今の空気が漂うベーシックスタイルの提案に、絶大な支持を集める“さとかな”ことスタイリストの佐藤佳菜子さん。そのカギとなるのが効かせ小物の存在。“シンプルだけど、なんだか素敵”な女性像に近づける、さとかな流小物テクとは?
1. シンプル派必見!夏の小物使いをチェック!
Characterized Accessories
「印象的になりたいけど、奇抜にはなりたくないのが大人心。だからこそ、シンプル服にキャラ濃いめの小物でトレンドをちょい足し、くらいがちょうどいいんです。顔まわりのアクセは重心を高く見せる効果もあり、小柄な私には必要不可欠」
(右から)スニーカー/デイト×ウィム ガゼット 茶メッシュベルト/アルテア 黒ベルト/エルメス ベージュミュール/ロランス オレンジサンダル/ネブローニ 配色クラッチ/ベアトリス ビーズバッグ/ヌキテパ(すべて私物)
(上から)キャップ/ジャーナル スタンダード レリューム べっ甲風サングラス/アイヴァン 7285 オレンジサングラス/アンドアザーストーリーズ カーキカチューシャ/ザラ カラフルネックレス/トゥモローランドで購入したインポート フープピアス/ロンドンの雑貨屋で購入 シルバーチョーカー/オーダーメイド 球体ピアス/ソワリー チェーン状イヤカフ/アンセム フォー ザ センセズ シルバー楕円形イヤカフ・ゴールドイヤカフ/スタージュエリー(すべて私物)
Simple Wardrobe
「長年スタイリストとして多くの服とふれあうなかで信念にしているのは、“普通の服に飽きない”自分でいること。読者の皆さんが仕事に着ていけるような、日常をベースにした品のあるスタイルを提案し続けたいと思っています。私自身のワードローブも、シーズンによってフォルムを更新することはあれど、ベーシックでコンサバな服が中心だし、色合わせもワントーンが定番。そこに、小物で遊ぶ余裕が生まれるんです」
(右から)ワンピース/ユナイテッドアローズ ベージュパンツ/アンクレイヴ グレーチェック柄パンツ/イザベル マラン(すべて私物)
(右から)ショートパンツ・白ブラウス・ベージュ半袖ニット/アンクレイヴ 黒×白メランジニット/ブラミンク ボーダーカットソー/オーラリー(すべて私物)
“シンプル服に小物で遊ぶ”さとかなのワードローブがお手本!
遊び心たっぷりのカラーバッグも色をつないで洗練コーデに
by SATOKANA
「このバッグは一見カラフルで派手だけど、黒と白とベージュが使われていて、実はすごく合わせやすいんです。インパクトのある小物も、自分にとっての基本色を含むデザインなら絶対使えるので、ぜひトライしてみて。服に白、帽子にベージュ、足もとにはオレンジと、バッグの色をちりばめるのが統一感アップのコツ」。カーディガン/アニエスベー カットソー/ノーク パンツ/ボールジィ ハット/プラステ ピアス/コス バッグ/ベアトリス 靴/ネブローニ
旬度も女らしさも盛り上げる上品カチューシャが万能です
by SATOKANA
「マスク生活の今、特に活躍しているのが、サッとつけてスッキリ小洒落るカチューシャ。髪を切ってより身近になりました。可愛らしさのあるアイテムなので、マニッシュなパンツ×ローファーのスタイルに効かせるくらいが大人っぽくて好き」。トップス・パンツ/アンクレイヴ サングラス/アイヴァン 7285 カチューシャ/アレクサンドル ドゥ パリ ピアス/ソワリー バングル/グリン 時計/カルティエ バッグ/フルラ 靴/J.M.ウエストン
顔の近くは“コンパクト”に。ワンピスタイルがスラッと決まる
by SATOKANA
「球体ピアスとイヤカフ、首もとに沿うチョーカーで視線を上に誘い、ワンピの縦ラインを強調。これなら華やぎもバランスアップもかないます」。ワンピース/ユナイテッドアローズ チョーカー/オーダーメイド ピアス/エナソルーナ イヤカフ/スタージュエリー バングル/グリン 時計/カルティエ バッグ/J&M デヴィッドソン 靴/ピッピシック(すべて私物)
2.小物から考える大人の最新夏コーデ
起点となる主役小物から「今日何着る?」を考える
色をつなげたり、テイストをMIXしたり、小物を軸にコーデを展開していくのも楽しい! 大人っぽく決まる組み立て方をレクチャー。
スカーフ
「スカーフの色で構成すればブルーデニムに大人の品が加わる」
by SATOKANA
華やぎを即足しできるスカーフは、そっけなくなりがちな夏コーデの救世主。スカーフから抽出したベージュとペールブルーをトップスとボトムに反映すれば、コーディネート全体にまとまりが出て洗練度も急上昇。「様々な色が混在するスカーフを取り入れるときは、全身の色数をしぼったほうが断然大人っぽく締まります。スカーフから拾う色は3色以内と心得て。自分がよく着る服の色が入った柄を選ぶと、出番が格段に増えるはずです」(佐藤さん)。スカーフ¥28600/フルラ ジャパン(フルラ) トップス¥22000/サードマガジン デニム¥20900/ゲストリスト(レッドカード) バッグ¥9900/ロペ
