きちんと手をかければ、髪はこたえてくれるもの。セルフケアを見直して、ツヤめく美髪を育てよう。今回は、おうちケアのNG行動をプロに教えていただきます。「シャンプー前は髪をさっと濡らすだけ」「タオルドライでごしごし」など、実は日頃やっているかも…という人は少なくないはず。
教えてくれたのは
田村マナさん
美髪アドバイザー。独自の美髪メソッドを考案し、講演活動やメディア出演など幅広く活躍。
ツヤが遠ざかる「NG行動10」
《NG1》シャンプー前に髪をさっとぬらす
「髪や頭皮をしっかり洗浄するには、シャンプー前の準備が重要! ブラッシングで髪表面や毛穴の汚れをかき出し、1〜2分かけて予洗いを。毛髪を洗うだけでなく、手のひらにためたお湯で頭皮を温め、毛穴をゆるめるのがコツ。このプロセスだけで約8割の汚れが落とせます」
《NG2》ロングヘアだからシャンプーは多めに
「シャンプーは地肌を洗うものなので、毛量や長さに合わせて大幅に量を変える必要はありません。ショートの人が量を減らすのもNG。泡立たないからといって量を増やすと、すすぎ残しの原因になることも。予洗いがしっかりできれば、泡立ちもアップしますよ」
《NG3》頭皮マッサージのためゴシゴシ力を入れて洗う
「顔と頭の皮膚はつながっているので、肌と同じで摩擦は厳禁。クレンジングするようにやさしくマッサージを。下から指を通し、頭頂部に向かってすべての毛穴に触れるイメージで洗っていきましょう。最後に指の腹で頭皮をしぼり、毛穴に詰まった皮脂を押し出して」
《NG4》トリートメントの成分を残すため軽めに洗い流す
「洗い残しはトラブルのもと。髪質も弱くなってしまうのでしっかりすすいで。トリートメント成分を浸透させるには、ホットタオルを巻いて5分ほどおくか、毛束をねじるテクが有効。ちなみにトリートメントは毛髪を修復するものなので、頭皮に塗る必要はなし」
《NG5》流すときはシャワーを固定し、下を向いて
「シャワーが固定されていると、表面しか流せないので×。シャワーヘッドを持ち、手のひらにお湯をためながらいろんな方向から地肌を洗い流してあげることが大切です。また、下を向くと首から頭皮への血行を妨げてしまうため、正面を向いてすすぐのがベター」
《NG6》手にとったヘアオイルを髪につけながら全体に広げる
「1カ所についたオイルを全体に広げるのは難しく、髪をこすることになって摩擦ダメージが生じてしまいます。手のひら全体にオイルを広げてから、パサつきやすい毛先や髪表面を重点的になじませていきましょう。根元から塗布するのも、ベタついて見えるのでNG」
《NG7》タオルドライをしっかりしたいのでゴシゴシ乾かす
「ゴシゴシこするのは絶対に厳禁。タオルドライに時間をかけると、キューティクルが開いたまま固定してしまって髪がパサパサに。吸水性のいいタオルでかるくたたき、水滴がしたたらなくなったらドライヤーで乾かして」
《NG8》ドライヤーをあてながら、髪を振って素早く乾かす
「早く乾かすために髪をバサバサ振ると、摩擦でキューティクルが乱れるので注意。ドライヤーを上から下に動かし、手ぐしで毛流れを整えながら風をあてて。温風で8割方乾かしたら、冷風でキューティクルを締めるとツヤが出ます」
《NG9》冬は汗もかかないし、洗う頻度は2日に1回
「気温が低い冬は皮脂が固まりやすく、毛穴が詰まった状態になりがち。毎日洗髪して、皮脂をしっかり取り除くことが大切です。また、冷えによって頭皮の血行も滞りやすいので、シャンプー時に地肌のマッサージも意識すると◎」
《NG10》朝に髪を洗い、寝ぐせを取ってスタイリングする
「洗髪後の髪は刺激に弱いため、直後に紫外線や外気を浴びる朝シャンは避けて。また、髪は就寝中に伸びるので、夜の洗髪で血行を促進させるのが◎。ショートヘア以外は、枕の上に髪を上げて寝ると摩擦を軽減できるのでおすすめ」
イラスト/itabamoe 取材・原文/真島絵麻里 構成/三橋夏葉〈BAILA〉 ※BAILA2021年2月号掲載
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