“洒落見え”をかなえるカギとなるのが、服ファーストでメイクを合わせるバランス感。そこで連載でもおなじみの河北裕介さんと百々千晴さんのコンビが、この秋のトレンドと好相性の旬メイクを提案します。吉川愛さんをゲストに、この秋最高に洒落るバランス術を伝授!
1.モヘアニット×ベージュリップ
“白ニット×ベージュリップが地味にならず、肌映えもかなえてくれるなんて素敵!”
――吉川 愛
百々 ベーシックアイテムの王道、白のモヘアニット。どんなコーデにもハマるし、清潔感も出るから、秋冬の定番。今季は、あえて白ボトムと合わせてワントーンコーデしたいな。
河北 白いふわふわのニットなんて、ものすごく肌映えするよね。ほんのり赤みニュアンスを感じるベージュリップを合わせてとことん透明感を高めよう。
百々 そうだね。ここはアクセもパールピアスを合わせてさらにツヤを盛っちゃおう。ただし、甘くなりすぎないようネックレスはシルバーでメリハリをつけるのが今っぽいかな。
河北 白トップスは気をつけないと、ぼんやりしてしまう可能性があるからね。アクセでメリハリをつけるのはもちろん、赤みブラウンのシャドウで血色を足したりブラウンのインラインで締めたりすればバランスよく仕上がるよ。
使ったのはこれ!
みずみずしいツヤめきが持続。ナチュラルさと上品さが共存する洗練ベージュ。ルージュ ココ ブルーム 150 ¥5500/シャネル
OTHER ITEM
くすみや縦ジワもスムースにカバーするソフトマットな質感。カネボウ N-ルージュ 117 ¥4400/カネボウインターナショナルDiv.
唇の凹凸を均一に整え、軽やかな仕上がりがかなう。センサイ ラスティングプランプリップスティック LP06 ¥5830(セット価格)/カネボウ化粧品
ニット¥25300/アダム エ ロペ イヤリング¥66000・ネックレス¥95700/エスケーパーズオンライン(ソフィー ブハイ)
2.バルーンスカート×ニュアンスチーク
百々 ふんわりシルエットが可愛いバルーンスカートが主役。タイトなトップスと合わせがちだけど、より今年らしいバランスなのはボリュームたっぷりなニットとのコーディネート。このゆるっとしたシルエットが今っぽいし、こなれ感が出るんだよね。
河北 このラフなシルエットを生かすためにも、抜け感のあるメイクを合わせたいね。目もとはラインレスで引き算しつつも、ピンクのチークで甘さをプラス。ここでチークが目立っちゃうと子どもっぽくなってしまうので、あくまでも気配程度にとどめて。入れる範囲も広げすぎず、小鼻横からミニマムに入れるのが正解。
百々 キメキメじゃない雰囲気がいいね。ニットのベビーピンクとチークがリンクしていていい感じ。
河北 ザ・ピンクのチークではなく、温度感が上がりすぎないニュアンスピンクなのがポイント。肌に溶け込むようなカラーだから甘さと大人っぽさを両立できるよ。
使ったのはこれ!
チークとハイライトで表情豊かに。RMK ダンシング ディメンションズ フェイスパレット 01 ¥5500/RMK Division(11/2限定発売)
OTHER ITEM
スキンケア効果も備え、美しいツヤと血色をプラス。NARS アフターグロー リキッドブラッシュ 02800 ¥4620/ナーズ ジャパン
肌にスッと溶け込むような発色。アディクション ザ ブラッシュ ニュアンサー 102N(限定色) ¥3300/アディクション ビューティ
スカート¥13200/ユナイテッドアローズ カスタマーサービスデスク(マルゥ ユナイテッドアローズ) ニット¥26400/エイチ ビューティー&ユース ネックレス¥46200/ロンハーマン(インディアンジュエリー) 靴¥59400/アマン(ペリーコ)
3.ジャケット×スモーキーアイ
“ベーシックなコーデなのに、ひとくせ効いたアイメイクやアクセでおしゃれ上級者に!”
――吉川 愛
百々 今シーズンはジャケットが流行っているけど正統派の金ボタンの紺ブレは、やっぱり不動の可愛さがあるよね。白T+デニムの定番コーデも安定してキマる! タイムレスなデザインだから、ひとつは持っておきたいアイテム。
河北 ベーシックなアイテムだからこそ、メイクで差をつけたいね。赤リップでクラシカルに振るのではなくカーキやグレー系のスモーキーな目もとで仕上げるのが今っぽい。
百々 うんうん。シックでいい感じ!私はカチッとしたジャケットだからアクセサリーはパールを合わせてやわらかいムードもプラス。辛口のメイクとも相性いいね。
河北 メイクはジャケットとバランスをとってガツンと黒ラインを入れているんだけど、パールのまろやかさやTシャツやデニムのラフさが相まって、クールに振り切らず、上質な大人カジュアルに仕上がっているよね。
使ったのはこれ!
