2022年10月期アニメ、史上最強くらいのラインナップですね!
大本命はチェンソーマンですが、もう皆さん見てそうなのであえて好感度高いバイラ読者にふさわしくない(?)ポプテピピックをご紹介します!!
と言ったそばからストーリーも特にない4コマギャグマンガなので紹介できるようなこともなく、、見どころポイントをひとつ。
「ローコンテクスト」と「清らかな水」の現代社会
ローコンテクストとは、対話において話者間の前提知識が大幅に異なり、前後の文脈を共有しない状況でもコミュニケーションが成立することをいいます。
多様で複雑なコミュニケーションが求められる現在社会においては、望ましいとされる表現方法であり、英語圏では plain English などと言われます。
日本はハイコンテクストだったんですが、SNS による情報が溢れかえり、情報のファスト消費が一般的になった現代では多くの前提知識を要求しないローコンテクストであることは”バズる”ためには必須条件と言えるかもしれません。
しかし、本作品においてはそうしたローコンテクスト文化を一切無視し、極めてハイコンテクストな風刺が展開されます。
さらに、近年非常に重視されるようになった社会的持続可能性や SDGs といった「社会的正しさ」といったある種"窮屈な"概念も、本作品においては風刺の対象となります。
圧倒的なハイコンテクスト作品であるポプテピピックとその"反社会性"
ポプテピピックはマンガアニメいずれも、ほとんどすべてが 1 話限りのショートストーリーの構成です。
しかし、その内容は他のマンガのパロディや現代社会の風刺など、極めてハイコンテクストであることから、読み手にとっては非常に多くの前提知識を要求される作品です。
おそらく、すべての作品の”元ネタ”を初見で理解できる人はいないでしょう。"元ネタ"を解説する専用本すら出ています。
それだけに、"元ネタ"を理解する読み手にとっては非常に面白く、他に類を見ない攻撃的な風刺性の高さから、中毒性の高い作品として一部では極めて高く評価されています。
美しいローコンテクストに対する文化的反逆
ビジネスシーンでは”コンプライアンス”、雑誌やネットを見れば”SDGs”など、清く正しくといった言説には事欠きません。
しかし、「水清ければ魚棲まず」というたとえもあります。
「誰にでもわかりやすく」、「どんな人にも優しく」といった美しいローコンテクスト文化は、本来的に民族的多様性に乏しく共通の価値観を共有するハイコンテクストであり「内輪ウケ」が尊ばれる日本文化に対してストレスを与えているのかもしれません。
作品自体が極めてハイコンテクストな意味合いを持つポプテピピックはそうした美しいローコンテクスト文化に対する一種の文化的反逆として評価を受けているといえるでしょう。