体のラインをキレイに見せてくれるアイテムが豊富、と定評のある4つのブランド。ブランドの顔となるディレクターの私服には、ほかにはないテクニックが詰まっているはず。
1.TODAYFUL ディレクター/デザイナー吉田怜香さん
洋服の力を借りて自分自身の魅力を実力以上に
「日常になじむおしゃれが好きなので、スタイルアップを考える際は自分自身のよさを引き出すことを重視しています。たとえば私は下半身が筋肉質なので、そこは拾わないようトップスをインしてウエストなど細い部分をアピール。『トゥデイフル』でもわざとらしくないセンスのよさを醸し出すため、シンプルなデザインに素材や質感でこだわりを表現しています」
【Hint01】ウエストインは鉄板! 自信のある部位をアピールして
01「ウエストインはどのコーディネートでも必ず取り入れる鉄板スタイルアップ術。タイトなトップスよりも、パフスリーブのようなボリュームのあるものをインすることで、キュッとメリハリがつきウエストが細見えします」(吉田さん・以下同)。シンプルなモノトーンコーデには、小物で冬らしい素材と色をさして新鮮さをプラス。トップス¥23650/ライフズ代官山店(トゥデイフル) スカート/アエレ靴・バッグ/ジルサンダー(すべて本人私物)
【Hint02】異素材の黒ワントーンで全身をスッキリ引き締める
02「冬はほぼ毎日“オール黒”が私の定番。特にタートルニットは多いときで週4着ることも。ウールのコートに、ツヤ感のあるパンツ、レザーの小物、と異素材を組み合わせるのが、ワントーンでももたつかない秘訣。ビッグシルエットのコートをぶかっと羽織ることで、全身を華奢に、顔は小顔に見せてくれます」。ニット¥12100・パンツ¥23100・ベルト¥8800/ライフズ代官山店(トゥデイフル) コート・靴/ジルサンダー バッグ/ザ・ロウ(すべて本人私物)
【Hint03】フレアデニムとハイヒールで脚の長さを最大限に伸ばす
03「とにかく脚を長く、美しく見せることにこだわったフレアシルエットのデニム。地面すれすれの丈感にハイヒールを合わせれば、実際の脚の長さよりも遥かにすらりと美しく。カジュアルになりすぎないよう、フォーマルなジャケットを合わせて知的で落ち着きある印象に」。パンツ¥21780・靴¥23100/ライフズ代官山店(トゥデイフル) ジャケット/ザ フランキー ショップ トップス/ビオトープ トートバッグ/ブティック アオヤマ(すべて本人私物)
2.MIESROHE ディレクター/デザイナー坂上典子さん
トレンドの丈やシルエットで細く、というより“洒落た体”に
「スタイルよく見えることが必ずしもおしゃれに直結するとは考えていなくて。トレンドの丈感やシルエットを取り入れて、今っぽさのあるコーディネートに仕上げることが体をキレイに見せる上で大切だと考えています。各シーズンその時々の女性の気分をデザインに投影した『ミースロエ』は、着るだけで“洒落た体”に見えるアイテムが多いです」
【Hint01】コートのようなジャケットで軽やか&華奢な冬コーデを
01「肉厚なシャギー素材のジャケットは、ワイドな身幅に袖も大きく仕立ててコートのようなビッグシルエットに。お尻や太ももなど気になるところはしっかりカバーしてくれるのに、中に厚手のパーカを重ねてもまったく着膨れして見えないんです」(坂上さん・以下同)。黒のスパッツにロングブーツを合わせて、下半身はスリムに、黒子役に徹して。ジャケット¥36300・トップス¥14300/ミースロエ スパッツ・靴/ノーブランド(すべて本人私物)
【Hint02】計算づくめの美シルエットで圧倒的に長く・キレイに
02「深めの股上、センタープレス、お尻まわりの大きなポケットなど、はいただけでキレイに見えるよう、緻密に計算を施したデザインです。トップスや小物を同系色でまとめることで、マニッシュなワイドシルエットも女っぽいやわらかい印象に」。黒ベルトでウエストは引き締めて、のっぺり見えを防止。パンツ¥24200・トップス¥13200・ベルト¥7700/ミースロエ 靴・ストール/ノーブランド(すべて本人私物)
【Hint03】大人でも着られる短丈トップスで必然的に腰位置を高く見せる
03「短丈トップスは自然と腰位置が高まるので、すらっと着映えがかないます。ハイウエストのボトムなら、お腹が見える心配もなく大人も挑戦しやすい。ショート丈×ロング丈の合わせは定番なので、ラメ感のあるインナーやシルバー小物で最旬要素を取り入れて」。カーディガン¥17600・トップス¥12100・スカート¥17600・ネックレス¥13200/ミースロエ 靴下・靴/ノーブランド バッグ/アエタ(すべて本人私物)
