夏の定番アイテムであるTシャツはどう着こなすのがベスト?人気スタイリスト・辻直子さんに教えてもらいました。単なる「カジュアル」という枠を超えて、女らしさや遊びを加えた辻さんのTシャツスタイル。そのこだわりに迫ります。
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スタイリスト・辻直子さん
バイラをはじめ数々の女性誌や広告、ブランドとのコラボなど多方面で活躍する人気スタイリスト。本人のプライベートファッションやライフスタイルにもファン多数。
1.30代のTシャツルールはこの3つ!
【LOGO T-SHIRT】ロゴTシャツはそのブランドの“センスを買う”つもりで選んでいます

T-shirt:sacai
「映画や音楽など、カルチャーを感じる遊び心の効いたロゴが好き。フォントのデザインだけじゃなく、そのアイデアや背景、意味に共感できるものを選びます。バックプリントも効いた一枚はしなやかなシルクの柄パンツできれいさを足して」

Pants:FUMIKA_UCHIDAE
Earrings:MARIABLACK
Watch:CHANEL
【NUANCE COLOR T-SHIRT】トーンにこだわって選んだオレンジベージュのTシャツ。シンプルだからこそ色をちりばめて、配色で変化を

T-shirt:TOMORROWLAND
「ハイウエストボトムをよくはくので、もう少し丈を短めにしたくてキッズTシャツの裾を自分でカット。シンプルだから、色合わせにはかなりこだわります。今年らしいくすみイエローのスカートとのあいまいなワントーンが新鮮で、このセットが今のベスト。足もとまで肌に近いニュアンスカラーでつなげます」。ピアス¥160000/チェルシーフィルムズ(シンメ)

Skirt:Stella McCartney
Earrings:SINME
Watch:JAEGER-LECOULTRE
Bag:Asprey
Shoes:BOTTEGA VENETA
【WHITET-SHIRT】白Tシャツのユニフォームのようなプレーンさがなにより好き。そこにディテールや合わせ方で“今の気分”にアップデートを

T-shirt:Hanes
Tunic one-piece:FUMIKA_UCHIDA
Earrings:SOPHIE BUHAI
Necklace:MISUI
Bag:HAYWARD
「首の詰まった白Tシャツが持つ、ユニフォーム的な潔さがずっと好きなんです。着るときに意気込みみたいなものも必要で、バランスを計算します。私はあえて今っぽくせず、ジャンスカ感覚でミニドレスを重ね、レトロな雰囲気に」。ピアス¥83000/エスケーパーズオンライン(ソフィーブハイ)ネックレス¥68000/ミスイ 伊勢丹新宿(ミスイ)

T-shirt:Victoria Victoria Beckham
Pants:Theory
Watch:CHANEL
Bag:sacai
「白はどこかにディテールの効いたものも好み。ブラウスだと甘すぎてしまうようなデザインもTシャツだと中和され、大げさに見えないのがいい。今まではショートパンツを合わせることが多かったですが、今年はマイブームのツータック入りトラウザーパンツと。黒だとかちっとコントラストがついてしまうので、ライトグレーでやわらかく着るのがポイントです」
私にとってTシャツはユニフォームに近いもの。カジュアルなものとも思っていなくて、それくらいニュートラルな存在。ごまかしのきかないシンプルなアイテムだからこそ、なんとなく選んだりせず、試着を繰り返します。人に似合っても自分に似合うかはわからないし、体型や骨格などによって違いがあるから一概にこれがいいとは言えないんです。だから「試してみる」。これは絶対です。私の定番は、首の詰まったクルーネック。ジャストかユニセックスのサイズで、身幅に少しだけゆとりのある短い丈もよく着ます。コーディネートはまず“どんなふうになりたいか”自分自身に着こなしの行き先を聞いてから始めます。そうすればおのずと「Tシャツ」とそれを着る「私」、そこに「足すべきもの」が見えてきます。夏は特に組み合わせが単調になりがちなので印象が薄くなってしまうことも。頭の中にイメージを浮かべつつ、色合わせやバランス、小物使い、ヘア&メイクなどで雰囲気を足していく。デザインのある服を選んだり、レイヤードするほうが実は簡単だけど、いつもそのこだわりにTシャツの面白さを感じているんです。
――辻 直子
2.ロゴTは小物で女らしさを添えて
「ロゴT自体がメンズっぽさのあるアイテムなので、きゃしゃな時計やジュエリー、ヌーディなサンダルなど女らしいものを合わせてバランスをとるのがコツ」

ツヤ感のあるパンツ、レディな小物で黒ロゴTをシックに。Tシャツ¥7000/タンタンデザイン(タンタン) パンツ¥29000/フィルム(ソブ) バッグ¥28000/ウィムガゼットルミネ新宿店(カユ) 靴¥81000/ジャンヴィトロッシジャパン(ジャンヴィトロッシ)

