圧がある人と圧がない人の違いとは? 芯はどこから生まれるの?教育学者の齋藤孝先生に分析いただき、具体的にどんな特徴があってどんなコミュニケーションをする人なのか、その実像をひもときます。
圧はないけど芯はある人の話し方・伝え方
1.断定・命令・否定を避けてポイントを3つに整理する
「相手に圧を与えないために『〇〇だ』→『〇〇という可能性があります』、『△△しないと△△できません』→『△△すると△△できます』などポジティブに転換する語法の活用を。どんな話もポイントを3つに整理して話すと本質をとらえた芯のある話し方になります」
2.前向きで提案型の相手が理解しやすい言葉を選ぶ
「物事が前に進むよう提案をする気持ちで、生産的でポジティブな言葉を選ぶといいですね。会話の中で相手を傷つけないために、相手と自分との共通理解を増やした上で、誰に聞かれても大丈夫なわかりやすい表現を心がけると誤解を避けられると思います」
たとえば…
相手にミスを指摘 するとき
向かい合わず間に資料を置いてミスを防ぐシステムをともに考える
「個人のミスは必ず起こるので、『間違いを防げなかったシステムの問題を改善したい』という立場で話すといいですね。お互いが共通認識できる資料を挟んで斜めに座ると穏やかに話せると思います」
たとえば…
相手に自分の考えを伝える とき
対立させず、相手の意見をアレンジ。紙にまとめるのも◎
「たとえば意見の異なる上司には、提案をA4一枚の紙にまとめたり、メールで文字にして冷静に伝える方法も。相手の考えをベースにしつつ発展させるかたちで意見を提案すると受け入れてもらいやすいです」
教育学者
齋藤 孝さん
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著作家、文化人として多くのメディアで活躍。
イラスト/秋葉あきこ 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年2月号掲載