なんとなく地味、子どもっぽい……Tシャツ、しかも無地って、いまひとつ“キマらない”って思ってませんか? スタイリストの加藤かすみさん&エディターの伊藤真知さんが、今季溢れるカラーから厳選した大人のための無地Tシャツ10枚! 最高に可愛く、着こなすコーデ術とともにご紹介。
1. 黒Tシャツ
黒Tシャツは選びも着こなしも“ちょっと甘め”に更新
BASIC COLOR T-SHIRT
KASUMI's comment
「袖が短めで、丸みのあるフレンチスリーブは最も今季らしいディテールのひとつ。おなじみのT型よりフェミニンさがあるので黒も地味に見えず、大人にも着やすい」
MACHI's comment
「女性らしさはもちろん、暑い夏に涼しく着る上でも、黒Tは素材選びも大切。落ち感があって肌離れもいいシルクなどブラウス感覚に近いものに惹かれます」
「せっかく夏なので、着こなしはちょっとテンション高めでも。色といっても派手すぎず、涼感のあるグリーンの花柄スカートなら、お出かけにちょうどいい華やかさに」(加藤さん)。Tシャツ¥13200/カオス丸の内(カオス) スカート¥24200/アルページュストーリープレスルーム(アルページュストーリー) ピアス¥26400(モダン ウィーヴィング)・ブレスレット¥14300(フィリップ オーディベール)/プルミエ アロンディスモン バッグ¥68200/ラドロー オンラインストア(ラドロー)
2. ペールピンクTシャツ
ペールピンクTシャツで王道のTシャツ×デニムを新鮮に
PASTEL COLOR T-SHIRT
KASUMI's comment
「人気の前後差Tシャツも今年は流行りのペールカラーでひと工夫。どこか“可愛らしくしたい“日に選ぶことが多いピンクだからこそ、ヒールなど細部も同じ方向性で」
MACHI's comment
「肌寒い梅雨時に一枚で着られる五分袖も嬉しいディテール。折り返してバランスをとってもいいし裾も長くイン&アウトが自在と、アレンジしやすいのも魅力です」
ピンクTの可愛さを生かし、デニムや小物も薄色で優しげに。「淡いトーンでももっさりさせないためには、スタイルアップできる着方も意識。腰高に見え、ヒップは隠せる“前だけイン”が効果的」(伊藤さん)。Tシャツ¥15400/ヴェルメイユ パー イエナ 青山店(エイトン) パンツ¥34100/サザビーリーグ(マザー) イヤカフ(左耳)¥30800・ピアス(右耳)¥18700・リング¥26400/アルティーダ ウード バッグ¥60500/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン(コーチ) 靴¥113300/シジェーム ギンザ(フランチェスコ ルッソ)
3. アイボリーTシャツ
アイボリーTシャツはリラックスな色だからこそ、体に合うサイズが肝心
NUANCE COLOR T-SHIRT
KASUMI's comment
「トレンドであり上品。種類も豊富なベージュ系はいちばんのおすすめ。肌の色に近い分オーバーサイズだと着膨れて見えてしまうので、ゆるすぎないものを選ぶのが正解」
MACHI's comment
「こっくりとしたキャメルに映え、顔まわりも明るく見えるアイボリー。おのずと“濃色”が多いジャケットのインナーとして使うことも考えれば、これくらい淡い色があると便利」
変に体型をごまかそうとせず、潔さが大切なベージュT選び。「デニムをワンサイズ上げてはくように、ジャストサイズよりはゆとりがあって、自然なシワができるくらいが理想のサイズ感。カッコよく着るためには、肉感を拾いにくい厚めの生地感を選ぶのもポイントです」(加藤さん)。Tシャツ¥7700(RHC)・クロスネックレス¥52250(サンズ サンズ)・ビーズネックレス¥74800・ピアス¥136400(ミズキ)/RHC ロンハーマン ジャケット¥39600・パンツ¥25300/トゥモローランド(バッカ) バッグ¥5280・ポーチ¥9900/ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 六本木店(GOOD GRIEF!) 靴¥35200/ベイジュ(ピッピシック)
4. 白Tシャツ
白Tシャツはほんのりスポーティに。いつもとは違う楽しみ方で
BASIC COLOR T-SHIRT
KASUMI 's comment
「黒と同じく、超定番のカラーだからこそ形やデザインのアップデートは不可欠。今年だったら、首まわりに変化が。リブ幅が広くしっかりしたものに注目です」
MACHI 's comment
「透けも肉感も感じさせない地厚な生地は白Tでこそ実力を発揮!ブランドネームがタグではなくプリントなので、詰まり襟でも首の後ろがチクチクしないのもポイント」
「スポーティなTシャツだから、足もともスポサンで、ボトムは元気なグリーンで……と連想ゲームのように“盛って”いきやすいのも、究極にシンプルな白ならでは。Tシャツだけで抜け感が出せるので、カジュアルなサンダルをハイブランドのものにしてみるなど、全体がラフになりすぎないようバランスよく」(伊藤さん)。Tシャツ¥1100/ユニクロ(ユニクロ ユー) パンツ¥30800/エストネーション ハット¥15400/ドレステリア 新宿店(メゾンドリリス) バングル¥26400/アルティーダ ウード バッグ¥81400・靴¥35200/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン(コーチ)
5. ネイビーTシャツ
ネイビーTシャツは力を抜いて、ラフに着るのがカッコいい!
