『銀魂』は、宇宙人によって鎖国を解かれたパラレルワールドの江戸末期が舞台。SF&時代劇がミックスされたこのハチャメチャワールドの実写化に挑んだのが『勇者ヨシヒコ』シリーズを大ヒットさせた福田雄一さん! そして、主人公の坂田銀時役をつとめる小栗 旬さんを筆頭に、幕府の特殊警察である真選組の土方十四郎役・柳楽優弥さん、組長の近藤 勲役・中村勘九郎さんら超豪華キャストが集結するなかで、ひときわ強烈な存在感を放っているのが、沖田総悟役の吉沢 亮さんです。特大バズーカを武器に、超絶ドSで毒舌冴えわたるシスコン美青年という濃ゆ~い役を演じる吉沢さん。俳優という仕事に全力で情熱を傾ける真摯な姿と、23歳らしい素敵な素顔をお届けします。
「はい。 とくにジャンプさんには死ぬほどお世話になっております(笑)。」
ーありがとうございます! でも『銀魂』のような超人気作品の実写化に挑むって、すごくプレッシャーに感じませんでしたか?
「それこそファンの方がたくさんいらっしゃる作品です、裏切るわけにはいきません! そのなかでも沖田は特に人気のキャラクターなので『大丈夫かな?』という不安は常にありました」
ーでも、BAILA編集部では『吉沢さんが沖田でよかったね♪』とウキウキしながら映画もドラマも楽しみにしているんですよ!
「ありがとうございます! もちろん、役の難しさはありました。『基本的に淡々としていて、ズバッと毒舌を吐く=沖田のすべて』なので、周りの役がボケたり突っ込んだりして、わちゃわちゃしているなかで、ひとりだけ“すん”としていなければならない。映画ではそのキャラクター像がなかなか崩せなかったのですが、逆にこのオリジナルドラマでは、そうした沖田像とは別の顔がたくさん出てきます。お姉さん思いの家族愛や、真選組のなかでの仲間意識など“沖田の人間味”が出せて、逆に演じやすかったかもしれないです。」
ー沖田役を任されたとき、どう思われましたか?
「『少年ジャンプ』ファンなのですが実は僕、『銀魂』は読んでいなくて。役が決まってから読みましたが、すごくおもしろく感じましたね。作品のなかでの役割がハッキリしていて」
ーいちばん大切にして演じたポイントは何ですか?
「騒がしい周囲とのギャップというか“温度差”かな。彼発信で何か笑いをとるというよりは、ひとり違うテンションでその場にいる状態がおもしろい! みたいな」
「監督はひたすら笑ってますね。スタッフも俳優もみんな笑いながら撮ってます」
ー明るい(笑)。その現場のムードが作品に見事ににじみでていますね。
「カメラが回っていてもいなくてもひたすら笑う、って感じなのですが、監督も笑うとき・笑わないときがハッキリされていて逆に恐いです。たとえば、こちらが芝居していて『よしキタぁ! これは笑える!』と思っても『あ、おっけー』ってスルーされることもあるので。そういうときはちょっと寂しいです」
ーじゃ、監督にウケるために常に全力投球ですね。
「みんな監督を笑わせることに必死です。福田組の鉄則です。笑わせないと恐怖が待ってる(笑)!」
ー小栗旬さんや、お姉さんのミツバ役の北乃きいさんをはじめ、芸達者なみなさんとのご共演はいかがでしたか?
「芝居が本当に上手いです。とくに小栗さん。福田監督の作品ってカット割りがすごく多くて。セリフごとにひとつひとつブツ切りで撮って後からつなげることが多いのですが、小栗さんの演技はどれも見事に1本にまとまっているんです。バラバラなのに通しで演じてるように見える。プロ中のプロだと思いました」
ー柳楽優弥さんはいかがですか?
