化粧品なんてどれも大して変わらない…、もしそう思っているとしたらあなたは将来、きっと後悔するだろう。20代から30代前半、コスメに多額の投資をしながら生かしきれなかった苦い経験をバネに、肌を本気で変えた美容家・石井美保という存在。彼女の頭の中をのぞいたら、化粧品の効かせ方が見えてきた！ 「化粧品の何を大切にしているのか？」を石井さんへインタビュー。
化粧品を試す前に肌の声を聞け！
過去の私がそうでしたが、流行りのコスメはいいコスメだとか、高いものさえ使っていれば一発逆転できるって思い込んで、そのときの肌にとって不要な役割のものを使いすぎてしまうんですよね。それでも結局ピンとこなくて、スキンケア迷子になる。いちばん大切なことは自分の肌を観察して、知ること。いい状態の肌がよくわからないという人は、一度、エステに行ってみて。継続しなくてもいいんです。プロに客観的に見てもらった肌質とそれに合ったお手入れの手技、圧のかけ方やリンパの流し方などに触れることが重要。自己流ではないスキンケアの正解を学ぶことは一生ものの価値があると思います。
肌に感動するような変化があるか
私がいい！と思う化粧品は、ずばり使って感動があるかないかに尽きます。手触りがなめらかになったか、肌の色がトーンアップしたか、キメが整って透明感が出たか、ふっくらと厚みがあるか……。スキンケアの都度、鏡を見て観察。毎日、肌の声を聞いているから、仔細な違いにも気づき、そのいい変化に感動できる。もし、鏡も見ずに自分の肌に無頓着でいるとしたら、どんなにいい化粧品もそのよさに気づけず、スルーしてしまうのでは？
あなたが感動しないのは本当に化粧品のせい？
「石井さんが勧めているものを使ったけど、そこまで感動しなかった」と言われることがたまにあります。多分、その人の肌はその化粧品のよさを感じとれるほどには健やかな状態ではないからだと分析します。保湿してもすぐに乾燥する、すぐ赤みが出るといった肌に、エイジングケアの最高峰のものを使ったとしてもいい効果は引き出せません。むしろ逆効果になることもありえます。ゆらぎにくく健やかな肌の状態をゼロ地点とすると、ゼロを1や2に引き上げていくスキンケアの前に、マイナスからゼロ地点まで持っていくケアが必要なんです。
マイナスからゼロ、ゼロからプラス。スキンケアには2つのカテゴリーがある
ちゃんと化粧品のよさを実感できるゼロ地点に引き上げるスキンケアはとにかく地道。洗いすぎをやめて、バリア機能を立て直し、24時間乾かない肌を目指すもの。劇的に何かが変わるわけじゃないからすごく楽しいかと言われるとなかなか難しい。でも効かせる肌を目指すなら、ここにいちばん注力してほしい。健やかな状態がキープできるようになったら、感動をもたらしてくれるゼロからプラスのスキンケアへ移行するとよいと思います。
スカート￥49500／ツル バイ マリコ オイカワ ピアス￥11000・イヤカフ￥50600／ナチュラリジュエリ新宿髙島屋（ナチュラリジュエリ） その他／スタイリスト私物
撮影／柴田フミコ ヘア／宮本由梨 スタイリスト／青木宏予 取材・原文／平 輝乃 ※BAILA2024年6月号掲載
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