腕時計
「ジュエリーライクな腕時計はカジュアルと合わせてこなれ顔に」
by SATOKANA
しなやかなメッシュベルトの腕時計をブレス代わりに、手もとを飾って。服を選ばないクリーンなデザインだから日常使いにぴったり。「甘さが漂うジュエリーのような腕時計。もちろんきれいめにも似合うけど、やんちゃなロゴTに合わせるくらいの軽やかさが夏らしさもあって今の気分です。カジュアルになりすぎないようノーブルなベージュからエクリュのトーンで大人の気配を」(佐藤さん)。時計¥22000・ネックレス¥7700/ジュエッテ Tシャツ¥8580/カオス丸の内(レミレリーフ×カオス) スカート¥16500/ロペ バッグ¥39600/インターリブ(サクラ) 靴¥7150/コンバースインフォメーションセンター(コンバース)
バッグ
「キッチュなビーズバッグをコンサバ服に。大人のチャーミングさってこういうこと」
by SATOKANA
今季、大人ブランドからも続々登場し、大注目のビーズバッグ。角度によってブルー、グリーンと様々な色を放つ偏光ビーズがアイキャッチに。「バッグがこれだけテンション高めなので、服は安心感のあるきれいめコーデがジャスト。偏光ビーズの色から連想し、ニットはグリーン、靴はブルーに。バッグをつなぎ役にすれば、こんな洒落た配色も気軽に楽しめます」(佐藤さん)。バッグ¥51700/フルラ ジャパン(フルラ) 靴¥33000/ベイジュ(ピッピシック) ニット¥12100/フレイ アイディー ルミネ新宿2店(フレイ アイディー) パンツ¥49500/ハーヴェル スタジオ(ハーヴェル) イヤカフ¥19800・ネックレス¥22000/マリハ
帽子
「モード小物との合わせワザでリゾート風な麦わら帽子も都会顔に早変わり」
by SATOKANA
リゾート感のある麦わら帽×マキシワンピを街で味わうなら、ほかの小物はあえてテンションをそろえないのがポイント。「ストローハットのナチュラルなムードとは真逆の、ほんのりモードな巾着バッグとスクエアトゥのヒールで都会的に引き寄せて。レザーの質感が入ることでキリッと引き締まった印象に。帽子と同系色のベージュを選ぶと調和がとれます」(佐藤さん)。帽子¥15400/ロペ(ロペ×メゾンドリリス) ワンピース¥22000/アルページュストーリー プレスルーム(アルページュストーリー) バッグ¥8910/ミラ オーウェン ルミネ新宿2店(ミラ オーウェン) イヤカフ¥9900/ジュエッテ 靴¥35200/ベイジュ(ピッピシック)
3.夏の肌を素敵に見せるジュエリー使い
夏の肌見せ服の余白にこそ、ジュエリーを
肌分量が増えるこの時季、華やぎもセンシュアルさもジュエリーに託して。今年らしく盛り上げる3パターンはこれ!
ヌーディなデコルテに沿う繊細なチェーンが最高に女っぽい!
「肌見せトップスの胸元をネックレスで飾るなら、さりげないほうが上品さが際立ちます。何より、ここのところ大ぶりジュエリーが台頭していたこともあって、この華奢さはとびきり新鮮! デコルテの段差でチェーンがシャラッと動く感じが色っぽいので、長めを選んで正解」。ネックレス¥41800・イヤカフ(上)¥8800・(下)¥11000/エフ・ディ・シィ・プロダクツ(4℃) トップス¥29700/クルーズ(エリン)
ネックレス¥41800/エフ・ディ・シィ・プロダクツ(4℃)
テイストMIXの不協和音がピリッといいアクセントに
「スマートな時計にオリエンタルなリングとブレスを地金の色も気にせずMIXして。ちょっとズレたバランスが個性になります。きれいにまとめすぎないことが印象に残るスタイルの決め手に」。時計¥85800/セイコーウオッチ(セイコー ルキア) リング¥63800・ブレスレット¥16500・ピアス¥107{hlb}800/マリハ トップス¥12100・パンツ¥24200/サードマガジン バッグ¥12100/ロペ
時計¥85800/セイコーウオッチ(セイコー ルキア) リング¥63800・ブレスレット¥16500/マリハ
アンニュイな遊びを足首に仕込みハッとする色気を
「足首のくびれを強調して色気を引き出すアンクレットが、この夏再ブームの予感。嫌みのない女らしさを盛れるちょい無骨なシルバーチェーンがイチ押しです。ジャケット合わせの凜としたスタイルに添えて、クールに楽しんで」。アンクレット¥13200/ザ・グランドインク(ロランス) ジャケット¥68200・キャミソール¥17600・スカート¥27500/カオス丸の内(カオス) 靴¥35200/ベイジュ(ピッピシック)
アンクレット¥13200/ザ・グランドインク(ロランス)
4.カチューシャ、つけ襟…夏の小物選びと合わせ方 Q&A
Q.マスク生活にマッチするサングラスって?
