30代の婦人科系悩み&疑問に、人気婦人科医がお答え! 今回は「生理前の不快な症状」について。「生理前になると、尋常じゃない眠気が襲ってきて……。イライラするというよりも、ただただ眠いんです。休日は一日中ウトウトしてしまって、たまった洗濯物や掃除も進まず自己嫌悪」など、30代のPMS悩み、生理前の眠気はかなり多いお悩み。解決法を専門医に教えていただきました!
生理前に眠くてたまらない…これって病気?治療できるの?
30代女性のお悩み&疑問
・「生理前になると、尋常じゃない眠気が襲ってきて……。イライラするというよりも、ただただ眠いんです。休日は一日中ウトウトしてしまって、たまった洗濯物や掃除も進まず自己嫌悪」
・「生理前、眠くなるのでコーヒーをガブ飲みしているのですが、効果が感じられず……。仕事で本当に困るので、何とかしたい!!」
30代の読者に多かったのが、月経前の眠気に悩んでいるという声。専門医にお話を伺いました!
医師がお答え! 生理前の眠気の対処法
東峯ラウンジクリニック(旧・いけした女性クリニック銀座)院長。ストレスや加齢などによって起きる女性の心身トラブルに向き合い、幅広い年代の女性たちの相談に乗る。
生理前になると眠くなるのは黄体ホルモンの影響
月経前の眠気は、黄体ホルモンの影響で起こります。逆に眠れなくなる人もいますが、一般的に黄体ホルモンのプロゲステロンは眠くなるホルモンと言われていますね。
黄体ホルモンは排卵してから月経の前にピークの量を迎えるホルモンで、月経が始まると量が減ります。異常な眠気は排卵した後に起こることなので、いわゆるPMSと呼ばれる症状の中に含まれます。
漢方薬を使って夜しっかり眠ることで、ラクになる場合も
改善策ですが、月経の周期を知っておくことは眠気対策にも必要なこと。その上で、患者さんには、「月経前の期間に入ったら、夜はしっかり寝てしまうのはどうですか?」とアドバイスすることもあります。漢方薬を処方して、夜しっかり寝てもらうようにする。具体的には、月経前の夕方に「加味逍遙散」や「抑肝散」を飲んでもらったりします。
あとは昼食後に10分ほど寝てしまう。起きたらカフェインをとって一気に仕事をすれば乗り切れたりします。
それでも厳しい人は安定剤や抗うつ剤で夜眠れるようにして、昼と夜でメリハリをつけるような処方をすることもあります。
その他に、低用量ピルを使って排卵を止めてしまうことでPMSの波をなくしていく方法もあります。ただ、ピルそのものに黄体ホルモンが必ず入っているので、ピルの飲み始めは特に眠気を感じる患者さんも多いので注意を。ただ、高温期や低温期の境目がなくなるので、楽になる人もいますね。
なぜ今自分がこんなに眠いのか、その理由を知らずに、眠くて仕事のミスを連発したり、怒鳴られた……と苦しい思いをしたりする人も多いのですが、月経前には眠気があるのが普通なんだと自分自身で知っておくことが大事です。
つらい眠気にも、いくつかの改善策が。自分に合った方法を見つけたいですね!
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