デニムをこよなく愛するスタイリスト百々千晴さんは、この秋デニムに何を合わせる？ どう着こなす？ “削ぎ落としたシンプル”なスタイルだからこそ見えてくる、絶妙な色合わせやバランスの秘密が知りたい！
デニムはゆるめワイドを投入
「今季はルーズめのシルエットをゆるっとはきたい。中でも気になるのが、濃いめのインディゴのバギータイプ。デニムにボリュームがあるから、そうなると必然的に短丈やコンパクトめなトップスを合わせたくなる！ 着こなしはトータルバランスが大事だから」（百々さん、以下同）
「ゆるっとはきたいけれど、だからといってすごくラフなデザインや極端なワイドがはきたいわけではないんです。着たときに体がきれいに見えることも重要なチェックポイントだから。その点このデニムは色落ちや加工具合、ワイド幅や生地の硬さがちょうどいい」。デニム￥46200／シチズンズ・オブ・ヒューマニティ
デニム×シャツ
適度にカジュアル、ほどよくカッチリ。短丈シャツなら、その絶妙なバランスが手に入る。
「この短丈タイプに限らず、デニムにシャツを合わせるのが大好き。今シーズン気になるルーズなデニムも、襟つきシャツならそのラフさをうまく中和して、上品さをプラスしてくれるから。このコーデは短丈シャツの裾からのぞくお腹の肌の分量を調整したくて、デニムは少し上げぎみではいて、ベルトでウエストマークしたのがポイント」
色づかいも丈感も肌見せも、シビアに微調整するのが重要
ベルトに締め色の黒や茶を選ばず、シャツとトーンをそろえた淡ベージュをチョイス。さらにもうひとつのこだわりが足もと。「シャツとデニムにヒール靴を履いてしまうと、女っぽさとか色気が出すぎてしまう気がして。あえてマニッシュなぺたんこサンダルを合わせています」。シャツ￥35200（オムガールズ）・バッグ￥69300（マエストソ）／アダム エ ロペ デニム￥36300・ベルト￥39600／ロンハーマン（RH ヴィンテージ） ピアス￥95200・ネックレス￥58100／トムウッド 青山店（トムウッド） 靴￥88000／ジェイエムウエストン 青山店（ジェイエムウエストン）
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「きれいなシャツをデニムにインするバランスが気になる」。シャツ￥61600／マディソンブルー
デニム×ジャケット
ジャケットと薄素材のタンク。素材感のコントラストを極端につけることで今っぽく
「デニムにジャケットっていつの時代も愛されている定番のスタイリングだけれど、インナーをさらっと薄手のタンクトップ一枚にするこの組み合わせが最高に可愛いなと思って。デニムは濃いインディゴのメンズライクなシルエット。幅広なロールアップとゆるっとしたフォルムで、本当にさりげなく、ほんの少しだけ女性らしさが際立つ感じが好き」
ジャケットとインナーとデニム、サイズのバランスも重要
「シルバージュエリーをたくさん重ねてタンクトップの薄さとバランスをとる工夫を」。ジャケット￥83600（エブール）・ピアス￥385000・ネックレス￥418000・リング（左）￥275000・（右）￥242000（スピネリキルコリン）／リトルリーグ インク デニム￥17600／リーバイ・ストラウス ジャパン（リーバイス®） タンクトップ￥12100／ギャルリー・ヴィー 丸の内店（ギャルリー・ヴィー） メガネ￥47300／モスコット トウキョウ（モスコット） 靴￥122100／セルジオ ロッシ カスタマーサービス（セルジオ ロッシ）
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「少し大きめシルエットをゆるく着たい」。ジャケット￥79200／ギャルリー・ヴィー 丸の内店（ギャルリー・ヴィー）
デニム×バッグ
クラシカルなベージュのバッグと淡色デニムの組み合わせが新鮮。削ぎ落とした色づかいもこだわり
「端正なフォルムと上品なツヤ感が美しいこのベージュのバッグを最初に見つけたときから、ライトブルーのデニムに合わせて持ちたい！と思いました。ニットも同系色のベージュでそろえ、思い切って色数をしぼった淡いトーンで全身をまとめました。あれこれ盛ったりややこしい配色にするよりも、かえってバッグの魅力が引き立ちます」
バッグとニットをベージュでそろえてあとはデニムのブルー。ミニマルに潔く
「選んだデニムは少しゆとりのあるストレートシルエット。コンパクトなカーディガンはボタンを留めて着て、グッドバランスに」。全体が上品に色落ちしたライトブルーはきれいめスタイリングにぴったり。バッグ￥412500／ジャンヴィト ロッシ ジャパン（ジャンヴィト ロッシ） デニム￥36300／リトルリーグ インク（エブール） カーディガン￥24200／シンゾーン 表参道本店（ザ シンゾーン） ピアス￥26400（サスキア ディーズ）・リング（左）￥3300・（右）￥5280（ランドシヌール）／レイ ビームス 新宿
