最近「キュン」としたことはありますか?
スーパーバイラーズ角田です。
出産してからというもの、自分の時間はほぼ皆無。
音に厳しい0歳の息子からは
お昼寝時間中も物音立てない静かな生活を強いられています。
そんな私は読書に夢中。
なかでも漫画は人生で初めて、と言っても過言でないほど!
好きでも嫌いでもなかった漫画の存在。
学生時代から友人のおすすめ漫画や兄のジャンプをたまに読んでも
基本的には読む機会はあまりなく、所持する漫画も無かった。
「推し活」の言葉が流行しているけれど
私には特に推しもおらず、昔からアイドルにも心揺さぶられない。
日常的に”キュン”を補給している友人を羨ましく思いつつも
まあいいか、とそれでも続いていた日常。
そんな私は1冊の漫画と出会い、初めて”キュン”を摂取したのでした。
『椿町ロンリープラネット』
ザ・少女漫画です。
なにも戦闘やサスペンス、超常現象も起きません。
全ての物語は椿町にある1軒の古民家で始まります。
◆あらすじ
主人公は女子高生の大野ふみ。
母親には幼い頃に先立たれました。
残された父親とは裕福ではないものの幸せな生活を送っていました。
しかしある時、気のいい父親は連帯保証人となったがために借金を背負います。
家は解約、父親は遠洋漁業へ。
家族で返済していこうと誓ったふみですが、住む場所も身を寄せるところもない
そこで住み込み家政婦として仕事を紹介されたふみは
椿町に一人で住むある作家の下へ向かい、この物語が始まりまるのです。
◆平凡な日常の中で育まれる愛情深さ
この作品の魅力はそこだと思います。
登場人物も多くはありません。
ストーリーに派手さはないですが、そこがいい。
何より登場人物がみんな魅力的だからなんです!
主人公ふみの純真さもすごく可愛い。
ふみの家政婦先である作家の不器用な愛情深さもとても愛おしいです。
人の心ってそんなトントン折り合いが付けられるものでないですよね。
頭では分かっていても心の整理がつかないこともある。
時間をかけないと素直になれない気持ちだったり、相手へのうまく言い表せないモヤモヤであったり。
はたまた人と出会ったことで少しづつ変わっていく無自覚な自分の心情変化など
その小さな変化がとても美しく、一人ひとりの心情が繊細に描かれた作品です。
絵が綺麗で可愛いのもポイント。
作者のやまもり三香先生の字が綺麗なのもポイント大。好きです。全部好き。
BAILA世代が欲しいキュンはこれなんじゃない?
漫画というと、魔法が使えたりな非日常的キラキラさが魅力に思っていたのです。
ですがこの作品と出会って改めて漫画に対する魅力に気付かされました。
こんなにも繊細に「絵」として心情表現でき、
読者の心を鷲掴みできる漫画があるのですね。
主人公は女子高生だし、住み込み家政婦はメジャーな職でないし、
はたまた相手は作家さんだし…側から見るとBAILA世代には馴染みが無さそう。
でも、だからこそ読んで欲しいんです!
ある一軒家で起きる優しい物語を一緒に覗いては
その優しい気持ちのお裾分けをされた気分になるのです。
疲れたあなたにこそ読んでほしい!
おすすめです。
作:やまもり三香
https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=978-4-08-845429-0