スキンケアという習慣は実は幸せにつながる大切なひととき。新作コスメをチェックする前に、まずはモデル・大政絢をはじめ、「幸福学の第一人者」「禅を究めた僧侶」「美容エディター」の4人のスキンケア理論を心に留めておこう。
見て触れて、小さな変化に気づいてあげれば肌はどんどん愛おしい存在にーー大政 絢
トップス¥8800 /ソージュ オンラインストア
スキンケアは、自分をいたわってあげられる贅沢な時間。
季節に合わせて、その日の肌の様子を見て、
コスメのテクスチャーや香りを感じながら
お手入れをアップデートするのは、何よりの楽しみ。
今日は余裕があるから新しいケアを試してみよう、とか。
スキンケアを+1するのって自分の肌を好きになるための心地よいステップ。
ほんの数分のことなのに、毎日、朝晩の「好き」の気持ちが
肌も心も幸せにしてくれます。(大政 絢)
“幸福学の第一人者”前野さんが語る
博士(工学)
前野隆司さん
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授。著書に『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社)
幸せは自分で目指してつかむもの。スキンケアは幸せをつかむトレーニング
幸せは向こうからやってくるものではなく、自分から能動的に求めるもの。行動や考え方を変えることで幸せをつかむメカニズムは、科学的にも解明されており、朝晩のスキンケアは「幸せトレーニング」のチャンスです。スキンケアは、「もっとキレイになれる」という可能性を信じて、自分の肌を美しくする行為。今の化粧品は優れていますから、肌によい変化を感じて、成長や達成感が得られる可能性が。すると自己肯定感が上がり、ありのままの自分に自信がつくかもしれません。幸せになる方法は色々ありますが、一日の始まりと締めくくりに心の状態をよくするスキンケアは、その手がかりに。実際に、スキンケアする人は幸福度が高いことが研究でも明らかになっているんですよ。
“禅を究めた僧侶”町田さんが語る
僧侶・比較宗教学者
町田宗鳳さん
広島大学名誉教授。御殿場高原「ありがとう寺」住職。著書に『「無意識」はすべてを知っている』(青春出版社)ほか。
スキンケアは無意識への入り口。「ありがとう」の気持ちで肌に触れましょう
肌は「心の窓口」ですから、ストレスを抱えていたら吹き出ものやシワができ、黒ずむのも当然のこと。コロナ禍を経て不安材料は以前より増えてきていますから、ストレスに左右されない「心の軸足」を定めることこそ、美肌への第一歩と言えるでしょう。そのためには「無意識」、つまり心を静めて何かに集中する、瞑想のようなルーティンが必要。禅寺の座禅や作務のように、日々のスキンケアは「無意識」の入り口になり得ます。雑念を入れず、洗顔ソープを泡立てたり、クリームを優しくのばす行為に集中しましょう。そのときぜひ、自分への「ありがとう」の気持ちを込めて。感謝の気持ちは不安を取り払い、その人本来の美しさや能力を引き出してくれます。
“美容エディター”松本さんが語る
美容エディター
松本千登世さん
多くのメディアで美容指南。感性を重視し、心に寄り添うコスメ選びが、幅広い年代の共感を呼ぶ。
われを忘れて「わ~、幸せ♡」と思えるコスメに出会うことが、肌の未来を開きます
スキンケアの心地よさが“美肌効果”を引き出すことは、もはや常識。自分好みの感覚に出会って、それに没入することは、スキンケアで最も重要! コスメのテクスチャーや香りに「わ〜、幸せ♡」と心を開き、仕上がりに「イイね!」をつける。その積み重ねが、肌のポテンシャルを引き出します。バイラ世代は、先輩世代と後輩世代のはざまで、日頃から理性で感性を抑え込みがちだと思うんです。スキンケアのその瞬間は、毛穴やシワが果たして消えるのかという“ジャッジ”はほどほどに。素直に、やわらかく、自分の本能に従ってみて。
撮影/久々江満(物)、吉田 崇(人) ヘア&メイク/千吉良恵子〈cheek one〉 スタイリスト/門馬ちひろ モデル/大政 絢 取材・原文/小田ユイコ ※BAILA2022年12月号掲載