BASIC COLOR T-SHIRT
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「もともと、品があってきれいめなネイビーは洗いざらしのようなラフな素材のほうがカッコよくておしゃれ。カジュアル上手なブランドで探してみるのも近道に!」
MACHI 's comment
「シンゾーンのTシャツは、とろけるようなやわらかな風合いなのに洗濯でヘタらずもう何年も白とグレーを愛用中。今年はネイビーで少し新鮮に着たい気分」
ただでさえアイテム数の少ない夏。シックなネイビーTとデニムの1+1を寂しく見せないためには、アクセが要になることも。「このコーデも、実はパール×シルバーネックレスの重ねづけがいちばんのポイント。パールひとつより気張った感じがなく、“おしゃれしてる感”も出せるので、なにげないTシャツスタイルもぐっと素敵に」(加藤さん)。Tシャツ¥6380/シンゾーン ルミネ有楽町店(ザ・シンゾーン) パンツ¥36300/プラージュ 代官山店(シチズン オブ ヒューマニティー) カチューシャ¥25300・チェ ーンネックレス¥100200/エスケーパーズオンライン(ソフィーブハイ) パールネックレス¥44000/アルティーダ ウード ブレスレット¥14300/プルミエ アロンディスモン(フィリップ オーディベール)バッグ¥74800/ラドロー オンラインストア(ラドロー)
6. ライトブルーTシャツ
ライトブルーTシャツは涼しげな「色×色」でクリーンな女らしさを
PASTEL COLOR T-SHIRT
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「清潔感があり、落ち着きもあるくすみブルーはきれい色の中でも挑戦しやすい色。カラーTゆえの楽しさを生かした色×色コーデで、着こなしにもちょっぴり遊び心を」
MACHI 's comment
「初めてのカラーTなら着丈が短く、アウトしても“面積少なめ”のボックス型から挑戦してみても。インしてもお腹がもたつかないのでハイウエストボトムとも相性抜群」
「私にとってくすんだブルーは、ほぼライトグレーのお友達(笑)。どんな色にも合わせやすく、今はカラーボトムの選択肢も多いので、色×色に身がまえず、純粋に気分が上がる色と合わせてみたい。ただし上下のトーンは近づけたほうが失敗も少ないです(」伊藤さん)。Tシャツ¥9900/フロム パンツ¥16500/フレイ アイディー ルミネ新宿店2店(フレイ アイディー) イヤカフ¥48400・ピアス¥46200/ヒロタカ 表参道ヒルズ(ヒロタカ)バッグ¥19800/プルミエ アロンディスモン(マルコマージ)
7. バターイエローTシャツ
バターイエローTシャツはなじませて品よく。楽しい柄となら、さらに可愛い
PASTEL COLOR T-SHIRT
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「フェミニンな淡色がほどよく“抜け”て着やすくなるのも、リラックスTのよさ。ベージュや茶系でなじませて、色を目立たせすぎないのも品よく着こなすコツ」
MACHI 's comment
「首の太リブやオーガニック綿の素材感も今っぽさにひと役買ってくれる名品T。明るい色ほど劣化も目立ちやすいので、長く愛せそうな“いいもの”をチェック!」
きれいな「色」に対して「柄」を合わせる足し算コーデも、イエロー~ベージュのグラデーションなら上品。「今年らしい“ひもつき”へとアップデートした麦わら帽子も、さりげないアクセントに。ナチュラルな配色のときこそ、あえてトレンド感のある小物を効かせたほうが都会っぽく仕上がります」(加藤さん)。Tシャツ¥13200/オーラリー スカート¥31900/ドレステリア 新宿店(オニールオブダブリン×ドレステリア)ハット¥22000/ユナイテッドアローズ 青山 ウィメンズストア(キジマ タカユキ) バッグ¥64900/エバゴス
8. カーキグレーTシャツ
カーキグレーTシャツは質感きれいめで「×黒」をセンスよく
NUANCE COLOR T-SHIRT
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「上質素材にもこだわったエブールは大人が着やすいきれいめTの定番。濃いめながらも表情感のある色は黒と合わせても重くなりすぎず◎」
MACHI 's comment
「アームホールに切り替えのないドルマン風の袖は風通しもよく、着心地が最高!濃い色なら 汗ジミ問題も気になりません」
「単品で見ると辛口なはずのカーキに近いグレーが、黒スキニーと合わさると強さを和らげる中和剤に。合わせる色によって役割が変わり、着こなしの幅が広がるのもニュアンスカラーの面白さです」(伊藤さん)。Tシャツ¥17600/ebure GINZA SIX店(ebure) パンツ¥27500/ディーゼル ジャパン(ディーゼル) バッグ¥132000/カオス丸の内(ザンケッティ) ネックレス¥96800・ピアス¥38500・ブレスレット¥110000/スタージュエリー表参道店(スタージュエリー)
