海外ドラマに詳しいライター・今 祥枝とBAILA編集者・ミツコが、30代女性におすすめのドラマをピックアップ! 今回は、故人が遺した思いを解き明かしていく、珠玉の人間ドラマ「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です」をご紹介。
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編集ミツコ(以下ミ) アスペルガー症候群のグルと、彼の後見人になったサングが、遺品整理士として故人の声に耳を傾け、遺された思いを解き明かしていく。亡くなった人の事情や背景に物語があって、死と向き合うのはつらいけれど心が温まる。毎回、泣けてしまいます!
今 私もグルと父親の絆を描いた初回から大泣き。でもあざとく感動を押しつけたりせず、グルが遺品整理中に聴くブラームスのピアノ協奏曲ほかクラシックが静かに流れるなど、抑えた演出がすごくいい。
ミ 社会派の要素をしっかりとらえつつ、噓のないファンタジーっていうのかな。人生に起きる小さな奇跡みたいなものを、丁寧に描いているところに引き込まれるよね。
今 俳優陣がまたうまくて。グル役のタン・ジュンサンは「愛の不時着」の5中隊の兵士役でいい味を出していたけど、早くも主役級!父親役は「サバイバー60日間の大統領」も大熱演だった名優チ・ジニ。もう、そのたたずまいだけで胸がいっぱいに。
ミ そしてサング役のイ・ジェフンの素晴らしさ‼かっこよさと可愛ささと、頼りなさと頼もしさと、いいかげんさとまじめさと。相反するムードが入り交じるキャラクターは、さすがだなあと思う。ゲストも含めて、じわじわと心にしみ入るような登場人物の奥深さにも脱帽です!
今 まさにせわしない日常の中で、心洗われる一服の清涼剤のようなドラマ。ぜひ癒しのひとときを。
「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です」
遺品整理会社“ムーブ・トゥ・ヘブン”で、父親とともに遺品整理士として働くアスペルガー症候群のグル。事情により疎遠だった叔父サングが後見人となり、友人ユン・ナムらとともに故人の思いを残された人に伝える。出演はタン・ジュンサン、チ・ジニ、「シグナル」のイ・ジェフン、「ナビレラ-それでも蝶は舞う-」のホン・スンヒほか。監督は映画『お料理帖〜息子に遺す記憶のレシピ〜』のキム・ソンホ、脚本は「花より男子〜BoysOverFlowers」のユン・ジリョン。
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イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年9月号掲載 ※配信情報は記事掲載時点のもので、変更になっている場合や、配信が終了している場合があります。