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#山崎育三郎 さんインタビュー「BITTER / SWEET」明るくて穏やかな“ミュージカル界のプリンス”のつくり方【BAILAhomme掲載】

チョコを食べるときは「ビター」が好み。でも、自分自身の性格は「スイート」と断言する。ちょっぴり苦めの意外な過去が配合された、明るくて穏やかな“ミュージカル界のプリンス”のつくり方。山崎育三郎さんへのインタビュー。

1. BITTER

山崎育三郎

【BITTER】ビターな失敗

山崎育三郎 ビターな失敗

最近の失敗といえば、反町隆史さんとゴルフに行ったときに全然うまく打てなかったこと。
反町さんがうますぎるから、ちょっと緊張しちゃって。
もっと練習してからご一緒すればよかったです。
これまでも物を落としたり、なくしたり、失敗したことはもちろんたくさんあります。
でも寝たら忘れるし、ずっと悩むことはありません。
過ぎ去ったことを考える時間は意味がないと思うしあまり過去に興味がないというか。
いい思い出も悪い思い出も前向きに受け止めて、「よし、次にいこう!」ってタイプ。
ちょっとかっこつけすぎですかね(笑)。

【BITTER】アンチ・ストイック

山崎育三郎  アンチ・ストイック

ステージに立ったら完成されたものを表現するだけなので、ミュージカル俳優である僕らの場合、準備の時間が本当の仕事の時間。
家で一人でセリフや歌詞を覚えたり、発声や歌い方や演出などを寝るまでずっと頭の中で考えています。
準備にいちばん力を入れているのである意味、365日休みはありません。
それでも僕の場合は楽しみながら準備に打ち込めるし、そもそも努力していると思われることがいちばん恥ずかしいと思うタイプ。
「ストイックだね」と言われるよりもふわふわ〜っと楽しんでいる人のほうがすごくかっこいいと思っています。

2. SWEET

【SWEET】スイートな愛情表現

山崎育三郎 スイートな愛情表現

愛情表現は照れずにストレートに口にしますし、子どもに対しても「愛してるよ」と毎日伝えています。
朝も、寝る前も、もはや嫌がられるくらい(笑)。
なぜなら僕自身が母からたくさんの愛をもらったから。
母は家族だけでなく、いろんな人に愛を注ぐ人なので街中で困っていた留学生を突然家に招き入れたことも。
誰に対しても一生懸命になれるし、そのことに喜びと生きがいを感じる人なんです。
僕も母からたくさんの愛をもらったことで絶対的な味方がいてくれる安心感を得られたし自己肯定感高く、ポジティブでいられている。
母のように愛情深い人でありたいと思っています。

【SWEET】初恋の思い出

山崎育三郎  初恋の思い出

小学6年生のときの学校の学芸会で『人間になりたがった猫』というミュージカルをやることに。
オーディションを受けて僕が主役を演じることになりました。
相手役はおとなしい性格だけどすごく一生懸命な女の子で。
劇中で恋をする場面があったのですがリアルでも好きになっていました。
家に招かれて、彼女のお母さんに出していただいた紅茶を飲んで帰ってきたことも、なぜかすごく記憶に残っています。
中学で離れ離れになってしまったけどしばらく手紙でやり取りしていたこともスイートな思い出です。

【BITTER/SWEET】シャイだった少年時代、ポジティブな現在

記事が続きます

ずっと子どものようにワクワクしていたい

ミュージカル界のプリンスとして名だたる大作に出演してきた山崎育三郎さん。もはやベテランの域に足を踏み入れているのに「ずっと子どものようにワクワクしていたい」と大まじめに語る。誰もやっていないことを思いつくと「文化祭の前日のような気持ちになる」のだとか。落語を描いた人気漫画をミュージカル化した『昭和元禄落語心中』は、まさに彼の自由な発想から実現した新作。「日本発のオリジナルミュージカルをつくりたい」と願い、題材を探している中で、6年前にドラマ版に出演した経験が運命の出会いとなった。

「座布団に座って語るだけで観客を魅了していく落語は、エンターテインメントの最高峰だと思います。お客さまの空気を感じながら声やテンポに強弱をつけるライブ感は、オーケストラをバックに歌う感覚に近いものがありました。落語中に曲が流れたらとても素敵だろうなと、ミュージカル化のアイディアが浮かんだんです」

ドラマ同様、演じるのはガサツで破天荒な助六役。山崎さんとは正反対のキャラのように思えるけれど。

「助六は自分の表現に対するプライドがありますし、芸に打ち込む誠実さは魅力的です。彼が落語をするいちばんの目的はお客さまを楽しませること。その軸は僕も同じですし、友情に熱くてポジティブで明るいところも、すごく似ていると思います」

山崎育三郎 

ポジティブの原点は怖くても踏み出した経験

意外なことに、もともとの性格はシャイで人見知り。転校が多かった子ども時代、言葉が通じないアメリカへの留学、ミュージカル以外の作品に出演し始めた30代での挑戦など、「怖いけど踏み出した」経験のすべてが、今の前向きな山崎さんを形成している。

「場所やチームが変わると、それまで経験していたことが何の意味もなさなかったりします。と同時に、悩んでいたことも『どうってことないじゃん』と思えることがあるんです。子どもの頃から新しい環境に身を置く経験を多くしてきたので、今いる場所がすべてじゃないと柔軟に思えるようになったし、新鮮な居場所や出会いを探し求めるようになりました」

人生のテーマは穏やかに、フラットに、自由でいること。人に対してビターに接することは、皆無。

「表に立つ仕事なので、メンタルの健康は何よりも重要です。特に歌は深く息を吸って吐いての連続なので、いい精神状態じゃないと歌えません。人間関係で『え?』と思うことがあっても、なぜその発言をしたのか、相手の背景を想像するのが好きなんです。どんなことが起きてもポジティブに受け止めることは、僕にとってもはやゲーム感覚です。怒りや起きた事象にはあまり意味がなくて、自分が成長するために課された試練だと思うようにしています」 

もう一つ大切にしているというのが、自分へのハッタリ。「『できる、いける、自分は最高!』と意識して鼓舞していると、けっこうクセづいてくるんです(笑)。物事の受け止め方もハッタリも、根がシャイだからこそ大切にしてきたこと。前向きになれるスイッチをどれだけ持てるかが大事な気がします」

山崎育三郎

山崎育三郎


やまざき いくさぶろう●1986年1月18日生まれ、東京都出身。『レ・ミゼラブル』『モーツァルト!』など数々のミュージカルで活躍。ドラマなど映像作品にも積極的に出演し、「おしゃれクリップ」ではMCも務める。

ミュージカル『昭和元禄落語心中』

ミュージカル『昭和元禄落語心中』
出演/山崎育三郎、明日海りお、古川雄大、黒羽麻璃央、中村梅雀ほか

戦前から平成に至る落語界を舞台に、天才肌で豪快な助六(山崎育三郎)、努力家で繊細な八雲(古川雄大)の友情と、彼らと深く関わることになる芸者・みよ吉(明日海りお)との愛憎を描いたミュージカル。雲田はるこの原作漫画を、『エリザベート』などを手がけてきた宝塚歌劇団の小池修一郎が演出する。東京公演は2月28日〜。

撮影/髙木健史〈SIGNO〉 ヘア&メイク/及川美紀 スタイリスト/YAMAMOTO TAKASHI 〈style3〉 取材・原文/松山 梢  ※BAILAhomme vol.4掲載

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