9. クリームベージュTシャツ
クリームベージュTシャツは旬小物でシンプルの一歩先へ
NUANCE COLOR T-SHIRT
KASUMI 's comment
「明るさがありつつ、白ほど元気すぎず日常に取り入れやすいライトベージュ。“盛りがい”のある色でもあるので、夏ならではの楽しい小物を効かせても」
MACHI 's comment
「これもカーキグレーTシャツと同様、身ごろから袖までをひと続きに仕立てた快適シルエット。リブがなくゆるやかにあいたネックは首すじが美しく見えて、女っぽさも満点」
シンプルなコーデだからこそ地金だけでなく、バロックパールや天然石といった今年らしいアクセで個性を出しても。「揺れ感のあるスカートへと流れるようなスタイリングに、縦のラインを意識したロングネックレスが好バランス」(加藤さん)。Tシャツ¥7150/ル フィルNEWoMan 新宿店(ル フィル) スカート¥20900/ドレステリア 新宿店(ドレステリア) ネックレス¥264000・ロングネックレス¥121000・ピアス¥141900/ロンハーマン(ミズキ) バッグ¥25300/RHC ロンハーマン(メゾン エヌアッシュ パリ) 靴¥8800/ジャーナル スタンダード レリューム ルミネ新宿店(レリューム)
10. モカベージュTシャツ
モカベージュTシャツで軽快なショーパンを大人のカジュアルに
NUANCE COLOR T-SHIRT
KASUMI 's comment
「キャップやショートパンツを合わせたヘルシーなカジュアルスタイルも、ベージュトーンなら大人っぽくて現実的。ラフだけど上質な靴やバッグもポイント」
MACHI 's comment
「“渇いた”ベージュとドライタッチの質感が夏にぴったりのビッグT。両サイドに深くスリットが入っているので、ゆるめ&長めでも体にまとわりつかずノンストレス」
「ショーパンに合わせるなら、やっぱり腰まわりを隠せるオーバーサイズがベスト。軽やかなスポサンもかごバッグも実はレザーだったりと、さらっと上質感を取り入れ、大人ならではの余裕を感じさせて」(加藤さん)。Tシャツ¥10450/プルミエ アロンディスモン ショートパンツ¥12100/アンクレイヴ キャップ¥16500/ユナイテッドアローズ 青山 ウィメンズストア(キジマタカユキ) バッグ¥74800/スーパーエー マーケット 青山(アエタ) 靴¥20900/RHC ロンハーマン(JVAM)
11. 大人の無地T どう選んでどう着る?
伊藤 今やない色を探すのが難しいくらい、カラバリ豊富なTシャツ。でもさんざん迷った挙げ句、結局買うのはベーシックな色ばかりで(笑)。
加藤 私も実際、持っているのはほとんどが黒や白。ですが、今年だったらフレンチスリーブだったり、首のリブが太くなっていたり、変わっていないように見えて細かいところが進化しているので、更新は必要。あと最近はベージュ系もよく買っています。
伊藤 私もベージュ系は買いました!いい意味で“普通”だけどトレンドでもあるし、どんな色のボトムとも合うから着こなしに悩まないのもいい。
加藤 主張しすぎないから、盛りがいもありますしね。そもそもTシャツはカジュアルなものだし、一枚で充分抜け感が出ちゃうので、足すこと……つまりは“小物力”もとても大事なんです。
伊藤 確かに、今回のコーディネートでも、ネックレスを重ねたり、大ぶりのアクセが効いていたような。
加藤 バッグもちょっと印象的なものにしたり、ブランド小物を選ぶのもそうですが、Tシャツコーデは高見えさせるか、おしゃれ感度が高いか、は絶対必要。シンプルでもどこか一カ所“おしゃれしている”ポイントがあると、コーディネートが格上げできるんです。
伊藤 なるほど……なんとなく着ていてはダメなんですね。
加藤 今年っぽさを出すという意味では、やっぱり「色」も効果的。きれい色の中でも人気のペールカラーは、ベージュ系と同じくニュアンスがあって使いやすいですし、とにかく豊富。
伊藤 いつものデニムでも、ひとつ入るだけで、がぜんおしゃれに見えますよね。それこそ小物が更新できてなくても、ちょっとサマになったりとか。加藤そうですね。価格的にもTシャツならいろいろ挑戦しやすいはず。着たい気分に合わせて、今年は新しい色を買ってみるのもおすすめです。
スタイリスト
加藤かすみさん
表紙やファッション特集のほか、広告なども幅広く手がける超人気スタイリスト。センスと理論に基づいたコーデ術にはファンも多数。
エディター
伊藤真知さん
本誌をはじめ数多くの女性誌で活躍するファッションエディター。等身大で真似したくなる着こなしセオリーで、私服スタイルも好評。
撮影/YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉(人)、魚地武大〈TENT〉(物) ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/桐谷美玲 取材・原文/伊藤真知 構成/三橋夏葉〈BAILA〉 撮影協力/キンプトン新宿東京 ※BAILA2021年7月号掲載