私たちが憧れる素敵先輩たちは、ずっと大事にしてきたという名品を必ず持っているのです。スタイリスト辻直子さんは、出会ったときにときめいたものこそ「愛せる一生もの」になるそう。そんな辻さん自身の一部ともいえるバッグ&ジュエリーをご紹介します。
スタイリスト 辻 直子さん
コンサバティブをベースとした、洗練された色彩のスタイリングで人気。数多くのブランドとコラボアイテムも手がけ、トークショーにも出演と大忙し。
出会ったとき最高にワクワクしたものばかり。使うほどに「愛」が増す
一生ものは“オリジナル”であるべき。私が愛するアイテムたちは、全部出会ったとき最高にワクワクしたもの。こんなに感動して欲しくなったのはきっと私にフィットしているからで、この先も縁が切れないと思えました。その直感を信じたのは大正解で「だから、ここまで惹かれたんだ」と使うほどに魅力がしみてくるんです。値段が高いから、一生ものではない。心が素直にときめいたアイテムこそが好き以上の“愛せる一生もの”に。
【辻さんの“語れる一生もの”】
28歳ごろ
ジャガー・ルクルトのレベルソ
10代後半に雑誌で見かけて「いつか絶対に欲しい」と思って。コンサバでトラディショナルで、エレガントでメンズっぽい。そのバランスがとにかく絶妙。
きゃしゃなスクエアよりもボリューム感のあるユニセックスなフェイスが私らしくて好き
30歳ごろ
マリー・エレーヌ・ドゥ・タイヤックのリング
20代のときはタイヤックに夢中でした。このセンスに衝撃を受けて、とにかく欲しくて欲しくて。色石は購入を悩みがちですが、これは今まででいちばん褒められたジュエリーなんです。
32歳ごろ
フェンディのピーカブー
My first“ピーカブー”。ワンハンドルで左右開きの、ひとつでいろんな表情を見せてくれるユニークなデザインにひと目ぼれ。どんな格好にも合わせやすく、いまだに大活躍中。
34歳ごろ
ティファニーのパールネックレス
永遠性のあるパールですが、年を重ねるとクラシックな短いネックレスはトゥーマッチな気がして。遊べてきかせることのできる、2m近くあるロングタイプを新たに。
いろんなつけ方ができるので、使いながら魅力を探求していく楽しみもあるんです
37歳ごろ
ヴァレクストラのイジィデ
仕事で使うたびに「好き」の想いが消えなくて。迷わず白を選びました。そぎ落とされた作りで、軽くて、かっちりフォルムも好み。メンテナンスもしてもらえるので安心感も。
辻さんが思う一生ものとは…
●薀蓄(うんちく)や価値に惑わされず素直にときめいたものが結果、ずっと愛せる存在に
●無難じゃなくていい。気分が上がることが大事
●ときめいたアイテムを軸にスタイルを考えると「私らしさ」が生まれる
撮影/西原秀岳〈TENT〉 取材・原文/櫻井裕美 構成/山岸成実・渡辺真衣〈BAILA〉 ※すべて本人私物のためブランドへのお問い合わせはお控えください ※BAILA2020年1月号掲載