【もっと知りたい！ 山本美月ジャーナル】好きなことをたくさん持ってるバイラモデル【BAILA12月号カバーインタビュー】

BAILA12月号のカバーモデル・山本美月さんの日常には、愛するものが盛りだくさん。ファッションのこと、趣味のこと、日々のこと、「好き」を楽しむ31歳の素顔に触れて。

ローライズが流行っているけれど、ちょっと落ち着かない気分になるので（笑）、私はここ最近、ずっとハイウエスト。私服では、TOMWOODと、古着屋さんで買ったワイドシルエットがお気に入りです。袖も丈もコンパクトなトップスと合わせれば、今っぽいし、スタイルもよく見える。10代は、自分に似合うものを全然知らなくて、大好きな“魔法少女”そのままの甘い格好をしていたことも。モデルの仕事を始めて、スタイリストさんの用意したデニムのコーディネートを見て、こういうファッションもあるんだ！と好きになって。デニムをきっかけに、自分らしいおしゃれの世界が広がっていった気がします。

普段身につけるジュエリーはシルバーが多いです。特にモダンで構築的なフォルムのもの。重ねづけしているMAYUのイヤカフや、LOOP＆BOXの細身のダブルリングなど、シンプルでいて作品性のあるデザインに惹かれます。おしゃれしたいオフの日なんかには、ネックの詰まった透ける

ブラウスに合わせたいですね。

愛嬌があって、ちょっとおかしみのある服に惹かれます。名画『真珠の耳飾りの少女』をもとにしたニットはKota Gushikenのもの。少女の表情がたまりません！笑えるんだけれど、どこかアート作品のようで着心地もいい。楽して気分よく、可愛い服を着ていたい日にぴったりです。昨年も、モナリザがモチーフの手編みニットを購入しました。色違いの2着を、家でシェアして着ています。

祖父は生物の先生、自分も農学部出身ということもあって、植物も動物も育てることが大好き。NHK Eテレ「趣味の園芸」にレギュラー出演するようになってからは、ますます夢中に。“ちゃんと育てる”という意識が芽生えました。サンデッキのあるベランダと室内の鉢植えたちをお世話するのがモーニングルーティン。元気のない子がいると心配で、肥料や土の配分を気にかけたりしています。

わが家に家族が増えました！現在9歳のこつめの妹として、6月頃やってきたバターカップ。まだまだ赤ちゃんのバターカップは、家中を跳ねまわっています。お姫さま気質のこつめは、元気いっぱいの新入りに圧倒されて、最初はテンション下がりぎみ……でも、今は姉妹でうまくやってるみたいですよ。

「魔法少女はおしゃれで可愛い！」という思いを伝えたくて、2020年には自分で企画して、中身も考え抜いた『魔法少女 山本美月』を出版しました。最初にハマってずっと好きなのは「おジャ魔女どれみ」。大人になって見返すと、キャラクターそれぞれが抱える事情を丁寧に描いていて、深い内容に驚きます。いつか自分の子どもにも見せたい！

独学で始めたイラスト。あまり外で遊ぶタイプではなかった子どもの頃から続けていることのひとつです。下の作品は、最近描いた三日月とヨウム。アプリを使ってiPadに直接描きました。イメージがふくらまないと描けないタイプなので、誰かからのオーダーや、お仕事として声をかけていただける機会があるのは嬉しいですね。

やりたいと言いながら、なかなか実現できていない！　自分で運転するようになったので、東京を抜け出して大自然に飛び込みたいです。実は父がアウトドア派で、石を拾ってかまど作りから始めるハードなキャンプは子どものときに体験ずみ。そこまで本格派じゃなく、たき火を眺めてコーヒを飲みたいな……。

ピンク色を身につけることは少なくなったし、住む部屋もラブリーじゃないけれど、魔法のステッキは今も木のアンティークチェストにしまってあります。31歳、魔法少女が好きな自分は失わずに、大人になった感覚。イラストや何かを育てることも同じで、子どもの頃に好きになったまま、地続きの道を進んでいるなと思います。「美月ちゃん」から「山本さん」と呼ばれることも増え、周囲から大人として扱われるようになりました。続けてきた仕事を尊重されている気持ちになって嬉しいです。自分自身は変わってきたかな、考えてみると、20代後半あたりから、肩の力を抜いていられるようになったかもしれない。たとえば20代の初めって「友達と定期的に会わなきゃ」とか「無理やり予定を立てなきゃ」とか、そんなプレッシャーがありませんでした？今は「会いたい人とは会うだろうし、面倒ならば断ろう」と、リラックスして、焦らなくてもいい気持ち。仕事にしても、言われたとおりのことを引き受けるのではなく、自分自身で立ち止まって考えられるようになった。「なんでこれをやるのかな？」と思ったとき、選択肢がひとつでなくていい、と思えるようになったのは、大人になったことと、コロナ禍からの社会全体の流れもプラスに働いていると思います。

そもそもずっと家が好き。最近のプライベートでは、怖い動画を欲していて、毎晩YouTubeでホラードキュメンタリーを見たり、アニメをチェックしたり、夫婦でお題を出し合ってイラストを描いてみたり……あとはベランダいじりが楽しい！　サンデッキを造りつけたので、一人で座って、ぼーっとしていることがよくあります。緑が欲しい欲が増えて、花屋さんを訪れることも。こつめとバターカップと遊んで、毎朝、植物の変化を気にかける毎日。いつかは大自然に囲まれた、ご近所づきあいも何もない場所で暮らしてみたい……なんて夢もあります。ぽかーんとする時間も含めて、充実していますね。

撮影／YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉　ヘア＆メイク／笹本恭平〈ilumini.〉　スタイリスト／池田 敬　モデル／山本美月　取材・原文／久保田梓美　※BAILA2022年12月号掲載