A.濃度60%くらいのレンズ&主張しすぎないフレームでやわらかな印象を目指して
by SATOKANA
マスクをしても目から表情が伝わるものを選ぶと、怖く見えない! 「とにかく軽減すべきは、圧迫感。瞳が透けて見えるくらいの濃度で、ブラウン系など優しい色のレンズがベストです。フレームも強すぎないものがベターで、細フレームや今年豊作のクリアタイプなら太めでもOK。洒落感もアップするのでおすすめです」。サングラス¥53900/アイヴァン 7285 トウキョウ(アイヴァン 7285) カットソー¥16500/ゲストリスト(ルミノア) スカート¥24200/アルページュストーリー プレスルーム(アルページュストーリー) イヤカフ¥9900/エテ
Q.旬のカチューシャ、気負わずつけられるのは?
A.髪の色に近い色みでなじませるのが正解。クリアな質感なら夏らしさも
by SATOKANA
効かせるよりなじませて品よく楽しむのが大人っぽい。「ともすれば幼く見えてしまうアイテムだから、30代はある程度“いいもの”に狙いをしぼって。フランスのヘアアクセサリーブランド『アレクサンドル ドゥ パリ』のべっ甲風カチューシャは、シックでありながら今どきの抜け感も演出できます。頭の形にピタッとフィットし、痛くなりにくいのも優秀」。カチューシャ¥17600/アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店(アレクサンドル ドゥ パリ) ワンピース¥22000/マイストラーダ プレスルーム(マイストラーダ) イヤリング¥20570/ジュエッテ
Q.トレンドの大きい襟を投入するなら?
A.軽やかな白コットンレースが本命。思い切った大きさでモードに振って
by SATOKANA
手持ち服にプラスできる、アクセ感覚のつけ襟が大ブーム。ベーシック服のマンネリ解消にも効果的だから取り入れない手はない! 「ちょこんとしたサイズだと子どもっぽくなってしまうので、ちょっと大胆?と思うくらいのビッグサイズを。カジュアル、ハンサム、シンプルなど、ロマンチックな襟とは逆の方向性のスタイルに、あくまでハズしとして取り入れるとこなれて見えます」。つけ襟¥8690/カデュネ プレスルーム(カデュネ) ニット¥23100/スローン パンツ¥113300/イーストランド(コー) イヤカフ¥8250/ボウルズ(ハイク)
Q.おうち時間でも楽しめる小物を教えて
A.家でもワクワクは必要。起き抜けのイヤカフで自分の気分を底上げ!
by SATOKANA
頑張らず、でも決してルーズになりたくないおうち時間の相棒は、自己肯定感を高める“自分のためのジュエリー”。「朝イチに顔まわりを盛り上げるだけで、ポジティブなマインドになれるはず。リラックスウェアを着ていても、ノーメイクでも、それひとつで気持ちをONにできる、イヤカフにはそんなパワーがあります。誰にも会わない日こそ、自分で自分の機嫌をとることってすごく大事だと思うんです」。イヤカフ(上)¥27500・(下)¥45100/スタージュエリー表参道店(スタージュエリー) キャミソール¥7480・スカート¥15400/アンクレイヴ
スタイリスト
佐藤佳菜子
さとかなの愛称でおなじみの敏腕スタイリスト。ジュエリーや小物使いに卓越したセンスが光る、洒落感たっぷりのベーシックを提案。156cmと小柄ながらバランスのとれたスタイルも注目の的。
撮影/金谷章平(人)、魚地武大〈TENT〉(物) スタイリスト/佐藤佳菜子 取材・原文/榎本洋子〈TENT〉 構成/三橋夏葉〈BAILA〉 ※プライスのないものは私物です ※BAILA2021年8月号掲載