「いびきは、睡眠中に空気の通り道である鼻やのどの狭い部分に空気がぶつかり、粘膜が振動しておこる異常な呼吸音のこと。これは、笛のメカニズムとほぼ同じなんです。ではなぜいびきをかくかというと、睡眠中は全身の筋肉がゆるむとともに、舌やのどちんこを支えている軟口蓋がのどの奥に落ち込んだり、また横になることで鼻の粘膜がうっ血したりして、鼻やのどの気道が狭くなるからなんです。また、鼻よりものどでかくほうが大きめで低音ですから、自分がどちらでかいているかの判断基準にしてみてください」
「バイラ世代で考えられるのは、アレルギー性鼻炎や花粉症などによって鼻粘膜が腫れたり、睡眠中に口呼吸になっていることがいちばんの原因。次には、肥満でのどの周囲に脂肪がたまり気道を狭くしていること、続いて下あごが小さかったり鼻腔が狭いといったもともとの骨格によるものが大きいと考えられます。あごの狭さなどは、親からの遺伝も大きいですね。ほかにも心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化などを招く無呼吸症候群などの病気がひそんでいるケースもあるため、慢性的な場合には耳鼻咽喉科での検査をおすすめします」
「アルコールは鼻の粘膜を充血させて鼻の通り道を狭くしますし、舌を支える神経をまひさせて舌がのどに落ち込みやすくなることがわかっています。一方で疲労やストレスは、普段よりも酸素を多く必要とするために口呼吸になりやすく、また体が休息を欲するために筋肉がいつも以上にゆるむことに。ただ、飲酒や疲労などの影響があっても、いびきをかく要因をもっている『隠れいびき症』の人しか、いびきはかかないもの。お酒のせい、疲れのせいとは言い切れないのでご注意を」
「そもそも、睡眠は日中活動した脳と体を充分に休息させるためのもの。ですが、いびきで呼吸量が減ると、その酸素不足を補おうと体は心拍数を上げるなど、体に負担がかかります。また気道が狭くなり無呼吸になると、睡眠中も覚醒しやすい状態に。その結果、強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされやすくなり、日中の活動にも影響が出てきます。"眠れない夜には寝酒をする”という方もいるかもしれませんが、いびきの観点からもやめたほうが無難ですね」
Q いびきに気づくには?
A 睡眠レコーダーアプリでチェックがおすすめ
「まず携帯のカバーを外し、ちょうどパートナーが寝ている位置あたり、腕を伸ばした際の半分ぐらいの位置に置いて録音してみてください。人に聞こえている目安がわかります。自分の枕元すぐに置いてしまうと音に驚くのは当然ですからね」(竹腰先生)
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