「ジャケットのセットアップと合わせるのも素敵」。ジャケット¥21000・パンツ¥18000/コントワー・デ・コトニエジャパン(コントワー・デ・コトニエ)

小ぶりな時計やゴールドのリングをカジュアルにミックス。時計¥450000・リング(上)(YG)¥256750・(中)(YG)¥352000・(下)(WG)¥142000/シャネル(シャネル)

「シンプルで、メンズっぽいロゴTが好きなんです」。Tシャツ(赤)¥12000/ウィムガゼットルミネ新宿店(イズム)

プレイフルなロゴが可愛い。Tシャツ(黒)¥7000/タンタンデザイン(タンタン)

THIRDのロゴがアクセントに。Tシャツ(白)¥9500/サードマガジン

スエードのような質感のマットなリップ。「クリスチャンルブタンリップカラーベルベットマットロココット215m」(辻さん私物)

大胆な色や柄のボトムも遊び心のあるロゴTならちょうどいいバランスに。

プレイフルなカラーのパンツと合わせてキャッチーに決めても素敵。

花柄スカートもロゴTならバランスよく着こなせる。


「ビースティ・ボーイズやソニック・ユース。’80・’90年代のミュージシャンたちが着ていたロゴTに惹かれます」

愛用の「PALOMABARCELÓ」のサンダルはヘルシーな抜け感がロゴTにぴったり。(辻さん私物)

「今年ならきれいめじゃなくてこんな帽子で“アンバランス”を狙って」。帽子¥7000/サードマガジン(ベックソンダガード)

Tシャツがメンズライクなぶん、足もとは肌見せ感のあるヌーディなサンダルを。(上)サンダル¥52000/アマン(ペリーコ)(下)サンダル¥29000/ロペエターナルアトレ恵比寿西館店(ロペエターナル)
3.ニュアンスカラーのTシャツ、こう着るとおしゃれ!
「合わせる色によってコーデが無限に広がるニュアンスカラーのTシャツ。夏の日差しに似合うブラウンやオレンジと合わせたワントーンが好きです」

カラーTシャツも、くすんだようなトーンでぐっと大人っぽい表情に。(右)Tシャツ¥12000/セオリー(中)Tシャツ¥15000/ラグ&ボーン表参道店(ラグ&ボーン)(左)Tシャツ¥9000/フレイアイディールミネ新宿2店(フレイアイディー)

こっくりとした色みをアクセントに。ブレスレット¥460000・イヤリング¥415000/ヴァンクリーフ&アーペルルデスク(ヴァンクリーフ&アーペル)

「モードな顔にしてくれるリップ。メイクもトーンをそろえて」。「NARSオイルインフューズドリップティント」(辻さん私物)

ブラウンのビスチェを重ねて着こなしに奥行きを。Tシャツ¥23000/エスケーパーズオンライン(アンダースアレンス)ビスチェ¥11500/フレイアイディールミネ新宿2店(フレイアイディー)

ナチュラルなかごも似合う。バッグ¥11000/サードマガジン(バリワークステイト)

ニットタイトでバランスよく。スカート¥12000/ノーク(ノーク)靴¥29000/ベイジュ(ピッピシック)

「同じようなベージュでも、自分の肌にのせると雰囲気が違ってきます」。(右)ボディスーツ¥9500/ロペエターナルアトレ恵比寿西館店(ベースレンジ)(左)Tシャツ¥18000/ポステレガント

光沢のあるオレンジ。スカート¥18300/ロペエターナルアトレ恵比寿西館店(ベースレンジ)

「とにかくどんなスタイルにもぴったりハマる大好きな時計」。時計¥580000/ジャガー・ルクルト

柄のキャミソールワンピと重ねて夏らしく。Tシャツ¥9000/RHCロンハーマン(ハナバイRHC)キャミワンピース¥29000/アーリ バッグ¥29000/エスケーパーズオンライン(へリュー)靴¥62000/ウィムガゼットルミネ新宿店(ジョセフ)

コンパクトなTシャツを上品ベージュでまとめたミランダ・カー
4.白のデザインTシャツはここまで使える!
「可愛げ」を新鮮なアクセントに【DESIGNED WHITE T-SHIRT】
「この夏、よく着ているデザインの効いた白Tシャツ。フレアやシャーリングなどちょっと甘めのデザインもクリーンな白なら軽やかにまとえます」

片側がプリーツになった遊びのあるデザイン。Tシャツ¥16800/エレンディーク

色石のきらめく繊細さを顔まわりに。ピアス(右)¥24000・(左)(1個)¥24000/サザビーリーグ(アルティーダウード)

