旅先への想いを馳せるだけで、幸せな気持ちに満たされる。いつか行く日を夢見て、旅ラバーの女性たちが旅先で収めた写真を見ながら妄想を。フォトグラファーの尾身沙紀さんのお気に入りはジョージアのカズベキ。自然や動物と調和した光景を見て、衝動的にシャッターを切ったという。
アシスタントを経て2013年独立。バイラをはじめ多くの雑誌、広告、カタログ、写真集など多岐にわたり活動している。
ジョージア【カズベキ】
噓みたいな光景が目の前に広がりファインダーをのぞかず衝動的に撮る
2019年、ジョージアに友人と10日間の二人旅へ。「首都から車で約5時間のカズベキは観光地ですが、山の上に教会があるくらいであとは山と空だけ。なんとなく知ってはいるけれど実際は見たことのない景色が次々と広がり、光も力強かった。ガイドの人に運転して連れていってもらい、道中はずっと写真を撮っていました。旅先を忘れたくないという気持ちが強く、見て何か感じたものはすべて撮っておきます。自分の目で見たそのままの光景に最も近づいてくれるのが一眼レフだと思うので公私ともにいつも一緒。誰のためでもなくファインダーをのぞかず反射的に手がシャッターを押すという感覚は旅ならでは。噓みたいな景色のこの写真を見てまた行きたいなぁと思っています」(尾身沙紀さん)
不意に現れたという馬に乗った女性も彼女の髪飾りもすべて素敵で、車の中から夢中で写真を撮ったそう
キラキラとした光が美しい、夕日の中にたたずむ直売所。あとから写真を見て「りんごに見えたこの果物はなんだろう?」と想像したり
道中に道が羊で埋め尽くされ、そこには絵に描いたような羊飼いのおじさんが登場。「まるで物語のワンシーンのようでした」(尾身沙紀さん)
コーディネート・取材・原文/柿本真希 ※BAILA2022年1月号掲載