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【中村アンが着るニットと文庫本】寒い日のあたたかな楽しみ。上質ニットと文庫本の最高の組み合わせ

連載「中村アンのハッピーモード」第10回のテーマは「ニットと文庫本」。これからの季節、小さくても確かな幸せは、上質なニットに包まれてぬくぬくと読書にふける時間。身も心も豊かにしてくれる価値あるニットを、それぞれの個性に合わせて選んだ文庫本を添えてご紹介。

とろけるニット

中村アン とろけるニット

うっとりするような上質なカシミヤニットで思わずうとうと。空想が広がる幸せな午後
カシミヤ100%ならではのやわらかな質感に、奥行きのある深いグリーンがマッチ。袖を通せば、ふんわりと至福のぬくもりに包まれる。着る人の年齢や体型を限定しないシルエットに、日常になじむ洗練されたシンプルデザイン、上質な素材使いを得意とするブランド・ヴィンス。とっておきのニットは人生を伴走するタイムレスピースになってくれる。ニット¥74800・ブラウス¥50600・パンツ¥58300/コロネット(ヴィンス) リング¥46200/イセタンサローネ(カラットアー)

『某』 川上弘美 著 幻冬舎文庫

『某』
川上弘美 著 幻冬舎文庫

人のかたちながら「誰でもない者」へどんどん転生
性も未分化なら染色体も不安定な存在、「某」の、アイデンティティをめぐる不思議な旅。高校生から女性外国人、赤ちゃんまで多様な人々に姿を変え、様々な愛の形態を知っていく。まるで人類の進化の歴史を早送りするかのような、夢見心地の読書体験を。

プレイフルなニット

中村アン プレイフルなニット

にぎやかな色彩に心が浮き立って、気がついたらもう夢中になっている。ユニークな表情に愛着がわく

様々な色彩を編み込んだ楽しげなニット。編み地から糸の端がひょこひょこと顔を出し、裾にはフリンジが躍る。デザイナーの幼少期の記憶から想像をふくらませたという一着は、フォークロアスタイルに通じるような、どこか懐かしいムードと、エネルギッシュな力強さが同居する。個性的だからこそ愛おしい。虜にさせてくれる存在。ニット¥42900/エボニー パンツ¥46200/エイトン青山(エイトン) メガネ¥34100/モスコット トウキョウ(モスコット)

『ホワイト・ティース』上・下  ゼイディー・スミス 著 小竹由美子 訳 中公文庫

『ホワイト・ティース』上・下
ゼイディー・スミス 著 小竹由美子 訳 中公文庫

混沌をユーモラスに。傑作移民小説、20年ぶりの復刊
インド系やカリブ海諸国からの移民が 多く住むロンドンのある町を舞台に、人と人とのつながりをカラフルに描き出す長編小説。多様性と調和などの頭デッカチなスローガンではわからない、異なる信仰や文化の混じり合う移民社会のリアルを、この小説で知って。

  

色気のあるニット

中村アン 色気のあるニット

そぎ落とされた潔さから生まれるセンシュアルなムード。服も言葉も、余韻に耳を澄ませて
濃いネイビーのノースリーブニットは、体を華奢に見せる細い肩線や、大胆にあいたバックスタイルが印象的。パッドつきで一枚で着られるのが実用にかなって嬉しい。直接肌に触れることを意識して、生地はなめらか。たとえば、ジャケットスタイルに知性のある色気を足したい、そんなときの切り札にしたい。ニット¥15400(プロタゴニスタ)・パンツ¥75900(アンスクリア)/アマン ピアス¥68200/エスケーパーズオンライン(ザ レタリング)

『えーえんとくちから』 笹井宏之 著 ちくま文庫

『えーえんとくちから』
笹井宏之 著 ちくま文庫

「さよならのこだま」の響く、美しい歌集に浸る
26歳でこの世を去った歌人の歌集には、鋭利さと優しさが混在する。「あとほんのすこしの辛抱だったのに氷になるだなんて ばか者」。あなたと私の距離がゆらめく歌の数々をじっくり味わえば、どこか精神が浄化されていく。未発表原稿も加えたベスト歌集。

