こんにちは!バイラーズの坂本愛です。
こちらのブログを読んでいただき、ありがとうございます✨
現在、私は産休・育休中で、会社をお休みしています。
1日の大半を家事と育児に費やしており、今は「働いていない」という状態です。
つまり、一般的な意味での経済活動には参加しておらず、社会で言われている「女性の活躍」には貢献できていないのかもしれません。
この状況に対して、正直なところ、少しモヤモヤすることがあります。
「家事や育児に取り組んでいる女性は、社会で活躍していないことになるのだろうか?」
と考え込むこともありますし、
「家事や育児をどのように捉えればいいのか?」
も迷うことがあります。
同じように疑問を抱えている方や、自分の役割について考えるすべての働く女性たちに、少しでもヒントになる本を紹介したいと思います。
今日は、私がおすすめする2冊を取り上げます。
1. 『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話』
この本は、経済学の伝統的な考え方がジェンダーの問題を無視してきたことを批判し、経済のあり方を再考する必要性を提起しています。
社会が「お金を稼ぐこと」=「経済活動」と見なしている一方で、
家庭での無償労働、特に女性が担ってきた家事や育児の役割が、経済全体をどれほど支えてきたのか
を強調しています。
著者は、経済学の視点をジェンダーから見直すことが、これからの持続可能な社会にとって不可欠だと訴えています。
私は本書を通して、働いていないからといって必ずしも経済活動に貢献していないわけではない。
「経済活動」や「女性の活躍」の定義を見直すきっかけになりました。
著者:カトリーン・キラス゠マルサル (著), 高橋璃子 (翻訳)
出版社:河出書房新社
発行日:2021年11月16日
2. 『なぜ男女の賃金に格差があるのか』
この本は、男女間の賃金格差の原因を分析し、その背景や影響を深掘りしています。
統計や研究データを通して、なぜ賃金格差が今も存在するのかを明らかにしています。
本書では、以下の要因が賃金格差の主な理由として挙げられています:
1. 職業の分断
男女が選ぶ職業が異なることが要因です。女性は教育や医療、福祉などの賃金が低めの分野に多く従事し、男性は技術や金融などの賃金が高めの分野に多い傾向があります。
2. キャリアの中断
出産や育児によるキャリアの中断が、女性の昇進や賃金の上昇を妨げることが多いです。男性はこうした中断を経験することが少なく、賃金が上昇し続けやすい傾向があります。
3. 偏見と差別
企業や組織内での無意識のバイアスや、賃金差別も依然として存在します。同じ仕事をしているにもかかわらず、女性の方が低い賃金を支払われるケースがあります。
4. 育児や介護の負担
家庭内での育児や介護を女性が担う割合が高いため、労働市場での競争力が低くなることがあります。
本書は、これらの問題に対処するために、政策的な対応や企業文化の改革が必要であると提案しています。
男女間の賃金格差を解消するためには、働き方の見直しや育児支援制度の強化、組織内のジェンダー意識の向上が不可欠です。
著者:クラウディア・ゴールディン (著), 鹿田昌美 (翻訳)
出版社:慶應義塾大学出版会
発行日:2023年4月5日
感じたこと
私は現在、育休中ですが、同時に社会人大学院に通っているため、勉強や本を読むための一人時間がどうしても必要です。
そのため、自治体が提供する子育てサポートを頻繁に利用しています。
このサポートでは、同じ地域に住む主婦の方々が自分の空いている時間に子どもの面倒を見てくれるのですが、彼女たちが得られる報酬は時給1,000円。
最低賃金よりも低い水準です。
こうした日々を通して、人間が人間の面倒を見る「ケア労働」がいかに経済において、ボランティアベースとみなされているのかを実感しています。
社会的に重要な役割を果たしているにもかかわらず、適切な評価がされていない現状に対し、強い違和感を覚えることがしばしばあります。
紹介した2冊の本を通じて、家事・育児の役割や、社会における女性の位置づけについて改めて考えるきっかけとなりました。
気になった方は、ぜひ手に取って読んでみてくださいね✨
最後まで、お読みいただきありがとうございました!