「体がキレイに見えること」を絶対条件にコーディネートを組むという、サトカナことスタイリスト佐藤佳菜子さん。ベーシックながら洒落感たっぷりで、しかも自然なメリハリを演出する着こなしは、どんな理論のもと生まれているのか? スタイルアップのための8つの“戦略”を語ってもらいました。
1.近視は禁止。アイテム重視ではなくバランス重視。
“5m先から見た自分”を意識して。全身のシルエットや色みを調整することで体がキレイに見えるコーデはつくれます
ベーシックなワントーンコーデもシルエットと色の強弱でスタイルアップ
「『このブラウスの、このフリルが可愛い!』みたいに、近くばかりを見ている人が多い気がして。スタイルアップを目指すなら、そうやって近眼にならないことが大事。5m先からの自分を客観視して、バランスや全体の印象をジャッジして。たとえばコートがオーバーサイズならボトムはシュッとしたタイトスカートで調整。ワントーンでも濃淡をつけてまったり見えないように。一個一個がベーシックな色、形でも、引きで見たときにスタイルよく、洒落て見えれば正解です」(佐藤さん)。
ジャケット¥231000/ポステレガント ニット¥33000・スカート¥39600/カオス丸の内(カオス) ピアス¥129800/ソワリー バッグ¥79200/ショールーム セッション(へリュー) 靴¥38500/ツル バイ マリコ オイカワ
2.優しさとほっこり感は忘れシャープな素材で攻めてみる。
モダンさがキレよく体の丸みを打ち消す
スタイリッシュなツヤ素材で体型の印象操作は可能です
「都会的な、カッコいい印象の素材に頼るのも選択肢のひとつ。ほっこり感を排除して洗練さを意識すると、体までシャープに見えるんです。ブルゾンもプリーツスカートも光沢あるモダンな質感で、着膨れから最も遠そうでしょ?」(佐藤さん)。
ブルゾン¥68200/ベイジ, スカート¥35200/グラフペーパー 東京(グラフペーパー) ブラウス¥30800/デミルクス ビームス 新宿(デミルクス ビームス) ピアス¥45100/エルディスト(バー ジュエリー) バッグ¥79200/ヤマニ(メゾン カナウ) 靴下¥1452/キャブ(ユナイテッドアスレ) 靴¥41800/ファビオ ルスコーニ ルミネ有楽町店(ファビオ ルスコーニ)
3.ハッとする華やかな色を投入し、相手の目を撹乱させる。
色のコントラストを体のメリハリだと勘違いさせれば勝ち
パキッとしたパープルのアクセントが鮮やかなメリハリを演出
「つまり、メリハリをつくるのがスタイルアップの近道なわけだけれど、色使いでもそれは可能。ALLブラックコーデに華やかなパープルを投入して、鮮烈なインパクトを。色のコントラスト=体のメリハリだと勘違いしてもらいましょう」(佐藤さん)。
パンツ¥52800・コート¥169400/デパリエ ニュウマン新宿店(デパリエ) ニット¥53900/エイトン青山(エイトン) ピアス¥36300/エルディスト(バー ジュエリー) バッグ¥36300/ハウント代官山(クリスチャン ヴィラ) 靴下¥1760/タビオ 靴¥42900/ファビオ ルスコーニ ルミネ有楽町店(ファビオ ルスコーニ)
4.マーメイドラインの“人魚姫ワンピース”にお願いする。
「一枚で簡単に、スタイルよく見せられませんか?」
テクいらずで美ボディが手に入る“マーメイドワンピース”を味方に
「気になるお腹やヒップまわりはふんわりと包み込みながらスッキリと見せ、裾に向かって広がるフレアシルエットで脚はスラリと長く。マーメイドラインの服ってそれ自体にメリハリがついているから、確実にスタイルアップできるんです。しかもワンピースなら、頭を使う必要なし」。ワンピース¥52800/エンフォルド リング(シルバー)¥26400/エルディスト(バー ジュエリー) ピアス¥69300・リング(ゴールド)¥40700/ショールーム セッション(コールムーン) バッグ¥47300/ヴァジックジャパン(ヴァジック) 靴¥86900/インターリブ(サクラ)
5.パーツ推し”で長所をアピール。