ニュアンスゴールドやカーキで遊べて、様々なシーン、ファッションでもキマる。&be パレットアイシャドウ スタンダードブラウン ¥3300/Clue(11/1発売)
OTHER ITEM
赤やゴールドのパールがきらめく深みブラウン。リクイド ラスター アイズ 04 ¥4070/SUQQU
単色でも重ねても、にごりなく美しく発色。保湿成分配合で、大人のまぶたにも優しい。オンブルクルール クアドリ 10 ¥9680(セット価格)/クレ・ド・ポー ボーテ
ジャケット¥46200・デニム¥28600(ネイル)/エストネーション Tシャツ¥12100/RHC ロンハーマン(RHC) ネックレス¥51700・ブレスレット¥31900/エイチ ビューティー&ユース(プリーク)
4.ゴールドアクセ×囲み目
“個性的なのに浮いていない。この絶妙なバランス感に学びがいっぱい!”
――吉川 愛
百々 定番中の定番のゴールドアクセ。だけど今季は、華奢すぎるものでも一個一個存在感があるものでもなく、その中間のボリューム感のものがベスト。重ねづけしてもどんなコーデやメイクにもハマって今の気分にぴったり。
河北 確かに、キツく見えがちな黒ラインでのガッツリ囲み目がちょうどいいバランスに仕上がるんだよね。アイメイクの強さに負けないけど、合わせても絶妙に派手見えはしない。
百々 本当だね! 囲み目なのに圧がまったくないし、コケティッシュに仕上がって可愛い。タイトなチェックワンピースとも相性バッチリ。
河北 ゴールドアクセの華やかさを残しつつも、やりすぎ感を出さないポイントは、まぶた上下をぐるりと囲んだ赤みシャドウ。黒ラインの強さをほどよくマイルドにして、うまーくこなれ感を引き出してくれるよ。そのほかのメイクはベージュ系でまとめてY2K感もひとさじ。
使ったのはこれ!
ピンクゴールドのパールやウォームピンクがにじむような血色感を宿す。クチュール ミニ クラッチ 500 ¥9900/イヴ・サンローラン・ボーテ
なめらかな使い心地なのにピタリとまぶたに密着。美しい仕上がりが続くWP処方。ディオールショウ オンステージ クレヨン ウォータープルーフ 099 ¥3960/パルファン・クリスチャン・ディオール
OTHER ITEM
スイートな雰囲気と大人っぽさが漂うセピアピンク。RMK シンクロマティック アイシャドウパレット 04 ¥6380/RMK Division
意志の強さを感じさせる漆黒ながらも、肌から浮かない独自の色設計。カネボウ シャドウジェルライナー SG1 ¥3520/カネボウインターナショナルDiv.
ピアス(左耳)¥52800・(右耳)¥52800・ネックレス¥694100・リング(左手人さし指)¥101200・(右手人さし指)¥121000・(右手薬指)¥88000/シハラ トウキョウ(シハラ) ワンピース¥83600/ロンハーマン(オーラリー フォー ロンハーマン) 靴¥79200/エイチ ビューティー&ユース(マリアム ナッシアー ザデー)
2023AWのトレンドって?
百々 今シーズンは、「これを着たらトレンド!」というよりも、ベーシックの再考って感じ。ジャケットや白のモヘアニットなどの秋冬の定番アイテムに新しいエッセンスを加えて、いかに進化できるかが鮮度アップのポイントかな。
河北 メイクも、「赤やブラウンのリップを塗れば今っぽい」みたいなわかりやすさはないけれど、チークの彩度が低かったり、ブラウン系シャドウでも透け感があったり、ややスモーキーなニュアンスが入っていたりと、質感や発色に新しさがある。だから新作コスメの力を借りれば、簡単に今季らしい顔になれるんだ。
百々 アクセサリーも同じくアップデートしてる! だからこそファッションは、アクセやヘア&メイクを加えたトータルでバランスをとることが大事なんだよね〜。ちょっとしたさじ加減で、着慣れた定番アイテムも新鮮に見える。
河北 それが洗練感や洒落感を引き出すポイントだよね。だから服を決めてからのメイクが大事。もしバランスがとりにくいと感じたら、一歩引いて鏡を見て。足し引きのバランスがとりやすくなるはず。
このメイクやコーデだとどんな女性像かな?と考えるのが楽しかった!ーー吉川 愛
Yusuke Kawakita
ヘア&メイクアップアーティスト。鋭い観察眼でその人の美しさを瞬時に見抜き、ミニマムメイクで最大限のよさを引き出す。
Chiharu Dodo
スタイリスト。シンプルながらも、その人のバックボーンと魅力がすっとのぞくようなエッジィなスタイリングを得意とする。
吉川 愛
女優。1999年10月28日生まれ。幼少期より数々のドラマに出演。ヒロインを演じた『ハニーレモンソーダ』では第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2023年10月に幕を開ける、舞台『レイディマクベス』に出演予定。
撮影/岡本 俊(人)、柳 香穂(物) ヘア&メイク/河北裕介 スタイリスト/百々千晴 モデル/吉川 愛 取材・原文/谷口絵美 ※BAILA2023年11月号掲載