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「ゆるデニムとかっちりバッグの組み合わせが可愛い」。バッグ￥12000／プラステ
デニム×シューズ
丈感に敏感になることでフラットシューズ合わせがぐっと可愛く！
「このところしばらく流行っているメリージェーンのフラットシューズはデニムとも相性抜群。ゆるめのテーパードデニムで、くるぶしがしっかり見える丈感のものをチョイスして、少しだけカジュアルなムードを感じさせたい。そのかわり、女っぽさは上半身で表現。透け感のあるニットで少しセンシュアルに」
足もとはフラットでカジュアルに、シアーニットでほんのり女らしさを
随所にダークブラウンを効かせて。靴￥104500／ジェイエムウエストン 青山店（ジェイエムウエストン） デニム￥27500／デミルクス ビームス 新宿（アッパー ハイツ×デミルクス ビームス） カーディガン￥19910・ノースリーブ￥16500／ユナイテッドアローズ 麻布台ヒルズ ウィメンズストア（ユナイテッドアローズ） サングラス￥56100／ケリング アイウエア ジャパン カスタマーサービス（サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ） ピアス￥75900／エスケーパーズ アナザーワールド（ソフィー ブハイ）
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「マノロの美しさと品が大人のデニムスタイルを格上げ」。靴￥140800／ブルーベル・ジャパン（マノロ ブラニク）
「端正なローファーだけど適度なヒールあり、というのがいい」。靴￥151800／ジェイエムウエストン 青山店（ジェイエムウエストン）
デニム×リップ
赤リップで印象にメリハリを。今季はほんのりブラウンを感じる深みのある色が気分
「私は常々、顔もスタイリングの一部だと思っています。だからヘアやメイクで印象をコントロールすることは、洒落感を左右する大事な要素。デニム＝カジュアル、とイメージを固定してしまわないように、赤いリップで女性らしさとか、ちょっとした“正装感”みたいなものをプラスするのはとても有効」
赤リップで表情が引き締まるとスタイルが明確になるのがいい
「赤リップは大好きで何本も持っていますが、今のお気に入りはこのプラダのものです。こっくりとしたブラウンレッドで、強さと肌なじみのよさを合わせもつ色。デニムの日はいつもよりも濃い色を合わせたい」。モノクローム ウェイトレス リップカラー（マット レザー） B03￥6930／プラダ ビューティ デニム￥13000／プラステ ブラウス￥39600／リンク・セオリー・ジャパン（セオリー） ピアス￥143000／エスケーパーズ アナザーワールド（ソフィー ブハイ） 靴￥33000／トヨダトレーディング プレスルーム（オートリー）
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モノクローム ウェイトレス リップカラー（マット レザー） B03￥6930／プラダ ビューティ
きちんと感、が気分
「あらためてこうして見てみると、きちんときれいめにデニムをはきたい気分みたいです、私（笑）。仕立てのいいジャケットやかっちりフォルムのバッグをプラスしてメリハリをつけて。やっぱり大切なのはコントラストとバランス！」
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「素材にニュアンスがある黒のトップスはデニムと相性抜群」。ノースリーブ￥18700／マメ クロゴウチ オンラインストア（マメ クロゴウチ）
「有機的なデザインも、シンプルでモダンな世界観も大好きなブランド。アクセサリーで盛ろうとは思わないけれど、存在感のあるデザインを効かせたい」。ネックレス￥148500／エスケーパーズ アナザーワールド（ソフィー ブハイ）
「遊び心のあるきちんと感をメガネで表現」。メガネ￥104500／トム ブラウン 青山（トム ブラウン）
スタイリスト
百々千晴
さりげないのに洒落ているスタイリングと、ブレないファッション理論、飾らない人柄が人気。自身のブランド「THE SHISHIKUI」やYouTube「DODOTUBE」など多方面で活躍。
撮撮影／酒井貴生〈aosora〉（人）、草間智博〈TENT〉（物） ヘア＆メイク／河嶋 希〈io〉 スタイリスト／百々千晴 モデル／佐藤晴美 取材・原文／発田美穂 ※BAILA2024年10月号掲載
Baila Channel
