歳を重ねる幸せな日に、ライフステージの変化の時に、30代の「記念日」を名品というカタチにかえて残したい。独自の価値観をもつ先輩スタイリストたちが、名品認定した「バッグ」を大公開! 豊かな経験に裏打ちされた“もの選びの視点”は、この先をともにする私的名品を見つけるヒントになるはず。
1.ヴァレクストラの「マイクロ イジィデ」
“私のアイコン”にしたい、そう思えるバッグを/辻 直子さん
上質さ、デザイン、クラフツマンシップ、色の出し方、アフターケア、すべてにおいて完璧で、私自身こんなにも愛し生涯大切にしたいと思えるバッグはありません。このバッグを通して伝えたいのは、ひとつのものと長くつきあうことの素晴らしさ。一緒に時を積み重ねるなかで、気づけばそれが“私のアイコン=自分らしさ”になっていたら素敵ですよね。
研ぎ澄まされた美観がタイムレスなワンハンドルバッグ。上品なピンクも大人の装いにしっくり。バッグ(14×19.5×9.5)¥427900/ヴァレクストラ・ジャパン(ヴァレクストラ)
2.ルイ・ヴィトンの「スピーディ 25」
Myヴィンテージとしてともに成長していける逸材/斉藤くみさん
私がこのバッグを迎えたのは20年以上前。途中心離れしつつも、今また気分が戻ってきました。それも、昔はきれいめ、今はカジュアルに合わせたいという気持ちの変化に無理なく寄り添う懐の深さがあるからでしょう。自分にとって意味のあるものを買うなら、何年先もすたれず、いつまでも自分の着こなしにフィットしてくれることが大切だと思います。
年月とともに飴色に経年変化していくハンドルやストラップに愛着もひとしお。バッグ(19×25×15)¥226600/ルイ・ヴィトン クライアントサービス(ルイ・ヴィトン)
3.ジル サンダーの「カンノーロ」
スマートにセンスよく。着こなし活性化の切り札/百々千晴さん
バッグは、実用はもとより“アクセサリー”にもなりうることが重要。このカンノーロは、ひとつ持つだけでいつもの服のムードがちょっと変わって、絶妙に洒落て見せてくれるんです。“ベースはクリーン、形にひとクセ”というバランスが、仕事服の効かせにもちょうどいいはず!ワンショルから斜めがけまでできて、デイリーバッグに不可欠な汎用性も。
プレイフルでいて洗練されたフォルムが視線を奪う。バッグ(15×29×12)¥206800/ジルサンダージャパン(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー)
4.デルヴォーの「タンペート」
普通じゃ物足りない人に。ひとさじモードな黒バッグ/池田 敬さん
芯のある大人のためのバッグとして真っ先に思い浮かんだのが、ブラックレザーのタンペート。形こそ端正ですが、金具とコバは白、ライナーはなんと空柄! 歴史あるブランドとしてブレない軸はありながら遊びがちりばめられ、長く使っても決してアンティークにならないモダンさがある。おしゃれを楽しみながらしなやかに働く女性にぴったりだと思います。
ベルギー王室御用達ブランドらしい格式の高いたたずまいとコンテンポラリーなデザインが見事に調和。バッグ(21×27.5×10.5)¥859100/デルヴォー・ジャパン(デルヴォー)
スタイリスト
辻 直子さん
上品さと遊び心が調和したエターナルなスタイリングが、多くの女性から支持を得る。選び取るものには必ず“自分なりの理由”がある審美眼の持ち主。
スタイリスト
斉藤くみさん
モードからリアルクローズまでスタイリングの幅が広く、どれもに洗練されたセンスが光る。新ブランド「NAVE」のディレクターとしても手腕を発揮。
スタイリスト
百々千晴さん
“シンプルだけど絵になる”スタイルをつくる名手。自らのブランド「THE SHISHIKUI」を手がけるほか、YouTube、オンラインサロン主宰とマルチに活躍中。
スタイリスト
池田 敬さん
ちょっとひねりの効いた今どきコンサバを得意とする、働くBAILA読者の頼れる兄貴的存在。ときにパートナーのファッションアドバイザーを担うことも。
撮影/西原秀岳〈TENT〉 スタイリング協力/大谷玲奈 取材・原文/榎本洋子〈TENT〉 ※( )内の数字は編集部で計測した(高さ×幅×マチ)およびヒールの高さで単位は㎝です ※価格はすべて発売日時点のもので、改定の可能性があります ※BAILA2023年2,3月合併号掲載