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【安倍佐和子の働き方】大人気美容ジャーナリストの過去・現在・未来

いつの時代も「働き方」でいちばん悩むのは30代〜40代。本企画では、憧れの先輩たちがどのような働き方をしてきたかを取材。5回目は、BAILA本誌でもたびたび登場する美容ジャーナリストの安倍佐和子さんが登場。美容専門誌の地位を押し上げた立役者の、過去・現在・未来を探る。

安倍佐和子さん顔写真
安倍佐和子

美容ジャーナリスト

安倍佐和子


1961年千葉県生まれ。化粧品会社、出版社勤務を経て独立。現在は女性誌や広告などのエディトリアルライターや美容ジャーナリストとして活躍。さらに、認定ホメオパスやフィトテラピーアドバイザーの資格を持ち、ホリスティックな知識も豊富。著書に『人と比べない美人力の磨き方』(講談社)がある。趣味は旅やサーフィン、スキーなどアクティブ系。

短大卒が主流の時代に、手に職をつけたいと四大に進む

安倍佐和子さん化粧品会社社員時代の写真

安倍佐和子さん、化粧品会社勤務時代。右はデザインを手がけた広告。

安倍さんが進学を検討していた当時は、短大を出て安定した職業に就き、幸せな結婚をするのが女性としての花道だった。そんな中、手に職をつけたいと考えて四年制大学に進む女性はかなりまれであったと語る。

 「資生堂などの素敵な広告を手がけていらしたアートディレクターの石岡瑛子さんに憧れて、大学でデザインや写真を学びました。映像作家だった父の影響もあったと思います。
小さい頃から洋書や写真集が家にたくさんあり、当時はまだまだ珍しかった海外渡航する父の姿を見て育ったことも大きいと思います」

 そして、晴れて化粧品会社へ入社。希望通り宣伝制作室に配属となり広告制作に関わることに。

 「うれしかったですね。女性がキラキラできる世界観が好きで、それを伝える仕事がしたかったので。ヤル気満々で、ギラギラしていたと思います(笑)」

26歳、化粧品会社を3年で退職。クリエイターとして一歩前進

安倍佐和子さん留学時代の写真

安倍さんのサンディエゴ留学時代の友人との写真。そのうちの一人の結婚式にジュネーブまで行く。留学仲間とは今でも交流があるという。

ところが、理想と現実は違い、自分のやりたいことが上司の意向で通らないなど、もの足りなさを感じていたという。

 「3年在籍し、スパッと辞めました。実家暮らしだったこともあり思い切れたと思います。その後、N.Y.から上陸するコスメの広告宣伝をお手伝いすることになり、20代半ばにしてクリエイティブディレクターという肩書きで海外に行く機会を与えられました。

当時はバブル後期、広告にもすごくお金をかけられる華やかな時代で刺激的でした。でも、せっかく海外に行かせてもらえてもまったく英語でコミュニケーションがとれず、コテンパンに…。
これでは質の高い仕事ができない、ちゃんと英語を学ぼうと思い、26歳で仕事を辞めて、米国に留学しました。親の反対もあり、留学期間を偽っての旅立ちでした」

28歳で編集者生活が始まる

安倍佐和子さんがたずさわった美容誌

安倍さんが編集者人生をスタートさせた、美容誌の先駆け『Make up Magagine』

帰国してしばらく経ったある日、かつての化粧品会社で仕事をしていた知人経由で、美容のムック本を手伝ってほしいという依頼を受ける。

 「『Make up Magazine』という本です。まだ国内には『VOCE』や『MAQUIA』などの美容誌が1つもありませんでした。
編集という初めての仕事でしたが、企画を練るところから撮影をして写真を選ぶところまですべてに関われるという点で、自分に向いている仕事だと感じて、出版社に再就職。編集者の道へ進むことになりました」

「がむしゃらに働き、連日深夜帰宅。ストレスのせいか、フェイスラインに大きな吹き出物が頻発。全然治りませんでした。それでも仕事を辞めたいと思ったことがなかったのは、毎日が刺激的で楽しかったからだと思います。

この頃に出会ったヘアメイクさんやカメラマンさん、そして同僚の編集者やライターさんたちは、美容誌業界における創世期の人たち。彼らとの出会いこそ、まさに私の人生における財産です!」

34歳で移籍。ほどなく『VOCE』の創刊メンバーに

安倍さんは35歳直前で『Make up Magazine』編集部から退職。その後、新しい美容誌の創刊メンバーに誘われる。

 「創刊する1年前の、雑誌名を決める準備段階から編集者として参画しました。今まで培ってきた財産(人)と共に新しいことができることがうれしかったです。創刊号の表紙も担当し、念願の松田聖子さんにお願いすることができました。後にも先にも聖子さんとのL.A.でのカバー撮影が最も思い出深い仕事だったと思います」