「やさしい白のトーンに惹かれます」

「ノーブル」と「アールジュビリー」でコラボしたTシャツも、袖や裾のフリルがポイントに。Tシャツ¥13000/ノーブル六本木ヒルズ店(アールジュビリー)

デザイン白Tの日は香りで印象に変化をつけて。「ZARAフルールオランジェオードパルファム」(辻さん私物)

袖や裾のフリルがポイントに。Tシャツ¥13000/ノーブル六本木ヒルズ店(アールジュビリー)

モダンさを添える「ボッテガ・ヴェネタ」のトートバッグ(辻さん私物)

リップはセンシュアルな赤が似合う。「ネロリラボタニカCBDリップグロスシナモンレッド」(辻さん私物)

「Tシャツに甘さがあるぶん、鮮やかカラーのスエードサンダルでモダンなアクセントをつけて」。靴(イエロー)¥29000/ベイジュ(ピッピシック)

バサッとしたAラインシルエットの「titivate」のTシャツ。ミニボトムと合わせてシンプルにユニークなフォルムを楽しんで

「やさしい白のトーンに惹かれます」

首もとのリボンと肌がのぞくカッティングが女らしいコンパクトなTシャツ。Tシャツ¥15000/ジャーナルスタンダードレサージュ青山店(マリアムナッシアザデー×ジャーナルスタンダードレサージュ) ジャンパースカート¥38000/チェルシーフィルムズ(シンメ)

ウッディで清潔感のある香りがイメージのルームスプレー。「バウムアロマティックルームスプレー1ウッドランドウインズ」(辻さん私物)

「鮮やかカラーのスエードサンダルでモダンなアクセントをつけて」。靴(ブルー)「ネブローニ」(辻さん私物)
5.ベーシックな白Tシャツは小物で色でアレンジ!
“素直な服”だからこそ、そのまま着ない【BASIC WHITE T-SHIRT】
「体型に合うもの、が絶対条件のプレーンな白Tシャツ。究極のシンプルだからこそ、計算された小物使いや着こなしのバランス感覚を研ぎ澄まして」

「ベーシックな白Tシャツを着るとき鉄板なのが“フルレングス丈のパンツ”合わせ。Tシャツの元気な感じがほどよくセーブされて大人なバランスに」。 Tシャツ¥11000/ラグ&ボーン表参道店(ラグ&ボーン) パンツ¥18500(サージ)・ピアス¥28000(カイマナ)/ショールームセッション ネックレス¥82000/エスケーパーズオンライン(ソフィーブハイ) 靴¥81000/ジャンヴィトロッシジャパン(ジャンヴィトロッシ)

「rag&bone」のTシャツは鮮やかなグリーンのパンツで。

「コンパクトなサイズもずっと好き。詰まった襟元も私にとって必須条件」。Tシャツ¥5990/プラステ

体にほどよくフィットする「FilMelange」のTシャツ。

パール×YGピアス¥15000/ノーブル六本木ヒルズ店(ユーカリプト) 月形ピアス¥89000/エスケーパーズオンライン(ソフィーブハイ) パールネックレス¥59000/ロペエターナルアトレ恵比寿西館店(ソフィブハイ) ゴールドネックレス¥496000/ミスイ伊勢丹新宿(ミスイ)

花柄スカートとかごバッグでヘルシーに。Tシャツ¥8000/RHCロンハーマン(RHC) スカート¥18000/コントワー・デ・コトニエジャパン(コントワー・デ・コトニエ) バッグ¥2500/ロペエターナルアトレ恵比寿西館店(バガテルフランス) 靴¥8800/ルタロン渋谷パルコ店(ルタロン)

香水よりもボディクリームでさりげない香りをまとって。「イソップリンドボディバーム」(辻さん私物)

素朴な素材とサイズ感が気分。バッグ¥39000/ウィム ガゼット ルミネ新宿店(イアクッチ)

ショートパンツに「THE CONVENI」の白Tシャツを。
▼ベーシック白Tシャツはセレブの着こなしもお手本に!

©AFLO
短め丈のTシャツ×ピンクのボリュームスカートが好バランス。

デニム合わせはTシャツの元気な感じがほどよくセーブされて大人なバランスに。

ヴィクトリア・ベッカムのTシャツスタイルはいつも完璧。彼女は自分の体型を把握してTシャツを選んでいます。
撮影/倉本ゴリ〈Pygmy Company〉(人)、魚地武大〈TENT〉 (物)ヘア&メイク/野田智子 スタイリスト/吉村友希モデル/大政 絢 イラスト/itabamoe取材・文/石黒千晶 構成/山岸成実〈BAILA〉※YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、SV=シルバー、DIA=ダイヤモンド、GP=ゴールドプレート、GC=ゴールドコーティングの略です
【BAILA 8月号はこちらから!】