未来のニット

中村アン 未来のニット

未知のファッションへのワクワク感とサステナビリティとの思いがけない出会いを体感
再生ポリエステルを活用し、ホールガーメントで廃材を極力出さない。一貫したサステナビリティへの取り組みと高いクオリティで注目を集める新進気鋭のブランド。凹凸のあるニットは古代ギリシャのイオニア式の柱に着想を得たもの。3Dコンピューター・ニッティングの技術による構築的なシルエットは、近未来SFのような雰囲気も魅力。なんと自宅で洗濯可能。ニット¥40700/CFCL デニム¥30800/イレーヴ メガネ¥36300/アイヴァン 東京ギャラリー(アイヴァン)

『生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作集5』ケン・リュウ 著 古沢嘉通ほか 訳 ハヤカワ文庫

『生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作集5
ケン・リュウ 著 古沢嘉通ほか 訳 ハヤカワ文庫

問題解決の糸口を模索する人々の葛藤を、SF作品で
「紙の動物園」で一躍世界的作家となった著者のSF短編集。悪い過去を消し、よりよい自分として生まれ変われる異星人との共生のなかで、人間が「自分とは何か」を問い直す表題作ほか、ベトナム少女の不思議な運命を描いた詩情あふれる作品など、全12編収録。

休日のニット

中村アン 休日のニット

リラックス気分のお休みの朝。お気に入りのフーディを着て、文庫本と一緒にどこへ出かけようか
ローゲージ編みの豊かな表情に心惹かれるニット。柔らかな“もこもこ”に埋もれる喜びは、この季節の特権に違いない。両袖と前身ごろ全体を使って表現されたJWAの特大ロゴが、面積の広いニットをリズミカルに魅せるアクセントに。フードについた極太のマリンロープは、顔まわりにさりげなく愛嬌を加えてくれる。ボリュームのあるニットとは対照的に、落ち感のきれいなスカートを合わせて。ニット¥104500・スカート¥66000/三喜商事(JW アンダーソン)

『ウマし』 伊藤比呂美 著 中公文庫

『ウマし』
伊藤比呂美 著 中公文庫

好きなものをただ好きなように食べる、その幸せ
アメリカ西海岸と熊本、東京を長らく行き来してきた詩人は、食とその時々の思い出をエネルギッシュに語る。アメリカでスモウと呼ばれるデコポン、娘と食べたパンケーキ、老舗のうな重、禁断のエナジードリンク……。生きる活力がぐっと刺激されるエッセイ集。

端正なニット

中村アン 端正なニット

凜と背すじが伸びる襟つきのニットを着たくなる日がある。ページをめくり初心に返るみたいに
ハンガーにかかっているときは少し地味だけど、袖を通せばわかる美しさ。コットン100%のハイゲージリブニットは、生地に適度なハリがあり、ボディラインとの距離が絶妙。そこに生まれるほどよい緊張感が、襟つきニットの端正なたたずまいを後押しする。かなり長く設計された袖丈、大きめの襟に対して控えめなボタンと前立て、洒落たショルダーラインの位置。細部まで研ぎ澄まされた美意識が、日常着に心地いい刺激をくれる。ニット¥33000・スカート¥44000/オーラリー

『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』シモーヌ・ヴェイユ 著 今村純子 編訳 河出文庫

『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』
シモーヌ・ヴェイユ 著 今村純子 編訳 河出文庫

美には呼びかける声がある―。夭折の思想家が遺したもの
第二次世界大戦前から活躍したフランスの女性思想家の、自らの工場労働の経験や戦争も踏まえて紡いだ、美や不幸についての思考の軌跡。「力の支配を重んじなければ、愛することも正義であることもできない」。普遍的で、純度の高い言葉に触れることのできる一冊。

撮影/尾身沙紀〈io〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/佐藤佳菜子 モデル/中村アン 選書・原文/江南亜美子 ※BAILA2021年11月号掲載

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