旅先への想いを馳せるだけで、幸せな気持ちに満たされる。いつか行く日を夢見て、旅ラバーの女性たちが旅先で収めた写真を見ながら妄想を。フォトグラファーの加治枝里子さんはメキシコでセノーテ巡りをした旅がお気に入り。光が差し込んで美しく透き通った水景色が忘れらないそう。
フォトグラファー
加治枝里子さん
アメリカの美術大学で写真を学んだ後2006年にフランス・パリを拠点に独立。現在は鎌倉を拠点に、旅・カルチャー誌で活動しながら作品制作。3児の母。
メキシコ【カンクンのセノーテ】
穴を下るとそこは別世界。地上から光が差し込み、神々しい世界に
フランスに住んでいた10年くらい前、地下に天然の水がたまった泉・セノーテの話を聞き、カンクンへ。砂ぼこりが舞うメキシコの田舎でセノーテ巡りを。「セノーテ巡りの道中は、パステル調の町並み、美しいカリブ海、振り落とされそうなトロッコ馬車から見る景色が美しかった。あまり観光地化されていないクサマという場所のセノーテにようやくたどり着き、人が一人通れるくらいの穴からはしごを下りていくと、目の前にこの景色が広がりました。泳ぐ気はなかったのに思わず飛び込んだほどの美しさへの驚きは今でも残っています。目で見て驚き、実際に泳ぎ体感できるのも嬉しい。きれいな光が差し込み、見上げると穴からは空が見え、次々と人が飛び込み、忘れられない光景です」(加治枝里子さん)
はしごを下りると地底に別世界が広がっていてそのコントラストが印象的。美しい色の水に光がきらめき、神々しさを感じた記憶。
「人々がひんやりとした水の中で泳いだり飛び込んだり、地上から差し込む光を眺めていたり、思い思いに過ごしている光景を夢中で撮りました」(加治枝里子さん)
地上へとつながるはしごを上る様子。「田舎のセノーテまで足を延ばしたので、アジア人観光客はほかにおらずメキシコ国内の旅行客と思われる人が多かった印象」(加治枝里子さん)
コーディネート・取材・原文/柿本真希 ※BAILA2022年1月号掲載