今月はジャンルの違う新刊をピックアップ。一度読み始めたら止まらない手に汗握るサスペンス漫画『テセウスの船』はずっしり重いストーリー。一方『カフェでカフィを』は誰かの日常を垣間見ているような優しい短編集。どちらも1巻しか発売されていないので、試しに両方読んでみるのもあり。思わぬ好みに気づくかも!? そして、もう一冊。漫画好きなら、ドラマが放送開始した『刑事ゆがみ』も必読です。
『テセウスの船』 東元俊哉 講談社 1 巻~ 570円
1989年に北海道の小学校で起きた大量毒殺事件の犯人を父に持つ主人公・心。妻の死をきっかけに己の過去と向き合う決意をする。向かった現場で心を待ち受けていたのは、想定外の展開だった……。
『カフェでカフィを』 ヨコイエミ 集英社 全1巻 690円
ときにコミカルに、ときに切なく、しみじみと流れる日々のふとした瞬間。あえて言葉にせず、スルーしてしまうような出来事や感情。それらを絶妙に切り取ったやさしい短編集。日常が愛しくなる一冊。
『刑事ゆがみ』 井浦秀夫 小学館 1 ~ 3 巻 各552円
常識やレッテルに惑わされることなく、現代社会に潜む闇をあぶり出す刑事たちを描く。10月12日、同名ドラマ(CX)が放送開始。
原文/中川 薫