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【アートレポ】森美術館『マシン・ラブ』展に行ってみた!

こんにちは、スーパーバイラーズの前川はるなです。

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 森美術館で開催中の『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』を観に行ってきました。

最初は「ラブ?ゲーム?何だろう?」と思っていましたが、実際に作品と向き合ってみると、感情や人間らしさがたくさん詰まっていました!マシンを通して、自分という人間を逆照射されたような感覚になりました。考察もしてみたので、ぜひ観賞の参考にしてくださいね。

目次

  1. 『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』
  2. 人間と「マシン」に着目した約50点の作品
  3. 見どころは?映像作品に注目!
  4. 自分なりに「マシン」との向き合い方を考える

『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』

森美術館

 会場には、12人のアーティストによる約50点の作品が展示されていて、AI・ゲームなど最新技術を使った没入型の空間体験ができる作品も多かったです。

人間と「マシン」に着目した約50点の作品

森美術館

最初に迎えてくれるのはティーザーにもなっている、ビープルさんの「ヒューマン・ワン」。回転するボックスの中でメタバースで生まれた人物がひたすら歩き続けるデジタル作品です。ビープルさんが「生涯アップデートし続ける」というこの作品は、今回の展覧会用に第6章が新しく追加されているそう。この人物、少々お疲れ気味に見えるのは気のせいではありません!カワイイキャラクターが見え隠れする背景をよそに、ボロボロになっても歩き続けるー楽しく理想的であるはずの仮想空間の中で、休むことなく前に進み続けるよう求められている姿に、私たち自身が重なるように感じました。

森美術館

こちらは佐藤瞭太郎さんの作品。ゲームや映像制作で使われる既製の3Dアセットを組み合わせ、現実と虚構が交差するような異空間的風景を描いています。映像作品もあり、人間ではない物体が動くことの不気味さ、絶えず生み出され消費されていくやりきれなさ、制御不能なスピード感に対する無力感などを受け取りました。アセットがどうしても進み入れることのできない見えない壁も、人間そのものを表しているのかな?とか。

森美術館

シュウ・ジャウェイさんの「シリコン・セレナーデ」は、半導体のウェハー用シリコンが砂浜から採取できることに着目した作品です。楽器を演奏する様子やAIチップの研究所などの映像を、自動生成した音楽と合わせて見ることができます。

森美術館

アニカ・イさんは、自身の過去作品を基に、生成AIを使って制作しています。モチーフとなっているのは原生生物たち。展示物の生命の起源を思わせるようなフォルムも特徴的です。これは「作品」なのか「生命」なのか、「新しい生体」と呼ぶべき?など、未来の可能性を広げると同時に、個人的には倫理観にも訴えてくるように感じました。

見どころは?映像作品に注目!

私が特に惹かれたのが、キム・アヨンさんの映像作品「デリバリー・ダンサーズ・スフィア」です。ソウルの街中をバイクで走る2人の同一人物キャラクターが苦悩する様子は、アルゴリズムに支配され、労力を最小化することに囚われて生きる私たちそのものでした。「距離と位置は同時に測定できない」「あなたに会うと時間が遅くなる」という主人公のセリフは、失ってしまった時間や人間らしさに気付かされたような感覚になりました。   

                                            

ルー・ヤンさんの映像作品「独生独死」も響きました。宗教や死生観をヴィジュアルで表現している映像作品です。映像が美しいのはもちろんですが、デジタルテクノロジーによる転生を通して、「あなたはどう生きる?」という問いを突き付けられたように感じました。                                       

この2つの映像作品に関しては、写真は撮っていません。ぜひ会場でじっくり鑑賞してみてくださいね。

自分なりに「マシン」との向き合い方を考える

記事が続きます

全体の展示の流れを私なりに考察すると、前半部分はAIやマシン・人間それぞれの定義に目を向け、やや懐疑的な視点を持ちながらも、後半にかけてはそれらとの関係性を探り、その可能性を追求する作品が多いのではと感じました。

特にコロナ禍で制作された作品も多く、制限の中で拡張された世界を実感する瞬間もありました。                                     

                                                                         この考察も含め、1つ1つの作品への感想はすべて私自身が考えたものなので、鑑賞後に違った印象を持たれる方もいると思います。そのときに浮かんだ感情や疑問を辿ると、自分の考え方のクセや、物事の捉え方の傾向にも気付けますよね。ぜひ、「自分なら何を作品から汲み取るかな」という面白さも会場で感じてみてくださいね。                                                                              

【アートレポ】森美術館『マシン・ラブ』展に行ってみた!_6

【マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート】
会期:2025年2月13日〜6月8日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階  

マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート
前川はるなInstagramはこちらから
【アートレポ】森美術館『マシン・ラブ』展に行ってみた!_7

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