2023.5.16

【アンガールズ・田中卓志さんのお悩み相談】「結婚したいけど婚活が無理」というもやもやにアドバイス【隣の部署の田中先輩】

働く30代が抱える日々のもやもやを、一見冴えない（!?）アンガールズの田中卓志先輩にぶつける連載【隣の部署の田中先輩】第10回！　今回は「婚活が本当に無理」という相談者。30代半ばから結婚を意識し始めて婚活に打ち込んだアドバイスをもらいました。

《今月のお悩み》婚活が本当に無理(泣)（34歳・自営業）

子育てもしてみたいし、結婚が嫌というわけではないのですが、婚活というのがどうしても無理です。たくさんの男の人に会ってその中からお互いの条件とか相性とかをすり合わせていって…のようなプロセスが打算的に感じてしまい、婚活のからんだ食事は気持ち悪くて何も食べられません。どうしたら前向きに婚活に打ち込めるようになるのでしょうか？

田中先輩の答え…そもそも“婚活”は面倒くさい。でも、結婚したいならやっぱり必要

ゆっくりでもいいんです。大事なのは走り続けること

この気持ち、わかるなぁ。婚活って大変だし、本当に面倒だよね。そもそも、ゼロから人間関係を築き上げるだけでものすごい労力を必要とするのに。うまくいかなければ落ち込むし。そこからまた復活するまでに時間だってかかっちゃうから。

僕自身、30代半ばから結婚を意識し始めて婚活に打ち込んだ時期も。それはもう、いろんな人から様々な女性を紹介してもらったんですよ。そのなかには、可愛い人もいたし、優しい人もいました。でもね、結局、僕は誰のことも好きになれなかったんです。その理由はきっと、相談者さんと同じ。やっぱり、結婚となると、恋愛とは視点が変わるから。品定めをしては点数をつけあっているような感覚になるというか。また、その点数のつけ方も、あれが気になる、これが気になるっていう減点法で。マイナス面ばかり探すから、なかなか相手のことを好きになることができない。結果、お互いの恋心に火がつかぬまま、ただただ消えた焚き火を眺め続けるような時間を何時間も過ごしたりしてね。そんな時間を繰り返すうちに、出会いの場に行くこと自体がもうおっくうになってしまうんだよねぇ。

お互いの条件をすり合わせながら、たった一人の結婚相手を探していく……。何度も言いますが、そのプロセスは本当に面倒くさい。でも、それを割愛する方法は出会ってすぐに結婚する“0日婚”くらいしかなくて。それだと、結婚生活がうまくいくかどうかがギャンブルになってしまうんだよね。だからこそ、どんなに面倒で大変でも、アレやコレやと悩みながら慎重に結婚相手を探す婚活はやっぱり必要なんです。今は苦しく大変でも、いつの日かきっと「つらい婚活は無駄じゃなかった」と思える日がくると思う。実は僕、奥さんと結婚するきっかけは再会で。以前は普通の友達だったのに、再会した瞬間に「この人だ！」って思ったんです。それはきっと、会っていなかった期間にたくさんの女性と消えた焚き火を眺めたから。そんな時間の中で「自分がどんな人を求めているのか」照準が定まっていったから、奥さんに出会ったときに気づくことができたんだよね。

ときに婚活は僕たちから自信を奪い心をひどく傷つけます。僕自身、合コンで背中を向けられたり、平気で無視されたり、なんでお前がいるんだと言われて傷ついたことも。その傷を慰めるために、イクラのお寿司の目の前で「ピンクの気持ち悪い卵を産む生物がいるの知っている？」とジャンボタニシの話題を提供。その場の空気を壊すことで一矢報いた過去もあったりして……。傷つく回数が増えると心は疲弊します。心が疲れると楽しい気持ちが消えて義務になってしまいます。義務になるといつか嫌いになる日がきます、だからこそ、疲れたときは休む。ぎゅうぎゅうに婚活を詰め込まない。焦る気持ちはわかるけど、大丈夫。自分の中に「結婚したい」という石炭があるかぎり汽車は走り続けるから。石炭が涙で湿って使えないときは近くの駅でひと休み。新しい石炭が届くのをゆっくり待てばいいんです。僕の汽車も各駅停車でそれはもうノロノロ運転だったけれど、あきらめずに走り続けたことで、最後にはちゃんと目的地にたどり着くことができましたから（笑）。