3.L'AUBE BLANC ディレクター/デザイナー楫真梨子さん
緩急のあるシルエットで、体の曲線美を生かす
「私は上半身にボリュームがあるタイプなので、アイテムによっては太って見えてしまうことも。だからこそほどよく肌を出して抜け感をつくり、タイトな部分とワイドに広がる部分のメリハリをつけることを意識しています。女性の体の曲線美を生かしたシルエットづくりにこだわっている『ローブブラン』は、緩急のある美しいラインを簡単に実現できます」
【Hint01】ベルトでウエストマークして腰の丸みで華奢さを演出
01「キレイめなスタイルが好きで、クローゼットの半分はワンピースが占めるほど。ボディラインが隠れて着膨れしやすいワンピースは、ベルトでウエストをマークしてメリハリをつけるようにしています」(楫さん・以下同)。上半身に施された立体的なドレープが、ウエストの丸みを引き立てさらに華奢見え。ワンピース/ローブ ブラン 靴/ペリーコ バッグ/デルヴォー・ジャパン リング/アンナダイヤモンド ネックレス/RHC ロンハーマン(すべて本人私物)
【Hint02】ニュアンスカラーのワントーンでシャープすぎないIラインをつくる
02「ワントーンで縦のラインをつくるというベーシックなスタイルアップコーデですが、私はグレーなどのニュアンスカラーでつくります。肩幅などしっかりめの骨格がカバーできる上、やわらかく落ち着いた日常になじむ女性らしさを演出できます」。ウエストベルトとワイドパンツで、縦のラインのなかにも細さと太さのバランスをつけて。トップス¥11000・ジレ¥33000・パンツ¥12100/ローブ ブラン 靴/ファビオルスコーニ バッグ/ザネラート(すべて本人私物)
【Hint03】冬でも首もとはスッキリとあけてコーディネートに抜け感を
03「首もとが詰まると顔が大きく見えてしまうので、冬でも首まわりがざっくりあいたトップスを選ぶことが多いです。デコルテがスッキリすることで、首が長く見えてコーディネート全体に抜け感が。アクセサリーも映えるので、顔まわりがより明るく華やかに」。背中の肌見せだから、過度になりすぎず、大人らしい上品さを演出してくれる。トップス・スカート/ローブ ブラン バッグ/ヴァレクストラジャパン ネックレス/マリア ブラック(すべて本人私物)
4.Gajess ディレクター/デザイナー三條場夏海さん
メリハリをつけて全体のバランスを美しく
「シンプルな洋服が好きでワンツーで完成させる着こなしも多いからこそ、コーディネートを組む際は“メリハリ”を意識。単体でボディラインを拾うことやシルエットが美しいことも大事だけど、全体を見たときのバランスが最も大切。『ガジェス』の服も一つひとつはシンプルだけど、トータルで見たときにバランスよいラインを描くようにデザインをしています」
【Hint01】目を引くトップスのあしらいで上に上に目線をアップさせて
01「コーディネートの重心を上げることで、目線がアップし全体が軽い印象に。バンドゥのようなデザインがついたリブニットは、私が表現したい女性らしさにぴったり。丈が短めなデニムはソックスを出して、ポインテッドトゥのヒールと合わせて抜け感をつくって」(三條場さん・以下同)。トップス¥19250/ガジェス パンツ/リーバイス ピアス・靴下/ノーブランド 靴・バッグ/ミュウミュウ(すべて本人私物)
【Hint02】ショート丈のファーコートで顔まわりにボリュームを
02「ボリュームのあるファーコートはバランスをとるのが難しいと思われがち。だからこそ中途半端に厚さを減らすのではなく、しっかり毛並みを出して大きな襟をつけることで小顔効果抜群のシルエットに」。ボトムやヘアをタイトに引き締めれば、スタイルアップも簡単。コート¥63800・スカート(本人私物)/ガジェス バッグ/マンサーガブリエル ピアス/ララガン リング/エルメス・マサトイノウエ(すべて本人私物)
【Hint03】タイトなニットにだぼっとしたパンツでボディラインにメリハリを
03「しばらくハイウエストで細身のパンツの流行が続いていたけど、今はローライズで太めが気分。全身がだぼっとするとバランスが悪いので、トップスは華奢なラインを拾うタートルを。シンプルなニットとパンツは何年先でも着られるアイテムだけど、厚底スニーカーやウエスト位置でトレンド感を盛り込んで」。パンツ¥36300/ガジェス トップス/ユニクロ 靴/プーマ バッグ/ミュウミュウ(すべて本人私物)
撮影/須藤敬一 ※BAILA2024年2・3月合併号掲載