎるギリシャ悲劇が理解できるかも!と。

大竹さん演じるフェードルは、夫がありながら彼の不在時に義理の息子であるイッポリット(平岳大)に、想いを伝えてしまいます。でもイッポリットには強く想う相手・王女アリシー(門脇麦)がいるため、フェードルの想いを断固として拒絶してしまいます。
大竹しのぶ主演『フェードル』。ギリシャ悲劇に触れる2時間_2
Bunkamuraに貼ってあったポスター。反射で見えづらいのですが、向かって右端に写っているのは平さんです
拒絶されて振られて終わり、じゃないから「悲劇」なのですが、そこはぜひ舞台に足を運んで観ていただきたいです。人の想いが悲劇になるには意図した理由と思いがけない理由があるんですよね。
最後のシーンの儚くも圧巻な門脇さんの姿が瞼に焼きついています。
恵まれた体躯から漂う存在感と美しい声の持ち主・平岳大さんもとてもよかった! 繊細な表情の動き、大げさではないのに目で追ってしまう映える華やかさが感じられました。

ですが、やはりなんと言っても大竹しのぶさんです。小さな声で話す時のセリフも、恐ろしいまでに感情がこもっていて。大きな声はもちろんなのですが、何も話さないときですら、張り詰めた想いが舞台からこちらに向かってぐっと流れてきて、観客の私たちを押さえつけるような印象。CMやバラエティでみるチャーミングな雰囲気とは全く違うんですよね。生で観ると、どこからこんなエネルギーが湧いてくるのだろうと、圧倒されてしまいます。
東京のあとは愛知や兵庫での公演があります。東京では日によっては当日券も出たので、もしチャンスがあれば皆様もぜひ。同じ時代に生きる大女優の演技を生で観る、その体験はきっとこの先も心に残るはずです(副編Y)

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