社会人歴が長くなっても、「これ、合ってる?」と急に不安になるビジネスマナー。お客さまとの打ち合わせ、食事の時やタクシーといったシーンで上座・下座が分からず困った経験はありませんか? どんなシチュエーションにもスマートに対処出来るよう専門家がレクチャーします!
教えてくれたのは…
西出ひろ子さん
マナーコンサルタント・美道家。『運のいい人のマナー』(清流出版)など、著書多数。
『知っておきたいマナーの基本』 マイナビ出版 740円
ビジネスからプライベートまでの基本マナーを網羅。
テーブル席の上座・下座
出入り口から見て真正面奥になる場所が上座。そのあとは入り口に近づくほど下座になります。
円卓の上座・下座
入り口から一番遠い席が上座。以下、入り口から見て左、右、左、右という順に下座に向かう。
エレベーターの上座・下座
操作盤の前が最も下座。その後ろに最も目上の人。乗客が多い場合は無理にこの順にならなくてもOK。
タクシーの上座・下座
運転席の後ろが最上席。次が反対側のドアのそばの席。次が真ん中。助手席には最も下位の人が座り、支払いを担当。
車の後部座席の真ん中の席に目上の人を座らせてもいいの?
あの席に座らせていいの!?と迷ったことのある人は多いはず。実はまったく気にしなくてよく、むしろ目上の人の横にいちばん下の人が座るほうが失礼。もし気になるのであれば、真ん中に座る人に「真ん中でよろしいですか?」と確認しよう。
喫茶店などで他社の人を待つとき、通路を見渡しやすい奥に座っていい?
これは絶対ダメ! 手前に座って待ち、時間が近づいてきたら注意深く見ておくこと。顔が見えないと探しにくいのであればどの席にいるかを連絡するなどして、解決するしかない!
やむを得ず上座に座ったときはどう振る舞えばいい…?
ビジネスではNG。やむを得ずでも上座に座るという状況をつくらないことが大事。みんなが入っているとき、入り口の近くに立って待つなどして、自分が座るべき場所に行けるよう準備を。飲み会などカジュアルな場では「下座に行きます」と席を替わるのは逆に失礼。「本当に申し訳ありません。本日はこちらで」と謝るしかない! 先を見通す力は30代ならつけておくこと!
【30代のちょい足しマナー】
「大事なのは、スムーズに座ること。気をつかいすぎてああでもないこうでもないと待たせるほうが目上の方に失礼です。上座・下座のルールを破るほうがよさそうな場合は“私が奥でよろしいでしょうか”などとお伺いして、臨機応変に変更することも30代には求められます」(西出さん)
イラスト/長谷川ちひろ 取材・原文/東 美希 構成/倉田明恵〈BAILA〉 監修/西出ひろ子 ※BAILA2019年12月号掲載