BAILA読者が気になるアラサーからのダイエット。今回はダイエットの名医と呼ばれる工藤孝文先生に、生活習慣で痩せる方法を教えていただきました。逆に太ってしまう原因でもある生活習慣。しっかり見直しましょう。

工藤内科医師 工藤孝文先生
工藤内科にてダイエット外来を担当。『工藤孝文式 神ダイエット』(辰巳出版)など著書も多数。
Q81 早食いすると、やっぱり太る?
A はい。満腹中枢が刺激されるまでに食べすぎてしまうから太る
「食べ始めてから脳の満腹中枢が刺激されて“もうおなかいっぱい”と感じるまでには20分かかります。早食いするとそれまでの間に食べすぎてしまい、太ってしまうのです。よくかんでゆっくり食べて」
Q82 夜遅く食べるとなぜ太るの?
A 脂肪を増やすBMAL1(ビーマルワン)遺伝子の活動が高まるから

「体には体内時計をつかさどる“BMAL1”という遺伝子が備わり、この遺伝子には脂肪を増やす働きが。BMAL1が活発に働くのは22時から深夜2時。そのため、夜遅くに食べると太りやすいのです」
Q83 無意識のうちに、つい間食。どうしたらやめられる?
A 目につく場所に食べ物を置かない
「テーブルの上など、目につきやすい場所に食べ物を置いておくと、つい食べてしまいます。食べ物は出しっぱなしにせず、必ず見えないようにしまっておきましょう。また、買い置きも避けて」
Q84 仕事で夕食が遅くなりがち。 太らないためには?
A主食を18時までに食べ、帰宅後はおかずのみにする「分食」がカギ

「夕食が遅くなる場合は、ご飯などの主食は18時までに食べ、帰宅後はおかずだけにしましょう。18時までに食べるのが難しければ、21時までに主食を少なめに食べ、帰宅後はおかずのみに」
Q85 味が濃いものが大好き。どうしたらいい?
A だしをとって、デブ味覚から痩せ味覚に変える
「おすすめなのがだし。だしに多く含まれるうまみ成分のグルタミン酸は、快楽ホルモンのドーパミンに近い働きをするので、だしを飲むと濃い味でなくても満足できます。これを2 週間続ければ、自然と“デブ味覚”が“痩せ味覚”に変わります」
Q 86 朝食を抜くと痩せる?
A 逆に太りやすくなります
「朝、起きたときは飢餓状態。朝食をとらないと代謝が上がらず脂肪 が燃えにくいままで、その状態でいきなり昼食をとると血糖値が急激に上昇。するとインシュリンが過剰分泌されて食べたものが脂肪としてため込まれ太る原因に。朝食は抜かずにとりましょう」
Q87 ストレスでドカ食いしがちです…
A 食べてOK!ただし鏡の前で

「食べるのを我慢するとストレスでさらなるドカ食いを招くので食べてOK。ただし鏡の前で食べて。ドカ食いする自分の姿にショックを受け、自然に食べる量が減ります」
Q88 同棲している彼が大食いで、 ついつられてたくさん 食べてしまいます
A 大食いは感染します。彼と一緒に食事改善を

「人は食事量を相手に合わせる性質があるので、大食いの人と一緒に食べると、自分も大食いになる傾向が。逆に、少なめに食べればそれも感染するので、彼と一緒に食事量を抑えましょう」
Q89 痩せる食べ順とは?
A「ミートファースト」がおすすめ
「食欲を抑える痩せホルモンの“GLP-1”は体内でつくられますが、GLP-1を増やす食材をとれば効果がアップ。それが肉で、①肉、②野菜、③炭水化物の順で食べるとGLP-1が出やすく、痩せ体質に」
Q90 お米が大好物。太りにくい食べ方ってある?
A 冷たい状態で食べる

「ご飯の糖質は、冷えると、消化されにくい“レジスタントスターチ”という糖質に変化し、血糖値の上昇が緩やかになるので、太りにくくなります。コンビニおにぎりもそのまま食べて」
Q91 おなかがはち切れそうになるまで 食べちゃいます。セーブするには?
A 青いお皿で食べすぎをセーブして

