スタイリスト、エディター、ライターと筋金入りのおしゃれプロが集まり、本音トーク! 秋イチ手に入れたいアウターから注目の映えトップス、小物ネタまで、秋トレンドのリアルをお届け。今回は、アウター事情や秋映え上手になる素材について。
エディター・ディレクター
東原妙子さん
ファッションエディター兼「アンクレイヴ ホワイト」ディレクターとして多忙な日々。女性らしく洗練された私服にファンが多い。
スタイリスト
加藤かすみさん
『BAILA』をはじめ、多くのファッション誌や広告で活躍する人気スタイリスト。ジャケットやデニムなど、無類のベーシック好き。
バイラ編集部
編集NW
30代ど真ん中のBAILAエディター。体のラインがきれいに見えるシンプルモダンなスタイルが好き。秋はフェミニン熱が上昇中。
ライター
榎本洋子さん
ファッション誌を中心にライターとして活動。トレンド大好き。年齢を重ねてもミーハー心を忘れずおしゃれを楽しむのがモットー。
まず気になるアウター事情。今季は〝ショート丈〟が台頭
榎本 まもなく晩夏に突入し、秋のアイテムが続々と店頭に並び始めています。まずは皆さん、どんなアウターが気になりますか?
編集NW 秋口から着られるアウターのトレンドとしては、ジャケットが見過ごせません! 紺ブレをあらためて推しているブランドが多くて、気になっています。
榎本 ジャケット上手な「カオス」からも初の紺ブレが出ていて素敵でしたね。
東原 チェック柄やヘリンボーンのおじジャケットもよく見たかも。
加藤 従来のジャケットにはない少し重厚感のある素材を使ったビッグシルエットも豊富な印象。私はすでに「バウト」で素材感が上品なカーキのジャケットアウターを購入ずみ。仕上げに羽織るだけでグッと今っぽくなります。
編集NW いわゆるマジメなジャケットというより、おしゃれに楽しむアイテムとしてのジャケットもメジャーになってきていますよね!
東原 私がディレクションする「アンクレイヴ ホワイト」でもオーバーサイズのボンディングジャケットが人気。一方、ジャケットのマニッシュさが苦手な人にウケたのは、デザインはカジュアルめだけど素材感は女性らしいウールのショートブルゾンやサテンのMA︲1。甘い服の中和にちょうどいいと好評で、フェミニン派の次なるアウターとしてアリなのかなと思います。
加藤 どのブランドの展示会でも、コート未満のコンパクトなアウターの勢いがすごいですよね。
榎本 毎日ロングコートをなびかせていた頃がもはや懐かしい(笑)。それはそれで優雅で素敵なんだけど、今季はなぜかキュッとコンパクトなシルエットのアウターに惹かれるんですよね〜。「ネイヴ」でショートのMA︲1をオーダーしたのですが、これまではゆるっとしたサイズ2一択だったけど、今季は迷わずジャストなサイズ1を選びました。
編集NW へぇ! 気分が変化してきているんですね。面白い! とにもかくにもこの秋は、ジャケットやブルゾンなど〝ショートアウター狙い〟で間違いなさそうですね!
オーバーサイズとコンパクトの二極化!(加藤さん)
(上)ジャケット¥86900/インターリブ(サクラ)
(中)コート¥170500/ボウト(バウト)
(下)ブルゾン¥50800/マルティニーク ルミネ横浜(マルティニーク)
この秋映え上手になるなら、華やかな素材&肌見せ!
榎本 ところで、夏の薄着の反動で、秋はちょっと盛りたい気分なのは私だけでしょうか?
加藤 夏のシンプル服に少し飽きてくるタイミングですよね〜。
編集NW 皆さん、秋冬の映えアイテムは何が気になりますか?
東原 今シーズンはやっぱり、素材感で映えるアイテムじゃない? もうひたすら、キラキラ、ツヤツヤ、モフモフ、スケスケ〜。
一同 (笑)。
加藤 去年から続くトレンドではあるけれど、モフモフな質感やベロアは、バッグやヘアアクセなど小物にまで派生していて、勢いを増していることがわかります。小物なら誰でも気軽にトライできておすすめ!
ピンクなど、カラーラメも注目株。(榎本さん)
(上右)カーディガン¥23100/トゥモローランド(ボールジィ)
(上中)シュシュ¥57200/アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店(アレクサンドル ドゥ パリ)
(上左)トップス¥12100・(下左)トップス¥30800/ロペ
(下右)ブラウス¥41800/エストネーション
(下中)バッグ¥67100/マディソンブルー
東原 秋冬なのにシアーな服が多いのも今季らしい特徴だと思うな。うちのブランドでも、秋口は一枚で、冬はレイヤードして着るシアートップスとかデコルテがあいたニットがとにかく売れてる。
加藤 秋こそ抜け感を意識しないと、あか抜けずもっさりした印象になっちゃうもんね。
榎本 色気というより、秋服を軽やかで都会的に見せるための肌見せってことですよね。
東原 そう! シアーニットとジレの組み合わせだったり、ブルゾンの奥にさりげなくデコルテをのぞかせたり。スタイリッシュな肌見せが理想です。
編集NW 華やかな素材感や肌見せが盛り上がっている背景には、レディテイストに回帰している影響があるんですかね?
東原 そうかもしれないですね。だってパンツより断然スカートがきてますよね。展示会でもスカートのオーダー数がすごかった。みんなの気分がそこに如実に現れてるなって。
編集NW 私、もけもけのスカートを買いました!
榎本 私はチュールスカートを!
加藤 みんなのスカート熱がすごい。すみませんが、私は年間通してパンツ派で(笑)。次は愛すべきデニムの話をしてもよいでしょうか!?
一同 どうぞ、どうぞ(笑)!
(後編に続く)
シアー素材は落ちついた黒が本命。(東原さん)
トップス¥27500/キャバン 丸の内店(キャバン)
スカート¥20900/アルページュストーリー プレスルーム(アルページュストーリー)
撮影/坂田幸一 スタイリスト/加藤かすみ 取材・原文/榎本洋子〈TENT〉 ※BAILA2024年10月号掲載