自信のあるパーツはいっそ潔く出すと勝手にほかも細く見えてくる
脚が長所ならミニ丈で潔く見せる。それが究極の着やせ
「“自分の体の長所はどこだろう”と考えてみて。脚が細いなら脚を、デコルテがキレイならデコルテを、思い切って出すとそのパーツの印象が強く残り“スタイルいい人”に見えるんです。これが究極の着やせ術」。ジャケット¥37950・スカート¥19910/アンクレイヴ(アンクレイヴ ホワイト) ニット¥39600/スローン 帽子¥11000/シャポー ド オー 東急プラザ銀座店(シャポー ド オー) ネックレス¥74800/マリハ バッグ¥25300/ヤーキ オンラインストア(ヤーキ) タイツ¥1210/タビオ(靴下屋) 靴¥82500/ショールーム セッション(へリュー)
6.自分は“木になる”心持ちで。
インは直線的なワントーンコーデで脇役に徹し流行りのボリュームアウターにメリハリ担当を任せる
スタイルアップが難しそうなボリュームアウターはインをIラインで締める
「とんでもなくボリュームのあるショートアウターがトレンド入りしている今季。バランスよく着るために、インの服は“木”や“枝”になりきるつもりで選んで。具体的にはワントーン、ストンとしたIラインシルエット。しっかり脇役に徹することで、主役のボリュームアウターが安心してメリハリを演じてくれます」。コート¥107800/ハルミ ショールーム(アキラナカ) ニット¥48400・パンツ¥50600/エイトン青山(エイトン) メガネ¥44000/モスコット トウキョウ(モスコット) 靴¥22000/ニューバランスジャパンお客様相談室(ニューバランス)
7.“劇団・ひとりで光と影”作戦。
ワントーンコーデのなかに、明るさと暗さのギャップをつくるだけで自然と緩急がつく
やわらかなライトグリーンとシックなオリーブ。濃淡がメリハリに直結
「モノって光と影をつくることで立体的に、メリハリがついて見えるでしょ? それを自分ひとりでやってみようという話。色の濃淡でギャップをつくるだけでなく、ニットは柔らかなカシミヤ、パンツはハリのあるウール、靴はツヤっとしたエナメルと素材感でも差をつけて。もちろんどんな色みでも応用可能」。ニット¥55000/エスケーパーズオンライン(ポステレガント) パンツ¥39600/ポステレガント ピアス¥63800・ネックレス¥58300/ショールーム セッション(コールムーン) バッグ¥5500/コス 青山店(コス) 靴¥35200/ベイジュ(ピッピシック)
8.とんでもないビッグサイズで体を泳がせる、THE・古典芸能。
“彼シャツ”効果と同じく、対比で体が華奢に、女性らしく見える
ボリューム服・ボリューム素材を。逆手にとって、体を細く見せればいい
「“彼のシャツを着ると可愛く見える”と昔から言いますよね。それって理にかなっていて、大きな服を着ると相対的に体が小さく見えるんです。素材にもシルエットにもボリュームのあるシャギーコート、ふわっと広がるスカートのなかで体を泳がせてみて。透けニットで首やデコルテの肌感を主張したり、手首など細い部分を見せたりして華奢さを演出すれば、その対比で体がほっそりキレイに、女性らしく」。コート¥198000・スカート¥42900/カオス丸の内(カオス) ニット¥19800/ショールーム セッション(アダワス) ピアス¥110000/エネイ松屋銀座(エネイ) バッグ¥55000/ヴァジックジャパン(ヴァジック) 靴¥71500/ベイジュ(ピッピシック) 中に着たインナー/スタイリスト私物
スタイリスト
佐藤佳菜子さん
ベーシック服をベースにしたモダンなスタイリングが得意で、BAILAをはじめ様々な女性誌で活躍中。ブランドとのコラボアイテムも数多く手掛けていて、「小柄さん」むけの商品プロデュースも。
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/川添カユミ〈ilumini.〉 スタイリスト/佐藤佳菜子 モデル/佐藤栞里 ※BAILA2024年2・3月合併号掲載