家で過ごす時間が何よりも心地いい! 新婚夫婦のおしゃれディスプレイ術③
パタンナーの桑畑瞳さんと調理師の一路さん夫妻。「共通の趣味は古道具店巡りとお酒」という二人が選んだのは、築40年のマンション。テラコッタが敷かれたキッチンから栗の木材のリビングまで一続きに見渡せる空間は38㎡という狭さを感じさせない造り。
南に面した窓からは穏やかな光が差し込む。インコをかわいがっている二人。時々カゴから出して一緒に遊ぶ。
「せっかくなら二人のテイストを生かせる古い物件のリノベーションがいいねと、意見が一致。都心近くという条件もあり、限られた広さの中で居心地のよさを追求しようと思いました」(一路さん)
料理好きな二人が特にこだわったのが総タイル貼りのキッチン。「海外のアパート風にしたくて、蛇口は真鍮の水栓を取り寄せたり、かなり要望を取り入れてもらいました」。すっきりしたキッチンの上は鮮やかなターコイズブルーのルクルーゼの鍋や片手鍋をところどころに効かせて。出しておいて素敵に見えるものしか置かないのがルール。
リビング側からキッチンを見た風景。キッチンとリビングの間はカウンターになっていて、下は収納が可能。季節の花をガラスに飾って、フォトジェニックな空間に。その上の吊戸棚にはカラフルなファイヤーキングのマグカップを整然と並べて。白がメインの空間に、小さな雑貨類で色を効かせるとこんなにおしゃれに。
38㎡という決して広くない限られた空間。生活していると物に溢れるはずなのに、どうしてこんなにすっきり? その答えはデッドスペースを生かした収納術にあった!キッチンのシンクの下はオープンな空間になっていて、そこに電子レンジやワゴンタイプの収納ボックスを設置。収納ボックスの中にはお酒好きな二人らしいワインボトルが。
新居用に最初に購入したのが「トラック」の二人掛けのソファ。ソファだけは一生ものが欲しいと思ったのだそう。大きなダイニングテーブルは置かずに、くつろぎと食事を兼ねてオーダーした小さなテーブル。西荻の「無相創」でオーダーしたテーブルはヴィンテージな雰囲気が素敵。
桑畑さん夫妻のリビングの居心地のよさの理由は随所に花やグリーンが飾ってあること。球根や多肉植物、ドライフラワーなど、どのコーナーに目を向けても緑が目に入り癒される。
ディスプレイ用のドーム型のガラスに入っているのは瞳さんが大好きな鉱石。キャンドル類と一緒に並べてリビングの角に置いたテーブルの上に。
二人のペット、インコのカゴもリビングの角に。鳥かごやグリーンがあることで部屋に生命力が感じられる。
寝室は壁を淡いグリーンにペイント。窓はマンションの規約上、外側の窓枠を変えることはできなかったので、内側から新たに白い窓枠とすりガラスをはめ込んだ。二人用のベッドを置けばいっぱいいっぱいに埋まってしまうほどの小さな寝室だが、ムダなものがなく、すっきりとした印象。
寝室にも吊戸棚を設置し、お気に入りのレコードジャケットをディスプレイ。音楽とお酒とヴィンテージと。忙しい平日も早く帰宅して、音楽を聞きながら、お酒とおつまみでリラックスしたくなる。新婚夫婦の理想的な時間の過ごし方がそこに!
撮影/宮濱祐美子