バイラでお馴染みのスタイリスト佐藤佳菜子さんに、夏の洒落感ベーシックに欠かせない6つのエッセンスを、格言とともに教えていただきました!
stylist
Kanako Sato
佐藤佳菜子、愛称サトカナ。ベーシックに着映え感をプラスしたBAILAの王道をいくスタイリングと、独特な語り口調のキャラクターが人気。
サトカナ的「洒落感ベーシック・夏」のエッセンスTALK
まず私、夏のゆるゆるとだらしない服装が全然好きじゃないんです。暑いけど、それでもどうにか夏にあらがって洒落感を出していきたいのが基本姿勢。とはいえ、我慢して堅苦しいとかつらい思いをしたくないのは私とて同じです。涼しい素材感やワンツーコーデの快適さはやっぱり不可欠な要素ですよね。そして、夏だからといって突然、奇抜だったり解放的な服を着て気分を変えようということではなく、ワードローブは相も変わらず普通の服。それを「ただのベーシック」から「洒落感ベーシック」に変換するために、私がよくやるのは「豚に真珠」のテクニック! 佐藤さんどうしたのと思いましたよね?(笑) いや、でも聞いてください。この「え、豚なのに真珠⁉」っていうギャップがポイントなんです。
たとえば、コンサバなジャケットにいつもならそのままのイメージできちんとパンツを合わせるかもしれない。でもそこで、真逆に楽ちんなドロストパンツを合わせてみたらちょっと新鮮じゃないですか?(4) まじめな服におちゃらけた靴(5)とか、そっけない格好にキラキラ(2)とか。さらっとした着こなしが多くなる季節だからこそ、今までの固定観念を逆手にとって、意外性のあるアイテムをぶつけてみる作戦はとても有効。その上、手持ちの服で意外と簡単にできちゃう。それぞれはいたってベーシックだけれど、コンビネーションの妙で面白みを出す。それを、本来のことわざの意味とは違うけれど、イメージとしては「豚に真珠」と呼んでいるわけです。まぁちょっとふざけていますけれども。
それから、“色を変える”というのも私はよくやります。色はいちばん簡単にぱっと見の印象を変えられるものだから。今まで選ばなかった新しい色に挑戦したり(6)、黒禁止の着こなしや色×色のコーディネートなど(1)。形はベーシックという安心感があるからこそ、色で冒険できるんですよね。
気張らなくていいけれど、消して手抜きはせず、ちょっと視点を変えてみる。それだけで、夏に快適な普通の服だってちょっと素敵な「洒落感ベーシック」になると思うのです。
サトカナ’s【格言】形はそのままに色だけ変えてみる。
1.「前回もご紹介しましたが、グレース・ガネムのスタイルははっとする色使いも大好きで参考にしています」。50代のインスタグラマーとして注目の人
サトカナ’s【格言】今季の「キラキラ」は服で補うべし。
2.繊細なラメから強いスパンコールの輝きまで、多種多様なキラキラがそろう。形はあくまでベーシックがルール。カーディガン¥39600・パンツ¥92400/デパリエ ニュウマン新宿店(デパリエ) スカート¥28600/コエル
サトカナ’s【格言】「顔なしバッグ」×「女靴」をセットで持つ。
3.「プライベートでも気に入っているこの『顔なしバッグ』。キンキンに女っぽいゴールドのポインテッドトゥと合わせても上品なバランスに」。バッグ¥48400/ヴァジックジャパン(ヴァジック) 靴¥59400/アッシュプラスエリオトロープ(ネブローニ)
サトカナ’s【格言】「保守的ジャケット」に「放蕩パンツ」のギャップを楽しむ。
4.コーディネートルームでの二択。コンサバなノーカラージャケットに、右はきちんとパンツ、左はカジュアルな「放蕩パンツ」
サトカナ’s【格言】ときにはお洒落に「ユーモア」を。
5.かっちりしたジャケットスタイルに犬の顔の靴を合わせた私服コーデ。思わずクスッと笑ってしまうユーモアたっぷりなアニマル靴コレクションも
サトカナ’s【格言】万能「白みピンク」が大人を救う!
6.ステディブランドからも今季は白みピンクが続々と登場。カーディガン¥16940・ビスチェ¥9900/アンクレイヴ(アンクレイヴ ホワイト) パンツ¥53900/エイトン青山(エイトン)
撮影/魚地武大〈TENT〉(物)、新谷真衣(佐藤さん) スタイリスト/佐藤佳菜子 取材・原文/東原妙子 ※BAILA2023年6月号掲載