ヨガインストラクターの松原麻衣さんが提案する、初心者歓迎の簡単ヨガをシーン別にご紹介。朝、昼、夜に10分行うだけで体も心もスッキリ! 凝り固まった体をほぐして毎日を穏やかに過ごすためのメソッドをぜひお試しを!
教えてくれたのは、ヨガインストラクター松原麻衣さん
【松原麻衣(まつばら まい)】
peacebergstyle所属のヨガインストラクターで、BAILA読者モデル“スーパーバイラーズ”としても活動。提案する「体が心地よく開くヨガ」は初心者でも取り入れやすく、楽しみながら続けられると評判!
ベッドでできる<朝のヨガ>
心地よく体を目覚めさせる「朝のヨガ」。起床後にベッドで10分行うだけで、体も心も1日スッキリ!
①目が覚めたらベッドの中で、両手を頭の後ろに置いて深呼吸
朝目が覚めたら、仰向けになりリラックスした状態で両手を頭の後ろへ。そのまま5秒ずつかけて「鼻から息を吐く→鼻から吸う」を10回繰り返す。鼻から吐くのが苦しい方や今日はリラックスしたいという方は、口から吐いてもOK。この時、息を吐くタイミングで爪先を遠くに、吸うタイミングでかかとを蹴り出して爪先を自分の方へ向けると全身が伸びて心地良い。最後はゆっくりと呼吸しながら足首をぐるぐる回して。
②うつ伏せになり股関節周りをストレッチ
四つ這いの状態になり、脚を肩幅より広い位置に置いたら、体の中心で足の親指同士を合わせて。お尻をかかとにつけるようにぐっと落として、あごを床、もしくはおでこを床につけた状態をキープ(写真)。10秒ほどこのままで、ゆっくりと呼吸を繰り返す。
股関節周りをゆるめることで背中がスッキリする上、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節である、仙腸関節痛の予防にも。
③背骨のストレッチで自律神経を整えて
四つ這いの体勢のまま、膝は腰の下、肩の真下に手首が来るようにセット。この時足の爪先は立てて。
①そのまま、吸う息で目線を上に向け、胸を開いていく。お尻の先もきゅっと上を向くよう意識(写真上)。お腹の力は入れたまま、腰をそらすのではなく、体の前面をストレッチするイメージ。耳と肩が近づかないように肩甲骨を下げ、肩と耳のスペースを保つ。胸を意識しながら息を吸い切るまでキープする。
②今度は吐く息で目線をおへそまで下げ、胸を閉じていく(写真下)。背中を天井に近づけ、肩甲骨を左右に引きさいていく。お尻の先は床に向けて。骨盤を意識しながら息を吐ききるまでキープする。
呼吸と共に背骨を滑らかに連動させて、①②を5セット繰り返す。息は止めないように注意して。
最後はお尻で円を描くように、股関節周りを刺激する。
④胸を大きく開くことで気持ちも前向きに
四つ這いの状態から、片方の脚を前に出して両手の間にセット。もう片方の脚を下げ、甲を床につける。
吸う息で上体を起こして、そのまま両手を天井に。呼吸を続けながら、立てている脚のお尻を後ろに、引いている脚の付け根を前に押し出していくようなイメージ(写真)。
前の膝がつま先より前に出ないように注意する。かかとの真上に膝がくるように。両脇を均等に伸ばし胸の開きを意識して、目線は天井へ。
⑤体がポカポカと温まる”トカゲのポーズ”でフィニッシュ
前に出した脚を肩よりも外側に動かして、両肘を床につく。呼吸を続けながら、おでこを手の上に(写真)。立てた脚の側のお尻が前に出すぎないように注意。呼吸を続けながら10秒キープ。左右を入れ替えて同様に行う。
お尻のストレッチ、股関節の柔軟さ、座骨神経痛や仙腸関節痛の予防に効果あり。体がポカポカと温まるので、朝だけでなく寝る前にもぴったり。
一連の動きを詳しく見られる、松原さんの実演動画もチェック!
2.リモートワークの体のコリをほぐす<昼のヨガ・上半身編>
デスクワークで凝り固まった体をほぐす「昼のヨガ」上半身編。お昼休憩に5分行うだけで、午後からの体も頭もスッキリ!
①体を伸ばして、デスクワークで凝っている肩をほぐす
あぐらをかき、左右のお尻が流れないようかきあげたら、体の中心でかかとをそろえる。指と指を絡め、手のひらを返して天井へ。吸う息で背骨を伸ばして、吐く息で左に倒れる。この時右のお尻が浮かないように注意。吸う息で真ん中へ戻り、吐く息で反対側へ体を倒す。
左右それぞれ5回ずつ行い、吸う息で真ん中へ戻ったら、天井に向けて両脇をうんと伸ばして最後にひと伸び。
②“鷲のポーズ”で首~肩甲骨まわりをストレッチ
左手を右脇の下、右手を左肩に軽くのせ、肘同士を体の中心で合わせる。そのまま手を立ててクロスさせ、手のひら同士を合わせる。難しい場合は甲同士を合わせるだけでもOK。
③吸う息で腕をアップ、吐く息でダウン、を繰り返す
息を吸いながらゆっくりと腕を上げて行き、上がりきった状態で5秒キープ(写真左)。吐きながらゆっくり腕を下げていき、同時に背中を丸めて指先を体から遠くに離すように伸ばしていく(写真右)。呼吸を意識しながら、アップダウンを5回繰り返す。
終わったら、左右の手を入れ替えて同様に5回行う。
④ゆっくりと呼吸をして、胸を開いて上半身を柔らかく
両手を背中の後ろで組み、吸う息で視線を上げ、胸を開いていく。そのまま数回呼吸を繰り返す。
⑤最後は首回りをほぐしてフィニッシュ
最後に背中の後ろで互いの肘を持ち、吐く息で首を右肩に寄せる。呼吸を続けたまま5秒キープ。反対側も同様に。左右5回ずつ繰り返せば、デスクワークで凝り固まった首〜肩がスッキリ!