「たくさん食べないと満足できない人は、視覚で脳をだましましょう。見た目の量が多く見えるようにお皿を小さくすれば少量で満足できます。また、青系の色は食欲減退効果があるので、お皿の色を青にするのも◎」
Q92 食べすぎちゃったときのリセット法って?
A ヨーグルトや酢の物、ビタミンB群(卵や豆など)でリセットを
「食べすぎてとった余分なエネルギーは、いったん肝臓に運ばれて約48時間ストックされるので、この間に食べすぎたぶんをリセットすればOK。食前に、血糖値の急上昇を防ぐヨーグルトなどの乳製品や酢の物をとったり、糖質や脂質の代謝を促すビタミンB群を含む食品をとるのがおすすめ。ビタミンB群は卵や豆などに豊富です」
Q93 海外ドラマを見ながらひとり晩酌が止まらない!
A ながら食いは、食べたものを体が認識せず、臓器も働かないので太ります

「動画やテレビなどを見ながら食べたり、お酒を飲んだりすると、食べたり飲んだりしていることを体が認識せず、 食べすぎ・飲みすぎしやすく、臓器もきちんと働かなくなるので太りやすくなります。なるべく避けること」
Q94 秋〜冬は食欲が増すってホント?
A “冬季うつ”になり、炭水化物をとりたくなります
「10〜2 月ごろは日照時間が減り、太陽光を浴びることで分泌が高まる“幸せホルモン”のセロトニンが減るため、“冬季うつ”になることがあります。甘いものをとるとセロトニンが増えるので、甘いものを食べたくなり、食欲が増すのです」
Q95 生理前は甘いものを食べたくなります。誘惑に勝つには?
A 3時間おきの小食で血糖値を安定させる
「生理前は血糖値が急激に下がりやすく、体が糖質を欲しやすくなります。おすすめは、1 回の食事量を減らし食事回数を5 〜6 回に分け、3 時間おきに炭水化物を含む食事を少量ずつとる方法。血糖値が安定し、甘いものの誘惑から解放されます」
Q96 痩せる眠り方って?
A 寝る前に入浴やストレッチをし、睡眠時間は7時間に
「睡眠時間が4 時間以下の人は、7 〜9 時間の人より太りやすいというデータが。理想は7 時間なので、これくらいの睡眠時間は確保を。寝る1 時間ほど前に入浴をして体温を上げると、体温が下がるときに自然に眠気がもたらされ、またストレッチをすると副交感神経が優位になり快眠できます」
Q97 痩せる入浴法ってある?
A 高温反復浴が効果的
「痩せ効果が高いのが40〜42℃の熱いお風呂に出たり入ったりする高 温反復浴。まず水分補給をし、全身浴3 分、上がって休憩5 分を3回繰り返し、最後に上がって水分補給を。熱いお湯が血液やリンパの流れを促し、代謝がアップ」
Q98 スーパーに行くと、つい食べ物を買いすぎるクセが。いい対策は?
A 空腹の状態で買い物に行かない

「空腹時に買い物に行くと、見たものすべてがおいしそうに見えて買いすぎるのでNG。ガムをかみながら行くと満腹中枢が刺激され、買いすぎ予防に。事前に買う物をきっちり決めて行くのもおすすめ」
Q99 腸内環境を整えるとなぜ痩せるの?
A 痩せホルモンが増えるから
「食欲を抑える“痩せホルモン”のGLP-1は、腸から分泌され、食物繊維をしっかりとって腸内環境が整うと増え、痩せやすくなります。海藻や、いも類、豆類などの食物繊維をとって」
Q100 運動が苦手。 こんな私でも痩せられる?
A 日常の動作を活発にするだけでも痩せます

「30分のランニングを月4回するより、平日に毎日電車で立つほうが消費エネルギーは高め。日常の活動量を増やせば消費エネルギーが増え、運動なしでも痩せます」
撮影/酒井貴生〈aosora〉(人)、藤澤由加、細谷悠美(物)、伊藤奈穂実(物) イラスト/つぼゆり、サイトウユウスケ、佐藤ワカナ 取材・原文/野崎千衣子 構成/内海七恵〈BAILA〉 撮影協力/UTUWA ※BAILA2020年11月号掲載
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