働く30代が抱える日々のもやもやを、一見冴えない(!?)アンガールズの田中卓志先輩にぶつける連載【隣の部署の田中先輩】第11回! 今回は、大人になってもだらしなくて自分に甘くなってしまうのが悩みという相談者に的確アドバイス!
《今月のお悩み》どうしても自分に甘くなってしまう(31歳・事務)
決意しては三日坊主のダイエット、ざるなお金の管理、仕事の締め切りもなあなあにしがち…大人になったのに、だらしなくて自分に甘いままです。きちんと生活できる素敵な大人になりたいのですが、まず何からやったらいいのでしょうか。甘さから抜け出せない私を一喝して助けてください。
田中先輩の答え…ダメな人間ほど“周りから愛される人”になったほうがいい
甘さはなかなか直らない僕自身もそれを痛感
自分に甘いか甘くないかでいったら、僕も完全に前者です。やらなきゃいけないことをすぐに忘れてしまうし、何をやるにも常にギリギリ。「今日から節約だ」ってスーパーで割引商品を買ったのに、翌日にはコンビニで簡単に高い炭酸水を買っちゃったりして。自分でも「なにやってんだ」と思うことの連続ですからね。
そんな自分の甘さを知っているからこそ、僕が心がけているのが自分の背負える量を知ることです。最近、猫背を直すためのストレッチを始めたんですけど。それもね、番組の収録前、時間があいたときにやったり「できるときにやる」ようにしているの。「毎日、必ず何分やる」とか決めちゃうと続かないのがわかっているから。背負いきれない課題を自分に与えると、いつか「面倒くさい」になってしまう。ダイエットが三日坊主に終わるのもきっと、その内容がハードすぎるから。やっぱりね、「まずは駅までの道のりを少し遠回りする」とか、そういうとこから始めたほうがいいんですよ。
あと、背負える量を超えてしまいそうなときは周りの人の力を借りるのもひとつの手だよね。僕も以前は本当に朝起きるのが苦手で。寝坊して遅刻をしてしまったことが何回もあったから。今はマネージャーさんにお願いして、起きているかの確認メールを送ってもらったり。番組用のアンケートもすぐに忘れちゃうから。「書いていますか」「送りましたか」の二段階確認をしてもらっていて。僕自身、そうやって周りの人の力を借りながらなんとか生きていますからね。
ダメダメな人間の周りには「どうにかして助けてあげなきゃ」と思ってくれる人が集まるのでしょうか。僕の周りにはしっかりしている人が多い。実はうちの奥さんもキッチリした人で、結婚のお祝いにいただいたものに関しても、誰に何をお返しに渡すとか、すべてエクセルで管理しているんですよ。で、僕の役割といったら、奥さんから言われたものをそのまま相手に渡すだけなんだけど、それすらも間違えて奥さんに怒られちゃったりして。自分には絶対にできないことをやってくれるから、もうね、本当に助かっています。
自分の甘さを管理できないというのならば、家族や友達にお願いして一喝してもらったり、注意をしてもらったり、助けてもらうのもいいと思う。ただ、そこで絶対に忘れちゃいけないのが感謝の気持ちです。やってもらっていることに慣れて“当たり前”みたいな顔をされたらムカつくだろうし。そもそも、そんな人のことなんて誰も助けたいと思わないだろうしね。基本、アンガールズでは僕がネタを書いているんですけど。うちの相方の山根もね、僕が書いたネタに対して感謝の気持ちを示さなくて。「なんでコイツのために頑張らなきゃいけないんだ」って気持ちになったことがあるんですよ。でも、ここ数年は「ありがとう」と言ってくれるようになって。それだけで、僕もネガティブな気持ちになることが一切なくなったから。「ありがとう」のひと言は本当に大事‼ あと、できる限りの力を尽くすのも大切なこと。最初からなまけている人のことを助けたいなんて思わないからね。
どんなに頑張っても「できないものはできない」と言うのならば、せめて周りから愛される人になる。その努力くらいはしないとね。
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田中卓志
たなか たくし●1976年生まれ、広島県出身。大学時代の友人、山根良顕とお笑いコンビ「アンガールズ」を結成。「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ系)など多数のバラエティで活躍中。
撮影/黒沼 諭〈aosora〉 ヘア&メイク/高橋将氣 スタイリスト/高山良昭 イラスト/ますこえり 取材・原文/石井美輪 撮影協力/アワビーズ ※BAILA2023年7月号掲載