一連の動きを詳しく見られる、松原さんの実演動画もチェック!
3.在宅ワークで疲れた体のコリをほぐす<昼のヨガ・下半身編>
デスクワークで凝り固まった体をほぐす「昼のヨガ」下半身編。お昼休憩に5分行うだけで、午後からの体も頭もスッキリ!
①まずは股関節をほぐすストレッチから
両脚を伸ばしてお尻の肉をかきあげ、かかとを蹴り出す。右足を体に引き寄せて両腕で抱えるようにして、床から並行に左右に揺らし、股関節周りをほぐしていく(写真上)。
10秒ほどそのままゆらしたら、右足の内側のくるぶしを上に向けて左ももにのせる。両手をお尻の後ろにつき、左足を曲げる。呼吸は続けながら、右足の膝をぐっと体から離すように外側に開いていく(写真下)。
②ウエストにきく、上半身をねじるポーズ
左脚を床に戻して、右の足を左脚の外側にセット。左のかかとを蹴り出したら、右手をお尻の後ろにつく。一度左腕を上げ、左の肘と右の膝をかけていく。息を吸いながら右手で床を押すようにして、骨盤を立てて背骨を長く伸ばすイメージでポーズ。吐く息で、上半身を後ろにねじっていく(写真)。吸う息で頭頂を天井に伸ばし、吐く息でまた上半身を後ろにねじる。これを10回ほど繰り返す。
デトックスやウエストシェイプに効果あり。※生理中は避けてください。
③脚の裏全体に効くストレッチでフィニッシュ。一連の流れを反対の脚も同様に。
右足を左脚のももの付け根辺りにかける。右膝は床へ、左脚のかかとは蹴り出した状態をキープ。吸う息で両手を上げ両脇を均等に伸ばしたら、吐く息でお腹とももを近付けていく。呼吸を続けながら両手を床につき、左脚の後ろ全体を伸ばしてストレッチ。吸う息で、背骨を一つずつ積み上げるイメージで上体を起こしていく。一連の流れが終わったら、左右の脚を入れ替え、逆も同様に行う。
一連の動きを詳しく見られる、松原さんの実演動画もチェック!
4.入眠がスムーズになる<夜のヨガ>
心地良い眠りに誘う「夜のヨガ」。入眠前にベッドで10分行うだけで、体も心も穏やかにぐっすり!
①まずは“うさぎのポーズ”で頭頂部を刺激して
両手を床についたら、おでこをできるだけ遠くの位置に下ろす。吸う息でお尻をぐっと上げて、頭を床の上で前後左右に揺らし、10秒ほど頭頂部を刺激する(写真)。動きを止めたら、余裕のある人だけそのまま両手を後ろで組んで、吸う息で天井に向けてアップ。(※この際、目線と頭は絶対に動かさないように。途中で動かすと首を負傷する恐れがあります)
この”うさぎのポーズ”は、目の疲れを取ったり、肩こりの改善、頭痛改善などに効果あり。
②“ねこのポーズ”で肩コリを緩和
四つ這いになり、脚は腰幅程度に開く。お尻から膝は真っ直ぐに。お尻の位置を変えないように、両手を前に滑らせ頭を下げていく(写真)。この際、おでこ、またはあごを床につける。余裕があれば胸も床に。腰を守るために、お腹はゆるめず力をキープ。呼吸を続け10秒ほど体勢をキープしたら顔を床から離し、少しずつ上体を起こしていく。
この”ねこのポーズ”は、自律神経を整えたり、肩コリの緩和、背中・胸・肩のストレッチに効果的。
③内もも・腹部・背中をストレッチ
両脚を伸ばして座ったらお尻の肉をかきあげて、右足の裏を左ももの内側にくっつける。左のかかとは蹴り出して。左手で左足をつかんだら、右手を上げて吐く息で左足の方に倒していく(写真)。呼吸を続け、余裕があれば胸と目線を天井に向ける。10秒ほどキープしたら、同様に反対側も行う。すべての動作は呼吸をゆっくりと深めていくイメージで。
④骨盤周りに働きかける“合蹠(がっせき)のポーズ”
足の裏同士をくっつけてお尻の肉をかきあげる。両足を包むように、両手を組む。一度姿勢を正したら、吐く息でお腹をももに近付けていく。背中が丸まる一歩手前で体勢をキープ(写真)。目線は自然に床を見て呼吸を続け、骨盤周りを意識。
”合蹠(がっせき)”と呼ばれるこのポーズは、骨盤調整、腰痛予防、鎮痛作用、股関節の柔軟に効果的。最後はリラックスした状態で上を向いて寝転び、ゆっくりと呼吸を整えたらそのまま目を閉じて入眠する。
一連の動きを詳しく見られる、松原さんの実演動画もチェック!
構成・文/山岸成実<BAILA>