近くにいると心地がよくて、控えめなのにいざというときに頼りたくなる、そんな「圧はないけど、芯はある人」になるには? 教育学者の齋藤孝先生が、相手から信頼される“聞き方”について分析。
圧はないけど芯はある人の聞き方
1.リアクションして共感しながら聞く
「ほほえむ、うなずく、あいづちを打つ、かるく驚くなど身体表現を使って相手にリアクションをして共感しながら話を聞くのが圧のない人の特徴。逆に無表情で腕を組んだり、何も反応しないと相手に圧を感じさせてしまいます」
2.選択肢を用意した答えやすい質問をする
「『どう思う?』『どうすればいい?』といった相手が答えに困る質問は、それ自体が圧になる可能性も。状況を要約した上で『この選択肢の中でどれがいいと思いますか?』と聞かれたら、誰でも自分の意見が言いやすいですよね」
たとえば…
相手に悩みを相談 されたとき
解決策を押しつけるのではなく相手が考えやすいよう問題点を整理する
「『そもそも、初期対応が間違ってたのでは?』と悩みの原因を追求したり、『こうするべき』と固定的な解決案を押しつけることは圧につながります。話を聞いて共感し、問題点を整理するくらいがちょうどいいですね。話しているうちに相手の心が定まってくることもあると思います」
教育学者
齋藤 孝さん
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著作家、文化人として多くのメディアで活躍。
イラスト/秋葉あきこ 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年2月号掲載