「この『銀魂』という世界観のなかで、いちばんナチュラルな芝居をされていたと思います。すごく土方なんだけれど、キャラを作りすぎず、そこに柳楽さんらしさも漂わせるからすごいなって」
ーおふたりの殺陣のシーンは本当にカッコよかったです(うっとり)。
「僕、剣道の経験はありますが、実は殺陣って初めて演ったんです」
ーえええ!?!?!? 初めてであのハイレベル!? 時代劇オファー来ちゃいますね!(詳しくはドラマにてご覧ください、本当にすごいので!)怪我とか大丈夫でしたか?
「初めて練習して臨んだんですけれど、楽しかったです。 でも、実は稽古中に、柳楽さんの頭を木刀でフルスイングで叩いてしまいまして...血の気が引いちゃって、生きた心地がしなかったです。殺陣は、お互いの呼吸が合っていないと大変な事故になるなと反省しています...すみません」
ー基本的に、沖田=バズーカですものね。
「実在の沖田総司は剣の達人なので、剣豪らしさが存分に出せるシーンをドラマできちんと演じられてよかったです」
ー沖田以外に、演じてみたい役はありますか?
「やっぱり土方はかっこいいです! 大河ドラマの『新撰組』も事前に見て勉強して、真選組も新撰組もみんな男前だと感じたけれど、どの土方も生きざまに憧れます」
「僕、実は、イライラしたりとか腹の立つことがあっても、寝ると忘れちゃうんです。ストレスをあまり溜め込まないタイプなのかも。オン&オフの切り替えみたいなのがあんまりないんです。ずーっと同じテンション」
ーこの業界で生き抜くためにはとても重要なスキルですね! いいと思います! 忙しいときのリフレッシュはどうしているんですか?
「ひたすらビールを飲みます」
ー酔っ払うとどうなっちゃうんですか?
「この状態のまま、ちょっと上がるみたいです。どうでもいいことを延々しゃべってるみたい。で、翌日後悔する(笑)」
ーちなみに、dTVのような映像配信サービスは使っていますか?
「それがまだなんです。でもこの『銀魂』が公開されるときはコレで見なきゃいけないので、入ります! 」
ー(笑)どんな番組を見て楽しみたいですか?
「『銀魂』のようなオリジナル番組のクオリティの高さに驚きます。見逃した番組も見られるし、ちょっとした空き時間の有効活用にもなりますよね。普通のTVだと難しいことができて楽しめる、便利なサービスだと思います」
「小学校からの友人たちです。いてもいなくてもそんなに変わらないようで、いないと絶対に困る。空気みたいな存在なのかな。みんなで会ってるときも、各々ゲームとかやってたりするんですが、でもなんか一緒にいる...生活の一部なんでしょうね。この仕事を始めてから出会った友達は、同じ業界の人が多いから、自然とどこか気を遣っているような気がするのですが、幼なじみたちにはその必要もないし、本当に素でいられる、安心できる存在です。一緒にいると、感情の起伏が激しくなるなって思います。ブチ上がるときは上がるし、落ち込むときはシーン、みたいな」
ー素敵な仲間がいらして、うらやましいです! 最後に、今後の野望を教えてください。
「とくに具体的に『コレ!』っていうのはないのですが、役者として一生食っていける役者になりたいです。あと、たとえば5年後とかに『銀魂』の沖田総悟という役そのものが、観てくれた人の記憶に残っている、そういう芝居ができる役者でありたいです」
ー映画にドラマに舞台に、どんどん活躍されていますものね。
「ありがとうございます。人の心に残る作品や役を残していきたいです」
原作:空知英秋『銀魂』(集英社『週刊少年ジャンプ』掲載)
出演:小栗 旬、柳楽優弥、吉沢 亮、北乃きい/中村勘九郎 ほか
脚本/監督:福田雄一
配信開始日/話数:7月15日(土)~全3話(一挙配信)
(C)空知英秋/集英社 (C)2017映画『銀魂』製作委員会 (C)2017 dTV
撮影/河合克成 取材・文/沖島麻美