 『VOCE』では丸10年、編集者として活躍。その間に時間をやりくりして“代替医療(ホメオパシー)”を学び、4年かけて資格を取得する。

 「40歳の頃でした。どんどん美容医療が盛んになって、ハイテクな情報が押し寄せてきて、自分の中でバランスがとれなくなってしまったんです。もともと健康志向なこともあり、サイエンスが進み過ぎるのは違うのではと思って、本能的にウェルネスやホリスティックなどの情報を求めていたんだと思います」

安倍佐和子さんが学んだホメオパシー

安倍さんが学び、資格を取得した「ホメオパシー」関連の書物やレメディー

44歳でフリーに。仕事において円熟期を迎える

『VOCE』編集部を辞めてフリーになった安倍さん。と同時にいろいろな仕事が舞い込んできて、「この頃がいちばん楽しかった」と話す。

 「さまざまな女性誌からお仕事がきて、連載ページも担当させていただきました。3年間、毎週『BeauTV 〜 VOCE』(テレビ朝日系列)にも出演させていただき、“動画やTVにおけるビューティはこうあるべき”ということも学ばせていただきました。

2011年の“3.11”をきっかけにツイッターを開始。その後インスタグラムも始めてもう7年くらいになります」

安倍佐和子さんとBeauTVの出演者たち

安倍さんがレギュラー出演していた『BeauTV 〜VOCE』の出演者たちと。右端は当時のMCをしていた平子理沙さん

ライター、エディター、美容家、美容ジャーナリスト、コピーライター、インフルエンサーなど、多くの顔をもつ安倍さん。「40代半ばで自分の理想の仕事に近づけた」と振り返る。

 「自分を突き動かす好奇心や探究心が私の原動力。そして、キレイなものや感動を与えるものを人に伝えたいという気持ちはずっと変わっていません。人に恵まれ、仕事に恵まれ、最新の美容情報を取材しに海外出張も数多くこなし、伝えたいことが伝えられるようになって、本当に充実した40代でした」

50代も多忙な日々。ところが、コロナによって変化が生まれる

安倍佐和子さんの自宅の庭

安倍さんの自宅のガーデニング。ハーブや野菜も育てている

50代に突入しても、ますます仕事は忙しくなるいっぽうの安倍さんが、コロナをきっかけに仕事への取り組み方や時間の使い方が変わったという。


 「否が応でも制限されて、初めて“外に出て、誰よりも早く見聞きしたことを伝える”ことができなくなりました。飛び回れなくなったことでいろいろ考えたんです。今までは膨大な仕事量をこなすのにどうしてもスピード感が必要でしたが、もっとひとつのことにじっくり深く手をかけて関わってもいいんだなと。


ちょうどその頃引っ越しをしたことも重なり、いつかやりたいと思っていたガーデニングを始めました。ヒポクラテスが“人は自然から遠ざかるほど病気に近づく”と言ったように、土や植物に触れていると心身共に健康でいられます。ホリスティックを学んできたことを初めて活かすことができるようになったと実感しています」

60代になった安倍さんが今思うこと

今年、60代を迎えた。夫婦で楽しむスキーやサーフィンも、それぞれのシーズンで数回行っているとか。スレンダーなプロポーションや、ツヤツヤな肌を見てもまさにエイジレス!

安倍佐和子さん、サーフィンスタイル

サーファー姿の安倍さん。スレンダーな姿がかっこいい!

「自分自身、年齢と自覚に大きなギャップがあります。いつまで仕事ができるのかはわかりませんが、できる限り続けたいです。最近はSDGsについて書くことも増えていて、ホリスティックとつながるこのジャンルももっと勉強しなきゃと思っています。

土壌との関わりをもっと究めて、自然に恩返しできたらいいなと。また、保護猫活動のサポートもしたいし、コピーライターの塾にも3年前から通っていて、これも続けたい。…まだまだやりたいことがいっぱいです!」

最後に、バイラ世代へのメッセージ

「人生は波乗りのようだなと思うことがあります。波は地球の鼓動。抗えば波にのまれるだけですし、大きいほど乗り甲斐がある。失敗したらまた次の波に乗ればいい。

過ぎ去った波は見ないで(後ろを振り返らずに)、次にくるいい波を待って、しなやかに乗れたら、これほど心地いいことってありませんよね。

だから、自分がやりたいことを見つけるために、広くアンテナをめぐらせてください。たくさんの可能性の中から、何をしている時が自分がいちばん自分らしくいられるか考えてみてくださいね。必ず自分にとって素晴らしい波は来ます!」

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